第156国会閉会中
2003年9月10日
災害対策樹立に関する調査
台風10号による北海道の被害を中心に、最近頻発している企業火災などを含め鴻池防災担当大臣らに質問、政府の適切で迅速な対応を求めました。
特に激甚災害指定に伴う調査費や災害復旧費の地元自治体負担の軽減を強く要求、財源措置など対策を求めました。
今回の水害で最大の要因となった流木の速やかな対処を要求、また流木の流出源となった国有林と渓畔林の管理責任を指摘しました。
鴻池防災大臣からは、「25、26の両日、5省庁17人の合同現地調査団を北海道に派遣し、被害対策などについて要望を聴取、地方公共団体と連携して、被災地の速やかな復旧などにつき、政府一体となった対応を行っている。平取町、門別町、新冠町に災害救助法を適用、現在、流木対策を含め、公共土木施設、農地などの復旧に全力を挙げている」との報告がありました。
中川義雄
質問する前に、今回の災害で、被災者の皆さん方に心からお見舞い申し上げると同時に、十六名の多くの方々の命が失われました。心から哀悼の意を表したいと思います。
私は、台風十号のうち、北海道で思わぬ被害を受けましたものですから、そのことを中心にして質疑をさせていただきたいと思います。
その前に、昨日、おとつい、あのブリヂストン栃木工場の火災、テレビ等で見まして、すさまじいものがありました。その前に、新日鉄名古屋製鉄での火災、周辺住民にも多大な迷惑を掛けたと聞いておりますが、最近、こういう企業火災の事例が多く発生し、消防・防災面において企業の安全対策に対する配慮が非常に欠如しているのではないか、消防庁として企業に防災面について注意を喚起する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
政府参考人(石井隆一消防庁長官)
お答え申し上げます。
御指摘のとおり、ブリヂストンの栃木工場火災のほか、最近、三重県でごみ固形化燃料発電所の爆発事故でありますとか新日鉄の名古屋製鉄所火災とか、大変企業の火災事例が続発しておるわけでございます。
こうした事態を受けまして、現在、消防庁では、火災原因調査を行いますとともに、それぞれの工場の火災、ケースが少しずつ違いますので、検討会を設置するなどいたしまして安全対策について検討を進めております。
事業者に対する消防・防災面の安全につきましては、これは、やはり原則は事業者側のまず法令遵守、それから自主保安の推進ということが基本ですけれども、消防機関といたしましても、常日ごろ、危険性の高い施設につきましては立入検査あるいは違反処理などを重点的に行ってきたところであります。
今、先生おっしゃいましたように、それにつけましても、最近、非常に事例が多くなっておりますので、原因調査をしっかりやりますとともに、防災面の安全対策の強化につきまして、関係業界はもとより、経済界に対して周知徹底あるいは注意喚起をしっかりしてまいりたいと思っております。
中川義雄
そういう中で、緊急消防援助隊、これをどしどし活用していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
政府参考人(石井隆一消防庁長官)
今、先生おっしゃいました緊急消防援助隊、阪神大震災の教訓を受けまして平成七年に作ってきたところでありますけれども、現在、全国の自治体消防の中から精鋭の登録をお願いしまして、約二千二百部隊、三万一千人という規模になっております。
これまでも、有珠山のときでありますとか、鳥取県西部地震、芸予地震のときも出動しておりますが、今年に入りましてから、先ほどお話が出ておりますような宮城県の北部地震、あるいは先ほど申し上げました三重県のごみ固形化燃料発電所火災、それから栃木県のブリヂストン工場火災、こういった火災につきまして、被災県からの要請を受けまして派遣をいたしております。
今年の六月、さきの通常国会で消防組織法の改正によりまして、大規模地震でありますとか特殊な災害の場合にこの緊急消防援助隊を出動させるということを法律上もしっかり位置付けをしていただいたことでもございます。
今御指摘いただきましたように、大規模災害あるいは特殊災害が発生しました場合にはできるだけ速やかに派遣をしまして、被害を最小限にするように常日ごろ体制整備に努めてまいりたいと考えております。
中川義雄
もう一つ大事なことは、企業火災というのは非常に大規模な火災になる可能性があるわけでして、そこへ必死で消防活動をする消防団職員の被害というものが大きな問題になってきていると思いますが、そういった方々の安全の確保のためにはどのような手を打っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
政府参考人(石井隆一消防庁長官)
おっしゃいますように、まず、災害に際しましては、何といいましても国民の皆さんの生命、身体、財産を守るために消防職員・団員がしっかり取り組むのは当然でありますけれども、御指摘がありましたように、かといって消防職員あるいは団員の殉職といったことが出るようでは非常に困りますので、先般、この八月にも、各消防本部で安全管理体制、従来からいろいろと気を付けているはずなんですけれども、改めて再点検してもらいまして、安全管理マニュアル等もかねて作っておりますから、これの徹底をしてもらうといったようなことで消防課長通知を出すなり、あるいは現場に行きまして個々の消防本部にそういうことを改めてお願いをするといったことをやっております。
現在、更に事故原因を調査中の事案もございますけれども、こうした事案の調査結果も踏まえまして、更なる安全対策の強化につきまして全国の消防機関にしっかり周知徹底をしてまいりたいと考えております。
中川義雄
それでは、今回の台風十号による北海道における非常に特異な災害について質問させていただきたいと思います。
今回の台風による災害で全国で十六名の尊い命が失われておりますが、その中で、行方不明者一名はありますが、十一名、合わせて十一名の尊い犠牲者が出た。このぐらいの雨でなぜこんなに多くの尊い命を失ったのか、政府としてどういう見解を持っているのか、まず大臣の見解を伺いたいと思います。
国務大臣(鴻池祥肇国務大臣(防災担当大臣))
中川委員のお話のように、この台風によりまして全国で十六名、北海道では十一名に及ぶ尊い命が亡くなったということは、本当に痛ましいことでありますし悲しいことでもあろうかと思います。
住民の安全の確保という観点から、まずは発災時に住民の方々に的確な情報を伝達をするということが大変大事なことであるということをこの反省点に立って考えさせられることでございまして、このために、防災無線といったものの整備、あるいはテレビ、マスメディアによって的確な情報というものを住民にしっかりとお伝えをするということが大変重要なことであると、このように考えております。
また、災害が切迫をいたしております状況下で避難勧告がどのような形で行われているのか。これは極めて難しい状況判断であろうかと思いますけれども、雨量だけの量によって判断をしていくという、これに頼らない、雨量だけに頼らない基準の在り方というものも検討をしなければならないんではないかというふうにも考えております。
さらに、亡くなられた方には大変お気の毒なことなんでございますけれども、やはり大変危険なときに屋外に身をさらしておられたということで命を落とされた方がほとんどでございますので、そういったことを反省の一点といたしまして、やはり日ごろから災害というものの危機、これに対して個々人がどのように対応、対処していくかという、そういう教育というか、そういうものが随分必要ではないかというふうにも考えますし、このためにハザードマップ等の作成や公表というもの、これを実際に実施して、そして自主防災組織というものを考えながら訓練等を行わなければならない、このように考えておるところでございまして、このたびの災害を踏まえて、今後とも関係省庁と十分連携を密にしながら対策に全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
中川義雄
北海道での非常に特徴的な事例としましては、この十一名のうち実に八名の方々が道道における自動車事故において命を失っておりますが、なぜ道道に集中したのか、国土交通省当局の見解を伺いたいと思います。
政府参考人(藤本保国土交通省北海道局長)
御指摘のように、道道を走行中に八名の方が事故でお亡くなりになりました。お亡くなりになりました方々に対しまして謹んで御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。
今回の大雨に伴う道道の交通規制について、道路管理者であります北海道知事は、台風十号に係る土木現業所の非常配備体制について調査を行い、その結果を報告書に取りまとめ、北海道議会に報告しております。この報告書の中では、今回の雨が記録的な豪雨であったこと、現場では被災報告の対応と電話の問い合わせに忙殺されたこと、このため雨量水位情報に目を向けることが希薄となったこと、さらに、他の道路管理者等関係機関との連絡が必ずしも十分でなかったこと等が指摘されております。
国土交通省としては、今回のような異常気象時における道路管理の重要性につきまして改めて認識したところであります。
中川義雄
ちょっと、私が行って見たのと今の報告では、非常に形だけの報告になっているんです。
それは、今回の特殊な水害が大きな要因になっている。日高における三名の事故というのは、道道を通っていたんです。ところが、橋に木材が流れ着いていて、橋を通るとそこももういつ流れるか分からないということで、そこで車がストップしてしまった。一台ならいいんですけれども、二台も三台も四台も続いてそこへ集中しちゃった、車が。そこへ、後ろにも行くこともできない、そういう中で、見る見るうちにその木材が堰となって大量の水があふれ出て道道に襲ってきたんです。ですから、体力のある方だとか何かは逃げ延びることができたんですが、この三人というのは、五人ワゴン車に乗っていて、体力のない三人がどうしようもなく、みんなが見ている中で流されてしまったんです。
それともう一つ、十勝における、上士幌町における五人の犠牲者というのは、道道は大丈夫に見えたんです。橋もちゃんとしていたんです。ところが、橋の下に木材が引っ掛かって、川水が向こう岸に流れて向こう岸が大きく削り取られてしまっていたんです。ですから、運転者は、暗い夜道、雨の中ですから、橋がしっかりしていますから、よもやそこへ水が行っていないと思ってそこへ飛び込んでいっているんです。これを交通者の意識によるものというような形、これは過酷であります。やっぱり道路管理上の大ミスなんです。
例えば、同じことでも、平取町の荷負というところで、それから四、五キロ離れた集落があった。そこも同じような状態になったんです。ところが、荷負の交番のお巡りさんと役場の職員がそこに行って見ていて、これは偉いと思います、交番のお巡りさんには強制的に避難命令を出す権限がなかったんですが、このお巡りさんは自らの判断で避難命令を出しているんです。その集落の人たちが随分文句を言ったそうであります。しかし、本官は命を懸けて守りたいと、そう言って、そこにいた百人ぐらいの集落の人たちを高台の公共施設に強制的にお巡りさんの判断だけでやって、尊い命を守っているんです。
にもかかわらず、今回はそういったところに道道の管理している人たちがほとんど行っていないんです。そういった意味で、私は大きな問題があると。言わば、特に道道におけるパトロール体制に問題があって、通行規制区間の適正な実施、そんなことが後手後手に回って、こういう大きな被害になった。
私も、聞いたら、交通止めだとか規制はだれがするのかと言ったら、土木現業所の出張所がするというんです、出張所長が。あの北海道の山間部のあの広い中で、道道の土木管理者である土木現業所の出張所長が一人の判断でどうやってそんな交通規制、受け持っている地域だけでも百キロ近くの山間部における道道を、そう簡単にパトロールしてそれを監視するということはできない。
これをもっといろんな情報を集中できるような観測機器、そういったものを十分導入することによって、ある程度事務所にいても交通規制をできるような、そういう体制を作っていかないと、そこまで土現の所長が車か何かに駆けていくまでに大災害が起きる可能性があるわけですから、もっとこの情報化社会に合ったようなパトロール、そして交通規制についての取組をしっかりしていただきたい。
国道は全然なかったんです。国道だけは良くしておいて、道道には、又は市町村道には余り目もくれない国土交通省の日ごろの行政がこういう結果になったと、そう言って地元の人たちは恨みみたいな話をしているのを私聞いてきましたので、もっと心の温まる答弁をいただきたいと思います。
政府参考人(藤本保国土交通省北海道局長)
道路のパトロール体制についてでありますが、基本的には各道路管理者において定めるものであります。
異常気象時におけるパトロールにつきましては、一般的には連続雨量、各種注意報の発令などを勘案いたしまして、維持を担当する出張所等の責任者が判断し出動をすることとしておりますが、場所によっては降水量あるいは河川の水位を基に事前に出動基準を設定しておくことは、迅速かつ適切な災害対応を行う上で有効な手段であると考えております。
なお、北海道では、先生の御指摘のとおり、今回の台風十号による災害対応を踏まえまして、異常気象時におけるパトロール体制に係る改善策の素案を北海道議会へ報告しており、その中で、パトロールの出動基準を明確化することにより異常気象時における迅速な対応を図る、異常気象時における出動基準は、地域特性を踏まえ、土木現業所ごと、又は細分化の必要のある場合には出張所等ごとに降雨量や河川の水位などを指標としてあらかじめ設定しておくということとしておりまして、年内をめどに取りまとめると聞いております。
国土交通省としても、この緊急災害時に対しましては、北海道あるいは市町村と連絡を緊密にして万全な管理体制をしいてまいりたい、このように思っております。
中川義雄
これは意見だけにしておきますが、どうしても、道道を管理しているのは北海道でありますから、管理している人がこの要因について報告するとどうしても自己弁護的なことになりがちなんです。ですから、こういう尊い犠牲を今後なくするためには、第三者による調査をした上で、要因について国土交通省として責任を持ってそれを調査して今後の対策に当たるべきだと、これを私は強く要望しておきますので、そのような、今回の要因については第三者機関による要因分析を是非していただきたい。
地元の方々は全然そう思っていません。ひどい人は、お盆休みでもうみんな帰っていたんではなかろうかと、そんなことまで恨みのように、こんなにたくさん事故が起きたものですから言っている方々もいた。これは間違いない事実ですから、道の報告だけじゃなくて、もうちょっと公正な報告に基づいて要因分析をし今後の対応をすべきだと思いますので、これは強く要求しておきたいと思います。
ところで、大臣、今回の被害は予想以上に局部的にある地域に集中しているんです。北海道と市町村分、言わば地方の被害額、被災額は北海道の調査では約八百億円だと言っているんです。ところが、それが沙流三町と言われて新冠町、平取町、門別町、この三町だけで、町が受けた被害が約四百億円という膨大な被害になっているんです。これは、町の公共施設を災害復旧するとしたらそう簡単なものではありません。何としても早急に激甚災害の指定をしていただく必要があると。この弱い市町村の財政では簡単な問題でないということで、大臣の決意を聞かせていただきたいと思います。
国務大臣(鴻池祥肇国務大臣(防災担当大臣))
中川委員御承知のように、激甚災害指定ということにつきましては、いわゆる被害状況の調査、積み重ねの結果をということのルールがあるわけでございます。そういう意味で、ただいま鋭意その作業を進めておるところでございますので的確な表現は差し控えなきゃいかぬと思いますけれども、しかし、これまでの集計状況というものを判断いたしますと、農地等からの災害復旧費は極めて大きくなると。中川委員御指摘のとおりでございますので、全国規模の激甚災害である本激になるという可能性はあるのではないか、このように見解をいたしているところでございます。
また、指定基準を満たすことが確定をいたしました場合には、これを、指定のための手続を急遽急がすということをお約束を申し上げたいと思います。
中川義雄
この激甚災害の指定も含めて、最初は被害を受けた市町村また道が調査しなければならない。この調査費にも膨大な費用が掛かっているんです。特に、私は大きな問題だと思いますが、これから激甚指定も受けても査定設計という業務はそれぞれ受けた市町村また道自らがその査定設計をしなければならない。そして、この査定設計には難しいいろいろのルールがありまして、ケース、ケースによって委託費率というものが積算されて、そのトータル、そしてそのうちの二分の一は補助対象になるということになっている。
今回、私がずっと調査したら、ある町では査定設計の委託費だけで十二億円になるだろうと。そうすると、町の持ち出し分だけで六億になると。査定設計を急がなかったら災害復旧工事には全然入れませんから、査定設計を何とかやりたいが、今のこの厳しい市町村財政では六億円という大変な金額を捻出することはもう不可能だと、死の苦しみをしているんです。これをしなかったら災害復旧工事にも当たれないと。
これを今回、補助率を、道にしてくれといってもこれはなかなか難しい問題でありますから、これは総務省にお聞きしたいんですが、この膨大な査定設計一つ見ても大変ですから。こればかりじゃありません、地方の工事費に対する負担だとかその他いろんな問題がありますから。今回被害を被った町村は、本当に財政水準も低くて大変な町村ばかりであります。山村地帯ばかりなんです。これに、地方負担に耐えるために、総務省として、地方交付税や地方特別交付税、そして地方債といったもので何とか緊急援助をすることによって厳しい財政を援助していただきたい。そうしなければ、もう立ち上がることもできないぐらいの大災害であるということから、総務省当局の見解を伺いたいと思います。
政府参考人(林省吾総務省自治財政局長)
今回の台風第十号の災害によりまして、御指摘をいただきましたように、被災されました地方公共団体におきましては、公共施設等の災害復旧対策や応急対策などにかなりの規模の財政負担が生ずることが見込まれております。
現在、私どもといたしましては、関係地方団体からその実情を十分お聞きしているところでございますけれども、具体的には、これらにつきまして、私ども、地方団体の財政力から見ましてかなりの負担になることでもございますので、災害復旧事業等に適用されます制度を十全に活用しながら、当該地方団体の財政運営に支障が生ずることがないよう適切に対処してまいらなければならないと考えております。
具体的には、公共施設等の災害復旧対策につきましては、公共災害復旧事業の地方負担、それから単独でおやりになります災害復旧事業につきましては地方債を一〇〇%まず手当てをさせていただきたいと考えておりますし、それらの地方債の元利償還金につきましては普通交付税により措置することを考えております。
さらにまた、御指摘をいただきましたが、これらの復旧事業以外に、地方団体におきましては応急対策とかいろいろの事前対策に経費の負担が多額になることが予想されているわけでありますが、これらにつきましては、特別交付税によりまして、災害復旧事業の規模とかあるいは当該地方団体の財政負担等を十分お聞きした上で、特別交付税の算定におきまして適切に対処したい。これらを併せまして当該団体の財政運営に支障なきを期してまいりたいと考えております。
なお、当面の資金対策といたしまして、地方団体からの御要望もございましたので、特に大きな被害を受けられました北海道内の三町に対しましては、九月の四日付けで、九月に定例交付すべき普通交付税の一部を繰上げ交付をさせていただきましたことを御報告を申し上げておきます。
中川義雄
強く申し上げますが、災害復旧のためには最初に、査定設計が一番最初に必要なものなんです。これに大変なお金も掛かるので、財源措置をどうするかということを具体的に、この問題について一番心配していますから、地元では。そのことについて、これが特交の対象になるとかならないとか、又は起債の対象になるとかならないとかという明確な総務省当局のまずそれに対する考え方を示していただかないと、設計できなかったら災害復旧工事はできないんです。
これも、聞くところによると、昔は、言っていました、町の建設業者が全部協力して設計してくれたんだそうです。ところが、今嫌な雰囲気があって、そんなところに協力すると後からの入札に有利になるとかならないとかいうことで、お互いに牽制し合って全然、もちろん町からそんなことを要望できない。昔は町から要望できなくても町の建設業者がじゃんじゃんやってくれたんですが、しかし町の職員には専門家というのは一人か二人しかいませんから、ほとんどできないと。
今の厳しい状況の中では、昔と違ってやはりきちっとした委託設計をしなければできないというのが昔と今との違いなんですが、昔に作ったこの二分の一補助時代というのは、そういうおおらかな時代に作られたものであって、これもできれば建設省と財政当局、そして担当大臣も含めて現状に合った補助体制にしていただきたい。これは答弁要りません。私からの強い要望にさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思っています。
今回の水害で、私もびっくりしましたが、この地域の特徴的な、これだけ人命も多くなった最大の要因というのは流木による被害なんです。北村大臣も見てきたといいますから、大臣も目で見てきたと思いますが、副大臣も、本当にもう河原という河原が木でうずまっていると、流木でうずまっているという状況なんです。
二風谷ダムというのが沙流川の中間にありまして、そこに流木がたまっておりました。私も見てきましたが。当初、この流木を、全体的に道の責任で流木を排除するということになって、道は全部で十二万立米ぐらいの流木の流出があったんではないかと言って、その災害復旧のための費用の算出に基礎にしたんです。そのとき、二風谷ダムというのがちょうど沙流川の真ん中にできまして、そこへたまったのが四万八千立米ぐらいだと試算していたんです。
私が見て、つい最近も電話で確認したら、四万八千どころか七万立米取ってもまだ残っているという話でありました。それから推察すると、十二万立米じゃなくて二十万立米近くの木材がこの沙流三町、狭いところにひしめき合っていると。
この流木をどのように見て、これをどうやって片付けていくのか、国土交通当局の見解を伺いたいと思います。
政府参考人(藤本保国土交通省北海道局長)
今回の台風十号によりまして、日高・十勝地方において洪水に伴って土砂と大量の流木が流出し、農地や河川等の各所に堆積したところであります。
流木の総量につきましては、北海道の取りまとめた数字では約十二万立方メートルとなっており、このほかに二風谷ダムに滞留した流木を含め、北海道開発局所管分として約七万立方メートル余りが確認されていることから、現時点では約十九万立方メートル余りとなっておりますが、いまだ未確定でございまして、今後の作業によって増減があるものと考えております。
いずれにいたしましても、膨大な量の流木につきまして、災害復旧事業を始めとした様々な事業を活用しながら、関係機関が連携、調整しながら速やかに対処することが地域の復旧復興にとって重要であると認識しております。
中川義雄
二風谷ダムに堆積しているという流木が四万八千立米と最初見たのが七万立米を超しているんです。あのダムの中に堆積しているのは推測しやすい、非常に推測しやすいものでも四万八千立米と思ったのが七万立米あっているわけですから、一般に流出している、十二万立米と見ているが、私は膨大に、それだけで二十万立米ぐらい出ると。一万立米の流木を処理するのに一億円掛かるというんです。これをだれが、だれの責任によって処理するかということについても非常に大きな問題があります。
そのことをよく考えて、道庁が十二万立米と言ったからまあそれぐらいだと、それに七万立米足して十九万立米なんというのんきな話をしていたら間に合わないということを国土交通省当局も十分考えてやっていただきたいと思うんです。自ら調査するぐらいの考えを持ってやっていかないと責任の所在も含めて明確にならないわけですから、もっと積極的に対処をしていただきたいと思います。
しかも、流木の大半は国有林と民有林からの流出であります。先ほど写真をずっとやりましたが、あれはほとんどは国有林であります、あの崩壊しているところ。あの道路わきの森林、私も見てきましたが、全部国有林であります。ですから、国有林から流れて出た木材が大変な大きな災害のもとになっているわけですから、国有林を管理している農林省の責任も重いと思うんです。
それからもう一つ、渓畔林、これも私見てきましたが、これも大変な流木の流出元になっている。国有林から流れて出てきた木材は比較的大きな木であります。渓畔林からは柳だとかなんとかの小木であります。最初に大きな木が来て橋の欄干だとか何かに当たって、そこで水をせき止める。そこへ渓畔林から流れ出てきた小さな木がその穴を埋めてしまうと全く立派な堰ができてしまって、それが大きな災害のもとになっている現場を私自身見てきて、やはり国有林の管理をどうするか。
もう一つは、渓畔林。何か最近は、昔は渓畔林というのは、私が道庁時代のときはなるべく伐採して水害のときの被害を小さくするということで、河川愛護組合などではみんなして協力し合って渓畔林を切り出したものなんです、災害を少なく。ところが、今何か自然保護論者か何かが声が大きくなってきて、景観を良くするために渓畔林は切ったら駄目だと。逆に、植えている。私も見てきましたですが、渓畔林を植えたところがあるんです。それが大きな被害のもとになっている。ですから、国有林の管理を今後どうするのかと。
そしてまた、渓畔林についての考え方は国土交通河川局では考え方を変えないのかどうか、この二点についてそれぞれ答弁いただきたいと思います。
副大臣(北村直人農林水産副大臣)
中川委員の御質問にお答えをする前に、この八月の台風十号によりまして亡くなられた方々の御冥福をお祈りを申し上げますとともに、御遺族の方々に対して深く哀悼の意を表する次第でございます。また、行方不明の方々に対しましても、一刻も早い発見をお祈りを申し上げますと同時に、被害に遭われた方々にも心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。
中川委員がこの被害地にお入りをいただいて、つぶさに視察を、また被害状況も見ていただいたのは御承知をしておりますし、また農林水産省、私が先頭に立って被害日後にすぐ入らさせていただきました。
今、先生から、委員からお話のあったとおり、非常に目を覆うような山の荒れ方、そして国有林、民有林を問わず山肌がえぐり取られているようなそういうところを見させていただいて、今、京都議定書の三・九%分を、これを森林で確保しようというときに当たりまして、林野行政の中で、今までの国有林や民有林の造林あるいは治山事業等々が本当にこれでよかったのかどうかという実は疑問の念を抱きながら見てきたところでもございます。
そういう意味からいたしまして、委員が御指摘のこの国有林の被害地、そこの場所については、地元の方々の声の中には、山がずっているのではないだろうかと、こういうような話もある、あるいはこれは山崩れではないのかと、こういうお話もございます。それは地域の皆さん方の今までの経験や歴史等々の上に立った一つの御意見。となれば、これはまたやはり専門的な立場から検討をしていかなければならない。
さらには、今までの国有林の治山対策が本当によかったのかどうかということも検討するために、早急に我が林野庁の出先であります北海道の森林の管理局と道庁がしっかりとした検討委員会を、これ来週からすぐ第一回目を開くわけでございますが、その第一回目の検討委員会を含めて何とか早急に取りまとめをしていきたい。四、五回の会議がこれから検討されますけれども、私の方は、時間をスピード化、そしてその中で十分な検討をしていただいて、治山対策等々あるいは国有林の管理対策というものについての一つの報告を出してもらいたい。
しかし、それまでの間、それぞれの暫定措置あるいはこの災害関連緊急治山事業等々によってやれるものはつぶさにやっていくと、そういう対策を取らさせていただいておりますし、また流木等々については、それぞれの対策事業の中で、これらをある面では少し効果を大きく取りながらこの対応に対処していきたい、このように考えているところでございます。
中川義雄
私も行って見てびっくりした被害でありますが、そのときダムの果たした役割というのにびっくりしました。
沙流川のちょうど、先ほど、中間に二風谷ダムというのがあるんです。その上流は、例えば水田も約一千ヘクタール、その下流にも水田一千ヘクタール、同じぐらいあるんです。上流の水田はすべて全滅であります。どの水田も一ヘクタールも救うことのできないぐらいの水害。泥が埋まり、頭首工が飛んでしまっている。それに対して、ダムの下流部門は全く何でもないんです。ダムで流木をせき止めた。土砂を、大量の土砂が一緒になって入ってきたが、ダムにおいて沈殿して、ダムから下は比重の少ない真水に近い水が流れた。そんなことがあって、ダムの下はほとんど農地災害もないんです。
今、何かダムといえば敵事みたく言って不要論が非常に濶歩しておりますが、私はやっぱりダムというものは必要なものは必要なんだと、こう考えますが、国土交通当局の考え方を示していただきたいと思います。
政府参考人(清治真人国土交通省河川局長)
ただいま沙流川の洪水あるいは流木の災害について、現地を見てこられて委員からお話がございました。
二風谷ダムは直轄のダムでございますが、これは洪水調節……
中川義雄
二風谷ダムのことを聞いているんじゃない、ダム一般のことを聞いている。
政府参考人(清治真人国土交通省河川局長)
ダムにつきましては洪水調節とそれから利水ということを主たる目的にしておりますが、今お話しございましたように、流木がダムで止まるという効果は非常に大きゅうございまして、今回も、下流でその流木による、河川管理施設が壊れたとか、あるいは橋に引っ掛かってせき上げたというような災害はなかったわけであります。
これらについては、必要なダムについてはきちっと評価しまして今後とも進めてまいりたいというふうに思っております。
それから、先生からお話しありました渓畔林の話でございますが、河川の区域内の樹木につきましては、流下能力の問題から樹木の管理ということが必要でありますが、あわせて、それが削れて下流へ流れたときの災害を助長するということにつきましても極めて重要な視点だというふうに思っておりますので、これらにつきましては、その渓畔林の持っておりますいろんな環境上の機能もございます。地域の方々といろんな意見を交換しながら適切な管理に努めてまいりたいと思いますが、あわせて、砂防事業によります渓畔侵食の防止であるとか、あるいは流木を止めるための砂防事業、これらも組み合わせてこれから対処していかなければならない問題だというふうに考えておりまして、精力的に取り組んでいきたいと思います。
中川義雄
ダムというのは流木だけをせき止めたんじゃないんだ。泥、砂、そういったものも沈殿させて、比重の重い、土石流のもとになるような流れが清流に変わっているという大きな役割を果たしているということも、そのぐらいのことはやっぱり河川局長も考えてやっていただかなければならない。下でなぜ農地から何か被害を受けていなかったかというと、そういうものが下まで行かなかったからなんです。何も流木が行って農地を荒らしているところなんかないんです、本当のことを言ったら。やっぱり土石流みたいな泥水が大変な被害のもとになっている。それをダムがきれいにしてくれたために、ダムの下が被害が比較的少なかったということぐらいは認識していただかないと駄目だと思います。
農地による被害が大変であります。来年の営農に支障を来すんではないか。もう離農、これを契機にして離農するんではないかという町村長の心配がありました。特に農地流失による災害復旧工事は膨大なものになります。農地がもう河原になっているんです。それを元に、農地にするとしたら膨大な費用が掛かるわけであります。農家負担でそれをやれと言っても無理でありますが、しかしこれにも補助額には一定の限度があると聞いておりますが、いかがでしょうか。
政府参考人(中條康朗農林水産省農村振興局整備部長)
被災されました農地の復旧についての御質問でございますけれども、被災されました農地につきましては、いわゆる災害に係る暫定法に基づく国庫補助の対象となっているところでございますけれども、委員御指摘のとおり、同法五条によりますと、経済効果の小さいものにつきましては災害復旧事業について適用の対象の外になっております。
具体的に申しますと、この暫定法の施行令第九条によれば、その災害復旧事業の事業費の額がその農地に代わる農地を造成するのに必要な標準的な費用、これは農林水産大臣が毎年定めるところによりまして算定される金額でございますけれども、これを超える農地については今申しましたように補助の対象外とされております。これによりますと、十五年度、平成十五年度の北海道の被災農地の復旧におけます十アール当たりの事業費の限度額でございますが、例えば傾斜度がゼロの場合は五十五万円、十度の場合は百一万円となっております。北海道からの報告によりますと、過去の実績を調べましたところ、この限度額を超えましたのが、件数にしましても金額にしましても三%を超えず、数%という例外的な状況になっております。
今回の台風十号の状況によりますと、この限度額の査定につきましては、現在復旧計画を作っているところでございまして、道では、コスト縮減等を行いまして反当限度額を超えない工法を検討しているというふうに聞いております。
中川義雄
草地は今年中に、少なくとも十月中ぐらいに播種をしなかったら、来年の春先になって、あそこは軽種馬の本当に中心地帯であります。軽種馬のためには放牧地がどうしても必要なんです。播種して根付かなかったら放牧することができない。放牧しないと軽種馬としての価値が出てこないんです、足腰を鍛えないとならないわけですから。
その問題に対する考え方が一つと、流木が流出して海に行っているんです。海に行って、それが定置網を引っ掛けたり、又はエビかご、エビかごが泥で埋まっているものですから、そこへ上で流木が流れていってそれを引っ張ってしまうと全部切れてしまう。
そういう被害がたくさん出ているんですが、この二つのことについて、時間がありませんから端的に答弁いただきたいと思います。
政府参考人(
中條康朗農林水産省農村振興局整備部長
)
二点申し上げたいと思います。
第一点でございますけれども、申し上げるまでもなく、災害復旧の手続等につきまして、迅速にこれは実施できますように体制を組んで査定の実施を進めていきたいというふうに考えております。これが一点でございます。
もう一点は、緊急に復旧すれば作付け時期に間に合う農地の復旧等につきましては、この事業の取扱要領に基づきまして、査定前でありましても応急工事を行うことが認められております。これに基づきまして既に復旧工事に着手していると、このように北海道から報告を受けております。
以上でございます。
政府参考人(弓削志郎水産庁増殖推進部長)
漁場に漂流している流木の処理についてでございますけれども、これについては地方自治体等が中心になって廃棄物ということで回収等を行っておりますけれども、この事業に対して、農林水産省の水域環境美化推進事業により、地方自治体に二分の一の助成というのが行える対象となっているところでございます。
今回の件に関しましても、北海道と十分協力しながら前向きに対応してまいりたいと考えております。
中川義雄
これ、水産庁で答えられないと思うんですけれども、流木というのは海をさまようんですよ。海岸に着いたらこれは海岸の災害としてどうだとか何かができる。海岸にいたと思ったら、波来たらもうふうふうふうふう流れている。これについてはだれの責任でやるかということをだれに聞いても分からないのよ。その流れているやつで水産施設が被害を被っているんですから、それをどうするかということは、水産庁がもうちょっとだれの責任でどうやってやるのか、私、何ぼ聞いても、ふらふらしているやつについてはだれがやるのかということについての答弁がないんです、地方で聞いても。
それによって被害を受けているのは、漁具被害ですから、水産庁がもうちょっと真剣になって、これはだれの責任でどうやってやるかというぐらいは考えていただきたい。今考えがないから答弁要りませんが、これからのを真剣に考えていただきたいと思います。
以上で質問を終わらせていただきます。