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委員長
国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
中川義雄 自民党の中川義雄でありますが、この委員会に入って初めての質問でありますから、どうぞよろしく御指導いただきたいと思います。
最初に、今回は三位一体改革に伴う国庫負担金の改正案というような形で法案が出ているわけですから、どうも三位一体改革とは一体何なのかというのは、私も平成十六年十一月の政府・与党のこの文書も読んだり、また、最近のホームページに出ている各省庁の三位一体改革に対する考え方などを読んでみても、何が何だかさっぱり、何で三位一体改革という名前が付いているのか、頭が悪いせいかよく分からないんです。
そこで、広辞苑で調べてみたんです。広辞苑によると、三位一体とは、まず一番最初に出てくるのは宗教的な解釈であります。キリスト教によれば、創造主たる父なる神と、贖罪者キリストとしての世に現れた子なる神と、信仰経験に顕示された聖霊なる神とが唯一なる神の三つの位格として現れたとする説。この三者に上下はないと書いてあるわけです。私、これ読んで、何のことだか全然分からないです、何のことだか。
それで、ただ、第二義的に、ちょっと分かりやすい言葉がその後に続くわけです。三つの要素が互いに結び付いて、本質において一つであること。三者が協力して一体となること。そう言っているわけですから、ひょっとしたら、この三位一体改革というのはこの後ろの方の意味でやったとしたら若干は分からないわけでもありませんが、当局のこの三位一体改革に対する見解を分かりやすく説明していただきたいと思います。
政府参考人(瀧野欣彌総務省自治財局長)
三位一体改革について、広辞苑で、宗教的な側面での意味と、それから世俗的な意味といいますか、一般に言われている意味とあるという御指摘でございます。
もちろん、我々、この三位一体改革というネーミングにつきましては、世俗的な意味といいますか、三つのものが相互に関連しているということで使ってきたわけでございまして、特に宗教的な意味合いがあるわけではございません。
地方分権とのかかわりで申し上げますと、地方税、それから地方交付税、そして国庫補助負担金、これが地方団体の歳入の大宗を占めておるわけでございまして、この三つがそれぞれ非常に、相互連関といいますか、入り組んだ関係になっておるわけでございまして、一つのものを改革しようとすると当然ほかのものにも影響を与えるという意味で、最初この地方分権で地方財政を取り上げるときに、三元連立方程式を解くようなものだと、こういう言い方をされたときもあるわけでございます。
そういうような過程を経る中で、三位一体という言葉遣いが世俗的な意味では若干流布しているところもございますものですから、そういうこともとらえて三位一体改革ということがこの改革のネーミングとして使われ出し、そういったことが定着してきたものというふうに考えているところでございます。
中川義雄
今の話を聞いて、分かったような分かんないような複雑な気持ちなんです、財政局長とは非常に親しくしておりますからですね。
ただ、この要素、三つの要素というのは、私なりに、補助金の削減、それからそのための税源移譲、そして地方財政をしっかり支えるための地方交付税の役割の拡充と理解しているんですが、その理解でよろしいでしょうか。
政府参考人(瀧野欣彌総務省自治財局長) はい。正にそういうことで我々も考えておるところでございます。
中川義雄
はい、分かりました。
それでは、補助金削減の中で、義務教育費国庫負担額の削減ということは、平成十八年度三兆円の補助金の削減の中で八千四百六十七億円と、極めて大きな率を占めているわけであります。
このことによっていろんな問題が発生すると思いますが、財政力の弱い地域ではこれを交付税又は財源移譲、要するに、財源移譲といってもこの場合、平成十九年度、来年度からは地方税、要するに住民税で負担するということですから、住民税は非常に所得の格差や人口の集まりによっていろいろと税が偏在するわけですから、その穴を埋めるとしたら交付税がしっかりしなければならないわけですから、総務省当局の、地方財政をしっかり支えるという意味での、どのような考え方でやるのか、具体的に、できるだけ具体的に示していただきたいと思います。
政府参考人(瀧野欣彌総務省自治財局長) 御指摘のように、義務教育国庫負担金を始めといたしまして、今回、四兆円を超える補助金の見直しということの上で、三兆円を超える税源移譲と、こういうことを行ってきているわけでございます。
補助金の中で、地方団体が引き続き執行していかなきゃいけない事務にかかわるもの、義務教育国庫補助負担金は正にその典型でございますけれども、こういったものにつきましてはきちんと税源移譲をしていこうということでございますので、オールジャパンとして見ますと、地方団体の補助金削減の中で必要となる地方の財源所要額は税源移譲という形で補てんされるということでございますので、その点では地方財政全体として見ますと過不足はないことになるはずでございます。
しかしながら、御指摘のように、税源の付与ということを考えますと、地域間の格差が当然ございますので、補助金の、国庫補助負担金の配分と税源の移譲とは一致しないことになるわけでございます。
そこのところの凸凹を埋めるのが正に交付税制度でございまして、我々としては、全体としての財源は税源移譲によって確保される中で、地方団体の中のその凸凹を交付税で調整していくということで地方団体の財政運営には支障のないようにできるものというふうに考えているわけでございます。
具体的には、交付税におきましては、税源移譲されます額、これを一〇〇%交付税の収入の方にカウントいたしまして、それで必要な額を需要の方にカウントいたしますので、その差額についてきちんと交付税が増加するように計算をしていくということを考えておるわけでございます。
税源移譲の場合には、ただ不交付団体がございますので、都道府県の場合でありますと現在は東京都だけでございますけれども、東京都の部分についての調整というのは交付税ではできない部分がございます。それは税制改正でお願いをしていくということにしておりまして、昨日、本会議で成立させていただきました地方税法の中で住民税を一〇%フラット化していくというようなこと、それから、昨年度の税制改正で事業税について分割基準の見直しをさせていただいておりますけれども、そういうような税制の手だての中で今回の三位一体改革の中の東京都の補助金削減と税源移譲の額というのはほぼ見合うというふうに考えておりますので、そういう面では、不交付団体についてもそれから交付団体についてもきちんと調整ができるというふうに考えております。
中川義雄 通告してありますからずっと前まで答えてもらいますと、通告に従って聞いているんですから、ちゃんと、通告したからといってずっと先回りして聞かないことまで答弁されると、これは本当にこの通告制が何のためにあるのか分かりませんから、委員長、これはちょっと、通告しない方がいいということであれば通告しないでやりますから、よろしくお願いいたします。ですから、順序を追ってやっていきますから、きちっとそのたびそのたび答えていただきたいわけであります。
今回のおおむね三兆円の所得税を地方の住民税に置き換えるというのがその柱になっているわけです。そうすると、総務省当局から出している数字を見ても、約四十道府県において実際は財源が不足するというふうに書いてありますが、そうすると、その不足した分は交付税で見るということになっております。しかし、交付税は、これもちょっと矛盾していると思うのは、今回は所得税を三兆円減税すると、そして移譲するということになっているわけですけど、三兆円の三二%は交付税に自動的に振り替えられるようになっているわけですから、今回の三兆円の所得税の減額というものは交付税が一兆円減る、調整財源としての交付税が弱くなるとも見ていいんですが、それに対してどう対応していくのか、総務省当局の考え方を示していただきたいと思うんです。
政府参考人(瀧野欣彌総務省自治財局長) 御指摘のように、所得税の三二%は地方交付税の原資になるということでございますので、所得税から住民税に税源移譲いたしますと、実はその三二%分の地方交付税が減るではないかという御指摘でございます。
我々も、この点については、地方団体からの御指摘もあり、問題意識を持って昨年年末の地方財政対策に当たったわけでございます。これについては、財政当局ともその影響を緩和する必要があるだろうという認識で一致をいたしまして、それの対応をいたしまして、十九年度から本格的な税源移譲が始まるという中で、十九年度からの三年間で交付税の総額に六千億円を上乗せするという措置をとることとしております。
これは、三二%分といいますと単年度で九千六百億円程度になるわけでございますので、それと比べると少ないような感じもいたしますけれども、この三位一体改革が始まります前の所得税の税収規模、それから、今後三位一体改革が行われまして、税源移譲が行われる段階での所得税の税収規模、これは当然、経済成長に伴いまして変わってきておるわけでございます。
そういう中で、実際に三二%分の影響というのは自然増収で埋め合わせられている部分もあるわけでございます。現在の国、地方の財政状況を見ますと、そういった自然増収で埋め合わせられている部分というものはそれなりに評価する必要があるのではないかと。それでもなおへこむような部分については一定の影響の緩和措置をとる必要があるということで、先ほど申し上げましたような六千億の上乗せをするという形で地方財政が支障のないようにしていこうと。なおそれでも足りない部分は、毎年毎年地方財政対策をやりますので、その中できちんと必要な財源を確保していきたいというふうに考えております。
中川義雄 交付税がしっかり確保されるという話ですから心強いんですけれども、しかし、実態はどうなっているかということになりますと、平成十年、平成十五年、平成十七年と、交付税が私はずっと下がってきているんではないかと思うんです。その下がって体力がなくなっている交付税なんですから、ずっと下がっていることを総務省としてはどのように受け取るか。
これ、上がっているんですか。私が調べたのでは下がっているような気がしているんですが、その実態について明らかにしていただきたいと思います。
政府参考人(瀧野欣彌総務省自治財局長) 御指摘のように、最近の交付税総額については抑制基調が続いておるわけでございまして、全体としては減少傾向にあるわけでございます。平成十年度、十七兆五千億程度交付税がございましたけれども、平成十五年には若干増えまして十八兆になりましたけれども、十七年度は十六兆八千億程度、そして十八年度、今年の予算では十五兆九千億円程度という形で、十五年度から見ますと三兆円程度減ってきているという形でございます。主に歳出の見直しをする中で、それに対応して減ってきているというものでございます。
中川義雄 つらいからいろいろと言うのは分かるんですけれども、交付税の総額が減っていることは間違いない。その分調整財源としての力が弱まっているということだけは、そこでまた九千六百億、約一兆円交付税が少なくなる、減額される。これはやっぱり重要に考えて地方財政のことを考えていっていただきたいと、まずここだけは要望にさせておきますが。
そこで次に移りますが、東京都の話先ほどされましたが、東京都は御承知のように不交付団体であります。今回の財源移譲によって東京都は住民税が三千億以上大幅に増額されます。しかし、これは御承知のように、一〇〇%基準財政収入額に見たとしても、不交付団体ですから、これで調整するということは不可能でありますから、このことも本当に、こういう強いところには有利だが弱いところには不利になる、こういう改革というのは本当に気を付けてやっていただかなければならないと思います。これは意見にとどめておきます。
さて、文部当局にお聞きしたいと思いますが、たしか昭和六十年に大幅な義務教育費国庫負担の内容の変化がありました。その変化を具体的に聞きません。しかし、そこで一般財源化された教材費について私はびっくりしているので文部科学省の見解をお聞きしたいわけですが、東京から離れていれば離れているほど今経済格差が、地域格差が拡大していると言われております。
教材費、約八百数億円の教材費の、地方交付税で見ている基準財政需要額が八百数億円になっていると思います。それを一〇〇として、北海道、それから青森県、岩手県、南端の沖縄県では、その基準に対して何%予算で計上されているのか明らかにしていただきたいと思います。
政府参考人(銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長) 御説明申し上げます。
今先生からお話しのございました昭和六十年度の国庫負担制度の改正によりまして、教材費について一般財源化が図られたところでございます。この教材費を一般財源化した後、市町村における教材費の予算の措置状況を都道府県ごとに集計をした場合、平成八年度までは基準財政需要額を上回っていたわけでございますが、これは全国ベースでございますが、平成九年度以降は基準財政需要額を下回っております。平成十六年度における教材額の基準財政需要額に対する予算措置率は、全国ベースで七二・一%という状況でございます。
お尋ねの自治体における教材費の基準財政需要額に対する予算措置率でございますけれども、東京が一八三・五%でございます。これに対しまして、北海道が四五・九%、青森県が三七・四%、岩手県が三二・二%、沖縄県が四一・三%という状況でございます。
中川義雄 これは、地方の厳しい財政事情がそうさせていると思うんです。どこの市町村長だって、教材費までけちってそれを他の財源に回す、そんなことをしたいと思っている市町村長はいないと思うんです。しかし、結果として、やはり財政事情の悪い地域は、身を削るような思いでこの教材費まで削って他の財源に回しているわけです。しかし、これは一般財源化して交付税で処置されておりますから、これには口は出せないと思うんです。いかがですか。
これは総務省と文部科学省、両方に聞きたいんですが、これに口出せますか。
大臣政務官(有村治子文部科学大臣政務官) 北海道選出の中川先生、貴重な御意見、ありがとうございます。
地方交付税法において、国は、地方自治の本旨を尊重し、交付税の使途を制限してはならない旨、第三条第二項で規定されております。このため、交付税の使用に当たっては各自治体の判断によることになっているのは御承知のとおりでございます。
と同時に、文部科学省としては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律によって、各地方公共団体の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言等の措置を講じることが可能です。これまでも、中川先生御懸念の教材については、同法律に基づいて、各市町村における教材の計画的な整備を促すよう、各都道府県教育委員会に対して通知、周知を図ってきたところではございます。
地方分権の重要性については、地方自治の精神と実践を貴ぶことが重要であることをかんがみます。私としても十分に認識しておりますが、しかし、義務教育をしっかりと実施していくことは国家、社会の存立にかかわる正に礎であって、国家政策の最優先順位としてその発展、充実に取り組むべきものだという考えに寸分の変化はございません。このため、各自治体において、教材の確実な整備を含めた義務教育の質の向上についてしっかり取り組んでいただけるよう、指導、助言、援助、また経済的な支援も何とか踏ん張っていきたいというのが偽らざる本音であろうと思います。
政府参考人(瀧野欣彌総務省自治財局長) 交付税の性格については今政務官の方からお話がありましたとおり一般財源でございますので、その使途について我々の方から条件を付けたり、あるいは使途の制限をすることはできないわけでございますので、それぞれの団体で議論していただくことになるわけでございます。
我々としては、一般財源化される中でその財源をどういうふうに使うか、正にそれぞれの議会の中で十分議論していただいて、住民の方々のニーズをつかまえて予算措置していただくべきものというふうに考えております。
中川義雄
今、有村政務官が言ったように、一八〇%、東京都は不交付団体で一八〇%以上処置されている。しかし、私の北海道も含めて北の端と南の端、非常に経済情勢が悪い、税収も悪いということもあって、子供たちの教材費まで、それをほかの財源に充てると、これは大変私は残念ですが、この厳しい地方財政の現状というものを私たちはよく見ていかないと、今回の三位一体改革というものは大変な禍根を残すと思いますので、これは意見として強く申し述べておきたいと思います。
税の所得再配分機能というのは私は高く評価しているわけであります。中でも国庫補助金、地方交付税の持っている所得の再配分機能というものは、私は公平な日本を形成するためには非常に大切なものだと、こう思っているわけであります。ですから、過疎地における大変な財政事情でもありながら、経済事情でもありながら、過疎地が辛うじて今日まで生きてこられたのは、そういった貴重な税による所得の再分配方式があったからだと、そう思うんですが、これについて総務省の当局、そして文部科学省の考え方、それを示していただきたいと思います。
政府参考人(銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長) ただいま先生の方から国庫負担金についてお話がございました。国庫負担金は、地方公共団体が法令に基づいて実施しなければならず、国と地方公共団体の相互の利害に関係のある事務の円滑な運営のために国が進んで経費を負担をするというものでございまして、全国的な実施が必要な行政サービスの実施に大きな役割を果たしていると認識をいたしております。
特に、義務教育費国庫負担金は、お話しのございました地方公共団体の財政力の差にかかわらず、山間、離島などの過疎地を含めまして、全国すべての地域において優れた教職員を必要数確保し、義務教育の機会均等と水準の維持を図るために極めて重要な役割を果たしていると認識をいたしております。
政府参考人(瀧野欣彌総務省自治財局長) 国庫補助金あるいは地方交付税、こういった制度の所得再配分機能、こういったものが財政力の弱い団体の財政を支えてきたではないかと、こういう御意見でございまして、我々もその点については全く同じような考え方でございます。
地方の歳出、本来は地方税、そこにお住みになっている住民の方々から徴収する地方税で賄えれば一番いいわけでございますけれども、現実はその地域間の財政力の格差が税収に反映するわけでございますので、なかなか税収だけでは財政は回らないわけでございます。こういった中で、交付税は、本来地方税であるけれども、いろんなところに税源が偏在しているものをいったん国税という形で取って、それを財政力の弱いところにきちんとした一定の基準で再配分していくということでございますので、正にこういった財政調整機能が果たされることによって財政力の弱い団体でも一定の財政水準が確保できると、こういう形になるわけでございまして、正にそういった点で所得再配分機能が果たされてきて、現在の我が国の全国的な中での一定の行政水準を下支えしているというふうに考えております。また、国庫補助金につきましても、文科省からもお話がございましたけれども、一定の政策目的を実現するための手段ではありますけれども、事実上、所得再配分機能を備えているというふうに考えているところでございます。
中川義雄
その大事な義務教育費の国庫負担、それが二分の一から今回三分の一に大幅に低下する。私が一番心配するのは、そのことによって財政力の弱い地域と財政力の強い地域によって教育の機会均等という大原則が崩れるのではないかと、そのことが一番心配なんです。この点について、文部当局、こんなことはあり得ませんというんならいいんですが、自信持って言えるんだったらそう言っていただきたいんですがね。
二分の一から三分の一に国の補助金が低下して、これを一般財源化するわけですけど、しかしさっき言ったように、いいですか、あの貴重な教材までけちる、けちらなければならない地方財政の実情を見たときに、八千数百億減額される。これが普通の交付税で処置するということになったとしても、これは交付税でしっかりと教育を支えていくかどうか、財政力の差によって格差が出てくるのではなかろうかと、こういうことを心配しているんですが、文部当局はそのことについてどう対処するつもりか、お示しいただきたいと思います。
副大臣(馳浩文部科学副大臣) 先生御指摘のとおり、今回の措置によって都道府県の教職員給与費の負担が、都道府県の負担額が約二・五兆円から三・三兆へと増加して、都道府県によっては地方交付税への依存度が高まるということは事実でございます。
そうは言うものの、三分の一国庫負担と、残り三分の二は地方が負担という、その教職員給与費の全額は保障するというこの機能は堅持をするということも決めさせていただいておりますから、それは、あとは義務標準法によって適正な教職員数の確保、これはしっかりとして、予算も措置をしていただいて、それについて十分に税源移譲によって教職員給与費の全額の確保ということはしっかりと守りますし、また、その予算措置も今後しっかりと措置をしていくということはお約束できるというふうに考えております。
中川義雄
要するに、補助金から、国庫負担金から交付金化すると、そして財源は保障していると。これだけ聞くと本当に有り難いことかなと思うんです。しかし、交付税の性格からいって、この使途は、たとえ文部科学省でもこれを限定することはできないはずであります。そのことを心配しているんです。
先ほど言った教材費、子供たちの教材費までけちってほかの財源に使わぬとならない厳しい地方の財政事情のところもあるわけであります。これを一般財源化することによって、厳しいところは、教職員給与といえども、これはその地方団体の意思に基づいて自由にできるはずですから、そうなったら教育の機会均等、日本じゅうどこへ行っても同じような条件で同じ教育を受けるという、日本にとって本当に基本的な問題に手が付く可能性がある。それがないというならば、どういうことでそれをないようにするのか、馳副大臣又は文部当局の考え方を示していただきたいと思うんです。
副大臣(馳浩文部科学副大臣) 先生御指摘の教材費等、これはもう一般財源化の中に入っておりますよね。ただ、今回の措置というのは教職員給与の、今までは二分の一でしたが、三分の一の国庫補助負担、負担金ですから、負担すべきものはちゃんと負担します。残り三分の二は地方の方で負担してくださいと。その三分の二の分はしっかりと、いわゆる義務標準法によって教職員の適正な配置をしていただきますけれども、これは税源移譲によってしっかりと残り三分の二の分は地方で負担をしていただくという、こういう役割分担をしたということで、十分に、教職員給与の全額はちゃんと保障しますと、ここはやっぱりしっかりと文部科学省としては厳しい三位一体の御指摘の中でも守り通したというふうに御理解をいただきたいというところです。
中川義雄
私は、そのことに馳副大臣が胸を張って言ってくださることは有り難いことなんですけど、それが本当に保障されるのかということになると疑問なんです。
例えば、北海道は過疎地が物すごく多いんです。私の住んでいる、生まれ育った北海道の広尾町の豊似という地区なんですけど、昔はその地区に小学校が四つあったんです。それが統合されて一校になりました。一校になりましたから、十五キロ、遠い人は二十キロをその小学校へ通わぬとならないんです。そのために、その地方はいろんな、スクールバスを設定したり、今そのスクールバスもなくなってしまいました。地方財政が非常に困窮してバスの運行もできなくなってきている。
そして、そういった地域は少数学校が多いんです。今ずんずんずんずん人口が、また子供が生まれなくなったものですから、五人とか十人の学校も私のふるさとには存在しているんです。そうすると、まず、苦しくなってきたらそういったところで教職員を削る。これはその地区の教育関係者は涙の出る思いだろうし、過疎地に住んでいる人たちも大変だと思うが、しかし一般財源化すると何にでも使えるお金ですから、少しでも無駄を削って、七人や十人の子供のために教職員を置くのは大変だということで減らす方向に行くと思うんです。私はそのことが心配で、それを減らさないで済むんだという何か法的な根拠か何かあったら教えていただきたいと思います。
政府参考人(銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長) 中川先生から、三分の一の国庫負担になった場合の地方負担の三分の二のきちんとした財政的な裏付け、これの保証はあるのかというお尋ねでございます。
先ほど馳副大臣の方からもお答えを申し上げましたように、先ほどからお話しのございます教材費につきましては全額一般財源化ということになって、全額いわゆる地方財政措置ということになったわけでございます。
これに対しまして、義務教育費国庫負担制度につきましては、教職員給与費につきまして国の負担割合は二分の一から三分の一に変更になったわけでございますけれども、国と地方の負担によりましてその義務教育費の教職員給与費の全額を保障するという、この制度の根幹というものは維持をされているわけでございます。したがいまして、国において三分の一を負担をした場合、その残りの三分の二につきましては、国からの税源移譲に伴います地方の税収と地方交付税措置によりまして優先的にそれは措置をしていただくということになっているわけでございます。
また、その教職員の数につきましても、教職員の適正配置を定める義務標準法、それから教職員の給与につきましても、人材確保法という法律は引き続き維持をされるため、これまでどおり教職員配置や教職員給与に関するナショナルスタンダードを明確にしつつ、それに必要な財源を保障するというこの国庫負担制度の仕組みは残っているわけでございます、堅持されているわけでございます。したがいまして、今後とも義務標準法、人材確保法及び国庫負担法に基づきまして義務教育の条件整備に必要な措置を講ずるということは続いていくというふうに私ども考えております。
なお、各都道府県における実際の予算措置の状況等につきましても、私どもしっかり把握をして、もし仮に必要な額を措置していない場合には指導を行っていくということになります。
中川義雄
この義務教育国庫補助制度というものがあることは知っていて、三分の一になるのは非常に大変なことになるかもしれないという質問をしています。
例えば、私の友人で教員になった方がいたんです。子供が大学に入るころになったら過疎地に自ら赴任を希望して、それはなぜかというと、過疎地に行くと手当が厚く付くから希望して行って、過疎地で、もう本当に辺地で、教頭先生をやりながら子供を大学に入れたと。その実例を知っています。
しかし、今、それは北海道だけの特殊事情に基づいてへき地手当をつくっているわけです、非常にへき地が多いものですから。しかし、この国庫負担金は一般的な話ですから、そういう特殊な手当その他には対応していないんです。これは道の自らの財源に基づいて、そういうへき地の教育を守るためにそういう手当をしているわけです。そうすると、今回三分の一になって、例えば北海道の場合だとしたら、北海道の交付税や税収でその後をやらなければなりません。財政事情が厳しくなればなるほどそんな過疎地における特殊勤務手当などというものは交付税で全然処置されないから一番先に削られると。そうすると、教育の機会均等という一番大切なことが失われる可能性があるんですが、このことについて今随分いろいろと理由を言っておりますが、このことについて局長、あなたの見解を聞かせていただきたいと思います。
委員長 銭谷局長、簡潔にお願いします。
政府参考人(銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長) 国庫負担の対象となります教職員給与につきましては、いわゆる本俸に加えて手当も含まれているわけでございます。
それで、全国各県におきましては、いわゆるへき地の学校に勤務をする教職員についてはお話しのへき地手当というものを支給をしているわけでございますけれども、そのへき地手当等も国庫負担の対象にこれまでもなっておりましたし、今後もなるということでございますので、そういったいろいろな教育条件に応じた教職員給与及び手当には対応できる仕掛けになっているわけでございます。
中川義雄
私が心配するのは、そのへき地の手当についても二分の一から三分の一に減額されるわけです、国から出るお金は。その他は地方の一般財源の中から工夫しなきゃならぬ。私はそのことを言っているんですよ。そのことを考えないで、三分の二、今度は地方が考えなければならないんですよ。地方の自主財源でそれを補てんせんとならない。そうすると、そんな効率の悪いところではどうしても、北海道知事、すばらしい知事ですが、涙を出してもそれを削らなければならないというような、そんなことになっているということだけは私は、答弁要りません、これは、そういう厳しいものであるということを強く指摘させていただきたいと思っています。
それから、そのことは学校の、先ほどへき地の学校も手厚い手当てをしていると言いますが、北海道の場合、昭和三十年から平成十七年にかけて、三千五百九十二校あった小中学校が二千百校に大幅に減少しております。一方で、政令都市の札幌市、人口の集中した札幌市は、その間六十九校の小中学校が三百九校に物すごく増えているんです。そうすると、過疎地での学校の減少というのは物すごかったと思うんです。そのことがへき地に住んでいる人たちの教育条件の悪化につながっているんです。
いいですか。私の町で十六キロですよ。十六キロ歩いて子供を通わせるわけにいかない。スクールバスもなくなってしまった。だから、父兄が自分の車で送り迎えしている。しかし、ちょうどそういうところは酪農地帯なものですから、搾乳時間にダブるんです。ですから、大変な苦労をしながら、しかしいざというときは、子供たちに十六キロも歩かせるわけにいかないから、忙しいときは休めさせなければならないというような条件にある。これで教育の機会均等が図られていると思ったら大変な誤りであります。そのことをしっかりやっていかなければならないと思います。
時間が来ましたから、最後に大臣の決意をお聞かせいただきたいと思いますが、憲法第二十六条において教育の機会均等、更に義務教育費の無償、高らかにうたっております。さらに、教育基本法第三条、そして第四条によってもこれが保障されております。
最近、地域や産業によって経済格差が拡大している中で、義務教育の国庫負担率が二分の一から三分の一に低下しました。経済格差、それがまた地域の財政格差につながっていきます。三位一体改革によってこの大切な大切な子供たちの将来が、辺地に住んでいればなお厳しい状況になるということは私は許されないことだと思うんです。このことについての大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣(小坂憲次文部科学大臣) 地方自治に精通をされております中川委員の御指摘でございますし、今それぞれの質問の中で明らかにされましたように、いろいろな現象が生じていることは私も認識をいたしております。そういった中で、三位一体の改革を進めることが小泉内閣としての命題であり、それを進めながらも、今憲法二十六条をお引きになりましたように、憲法の要請に基づいて教育の機会均等、無償制、そして水準の確保ということについては、これは根幹でありますから、これをしっかり守っていくことが必要だ。そのために義務教育の教育費国庫負担制度があるわけでございますし、また、学習指導要領により全国的な教育内容の基準を定めるとともに、授業料の無償、教科書の無償給与、そして就学援助などの措置を通じまして義務教育の機会均等、無償制の確保をしっかり守ってまいりたいと存じます。
御質問賜りました趣旨をしっかり踏まえ、今後とも努力することを申し上げて、答弁にさせていただきます。
中川義雄
終わります。
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