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「三位一体改革について」(2004年9月

今回の改革案は、所得税から住民税へ、3兆円の税源移譲(人口割)によって達成することになっているが、人口密度の少ない財政力の弱い自治体はますます財政力が低下する。

・40%の市町村では、補助金収入が市町村税収入の1.5倍を占めているのが事実。都道府県に比べ財政力が脆弱な市町村の実態を踏まえた補助金が必要。

今回の改革案は、税源移譲の後、必要財源を交付税で確保するとの主張だが、所得税の32%が地方交付税化するルールから交付税が1兆円減額し、しかも交付税総額の抑制が政府の方針。結果的に、補助金を削減される地方で必要な事業ができなくなる可能性大。

・義務教育費国庫負担金についても、3兆円の積み上げという数字合わせの議論に終始した結果、中学校分の8500億円のみを先行して廃止するという、教育論抜きの案となっている。これこそが教育の機会均等を無視するなど「理念なき改革案」ともいうべきものであり、重大な問題。
・公立保育所負担金など児童保護費等負担金(4130億)が廃止されるが、実際には財政力の弱い地方では財源不足が発生。
・少子化対策は国の存亡に関わる最重大課題。これを地方に委ねることは大問題。
   
今回の改革案は、税源移譲のみを目的としているため、建設国債で賄われている事業まで税源移譲せよと主張するなど、そもそも本末転倒の提案。  

公共事業について、なぜ都道府県事業のみを廃止対象とし、市町村事業をはずしているのか。結果的に、治山・治水・砂防・地すべり関連事業を廃止対象と整理しているが、最近の災害の頻発をみても、このような災害予防関連補助金を廃止とすることには強い疑問。

・こうした事業の殆どは山間部等の地方で実施。一方、税源移譲は東京など都市部に偏るため、改革の結果、地方では治山・治水・砂防・地すべり対策の財源が十分に確保できない恐れ。
・全国的に水害が頻発する中で、治山・治水・砂防など災害予防関連補助金を廃止対象とすることは日本の脆弱な国土構造についての配慮を欠く提案。

廃止対象とされた農業補助事業(経営体育成基盤整備事業、農道)も対象地域はほとんどが地方。東京中心の税源移譲とはミスマッチ。そもそも地域バランスの調整は補助金を通じて行なうのが最も合理的。