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私の政策と提言 「国際ハブ空港への提言」


はじめに―大航空時代の到来
(1)空港政策の問題点
(2)国際ハブ空港の条件
(3)国際幹線空路から外れた日本は大航空時代の敗者
(4)国際ハブ空港への道―最適地は千歳・苫小牧地域




はじめに―大航空時代の到来

 20世紀は、航空機・航空産業の目覚ましい発展と、テレビ、電話、情報通信産業やコンピューター等によって人類世界を大きく変容させた。航空輸送は、その大量・高速の特性を発揮して、今や他の陸上・会場交通機関を圧倒し、交通機関の主役の座を占めるに至った。
 21世紀、世界はさらに「知識・情報社会」が重要なテーマとなるなかで、政治・経済・産業・文化・教育・科学技術等、あらゆる分野で大交流時代となり、大航空時代が到来する。



(1)空港政策の問題点
 これまでの空港政策は需要増の後追いに終始し、航空輸送システムを支える空港の能力不足を解消できなかった。国際空港の問題点は容量不足に加え、空港使用料等の公租公課が極めて高く、成田空港は国際線のジャンボ機1回の着陸料が94万8千円(平成10年)で、ニューヨーク・ケネディ空港の2,5倍、ロンドン・ヒースロー空港の9,5倍。国内線の公租公課は着陸料に航空援助施設利用料、航空機燃料税を加えると、アメリカの8倍、ヨーロッパの3倍にも達している。
 高い公租公課は空港整備の立ち遅れと高い空港建設費に起因する。滑走路1本の関西国際空港は第1期工事費が1兆4600億円で、その利息だけで年間700億円にのぼっている。ちなみに新千歳空港の建設費は約900億円である。
 現在日本を代表する国際空港である成田と関西は滑走路1本のみで、現状では滑走路上のアクシデントが空港閉鎖につながり、この空港を利用する国際便に多大な影響を与える結果となる。第7次空整は総額3兆6000億円を投じ、うち新東京国際空港、関西国際空港、中部新国際空港、首都圏第3空港建設に空港整備費の約8割を投入する計画であるが、いずれも滑走路1本に1兆5000億円の事業費と数年の時間を必要とする。しかし成田・関空はいずれも内外の空港を束ねる「国際ハブ空港」にはならないばかりか、2000年には韓国等近隣諸国の国際ハブ空港が始動するから、このままでは著しい立ち遅れが危惧される。ハブ化への障害である「高い国内運賃」と「高い空港の公租公課」を引き下げて、空港間のネットワーク化を図り、消費者に安くて使い勝手のよいサービスを多様に提供する等、航空政策の転換と本格的な国際ハブ空港構想が必要である。



(2)国際ハブ空港の条件
 ハブ空港とは「周囲の空港に放射状に伸びる航空ネットワークを形成して『拠点となる空港』。多くの国際路線・国内路線を持ち、内外の乗り継ぎ客の結節点となる空港」で、なかでも、21世紀初頭に実用化予定の新SST(次世代超音速機)の拠点となる空港をスーパーハブ空港と呼ぶ。このスーパーハブ空港は、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニア等の各大陸に1つないし2つ、合わせて6空港程度が見込まれている。
 21世紀には国際ハブ空港をつなぐ幹線ルートは、航空機の大型化・高速化が予測され、そのために滑走路は4000〜4500メートル、さらに6000メートルの滑走路長が必要との見解もある。そうした対応も可能な拡張性のある空港計画が立てられなければならない。
 国際ハブ空港にとって最も必要な条件は、その空港が世界の幹線空路の適地に位置し、安全で集客力があり、建設費が安く着陸料・利用料が安いことである。利用客にとっては、快適で、空港へのアクセスに便利でコストが安く、多様な路線への乗り継ぎが自由に選択でき、空港周辺にさまざまな施設が集積している魅力ある空港として将来性に富むことが求められる。
 こうした諸条件を充足するには、地理的・地政学的位置とそれを可能にする要領(面積・滑走路長・滑走路数)が必要である。
 したがって、国際ハブを目指す空港は3000メートル、4000〜4500メートルの滑走路を数本、ターミナルビル2〜4棟は保有することが趨勢になっており、航空施設、滑走路等に要する面積が、現在3000ヘクタールから5000ヘクタールの規模になっている。世界最大と言われるデンバー新空港(アメリカ)の一期計画は、面積が1万3700ヘクタール、滑走路5本を擁し、全体計画では1万6000ヘクタール、滑走路6本。アジアの主要国も10〜20年先の航空事情を見通して、大規模空港の建設に着手している。日本の地方空港整備が進めば進むほど、建設中の新ソウル国際空港(4000メートル級滑走路4本)が日本の旅客を吸収し、ハブ空港化を助けて、東アジアの国際ハブ空港の地位を占める結果が危惧される。



(3)国際幹線空路から外れた日本は大航空時代の敗者
 21世紀の大交流時代に「航空」は国家的戦略課題で、国際的・国内的なヒト・もの・情報交流の広場であり、これらすべての交流の拠点として重要である。国際ハブ空港とその周辺は、ヒト・もの・情報交流の広場、国際交流、学術・研究、観光、リゾート・レクリエーション、物流、産業・技術、教育・文化・芸術等の関連施設配置の可能性を持つものとして計画される。航空は航空輸送分野のみならず、航空機に関係する整備工場・修理工場・エンジン製造工場、航空機組立工場、航空関連人材養成施設(航空関連大学、大学院等)も視野に入れなければならない。航空機製造はハイテク技術の頂点でその視野は広い。
 国際ハブ空港の存否は、日本が21世紀の大航空時代に、経済・産業・科学技術・情報通信・文化の面で繁栄するか衰退するかに直接関連する課題である。国際ハブ空港をつなぐ空の幹線から外れることは、21世紀の日本がすべての面で衰退する要因となり、経済大国として生き残ることは難しくなる。そのため国際ハブ空港開設は必要不可欠の課題である。



(4)国際ハブ空港への道―最適地は千歳・苫小牧地域
 国際ハブ空港の望ましい要件を上げれば、(1)24時間供用可能な空港、(2)国際幹線空路の適地に位置している空港、(3)経済性に優れた競争力のある空港、(4)陸・海・空のアクセスが整備され利便性の高い空港、(5)需要に即応できる拡張性のある空港、(6)情報と交流の拠点となる空港、(7)潤いと安らぎもあるアメニティ豊かな空港、等の点が指摘されるが、新千歳・苫小牧の空港構想は諸要件充足の可能性を具備している。
 国際競争は時間との競争でもある。新千歳は隣接する千歳空港を含めて3000メートル級路をすでに2本有し、24時間運行可能な空港で、周辺の苫小牧東部工業団地を含んで構想するならば、国際ハブ空港としての用地を十分に確保できるし、関連施設に必要となる利用可能な後背地も広い。しかも成田より1000キロも欧米に近い有利な立地条件がある。国家プロジェクトとして構想された苫東計画が暗礁に乗り上げている今日、苫東地区における本来の価値(広い土地、少ない地権者、安い土地代、地の利、新千歳との連携、24時間運用、JR・高速自動車道・苫小牧港とのアクセス等)の活用こそ、まさに国家的な最良の選択である。
 北緯43度、北海道の地政学的・文化人類学的視点から見れば、世界の東西南北の交差点であり、南北に長い列島の北のゲートウェイにふさわしい。21世紀に向け、東京一極集中是正・多極分散化とネットワーク社会形成を目指すならば、まさにこのプロジェクトは国土政策の中心的な課題である。「国際ハブ空港構想」によって、アジアと欧米をつなぐ「空のパシフィック・ハイウェイ」の実現が期待される。