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中川義雄 今、私が食の安全と食料の安定供給について質問しようとしているその席に、大変痛ましいニュースが入ってまいりました。それは、姫路市内山中において男女の自殺死体が見付かった、それが九時九分に浅田会長御夫妻であったことが判明した、死亡が確認されたというショッキングなニュースであります。私は、御夫妻の、事の善しあしは別にして、命を絶たなければと、そういう心境について、心から痛ましい、御冥福を祈る次第でありますが、もし総理の感想があればお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣(小泉純一郎内閣総理大臣)
浅田会長夫妻が自殺されたという報道でありますが、誠に痛ましいことだと思っております。鳥インフルエンザに対しまして、国民の厳しい反応、そして自らの責任を考えられて、その御苦労は大変なものだったと思います。
この自殺というのは本当に痛ましいことで残念でありますが、今後とも、食の安全について消費者の信頼をかち得るように、業者の皆さんもどのような対応が必要か、またそれを受けて、政府、行政の対応をしっかりとしなきゃならぬと思っております。
誠に、自殺ということを伺いまして痛ましく思っております。
中川義雄
今私は、二〇〇一年の九月に国内でBSEが発生した、大変なショック、これをどうしようかと、こう考えていたその翌日が二〇〇一年九月十一日、ニューヨークにおける同時多発テロでありました。自来、アフガニスタン、アルカイダの掃討作戦や、またイラクにおける戦争、大変国際関係は複雑になってきております。一方では異常気象による砂漠化、酸性雨、そして耕地面積の減少、一方では人口の爆発、そんなことで食料危機が来るのではなかろうか、そういった大きな危惧が最近になって強まってきております。
特に、欧米諸国、先進国においては戦後ずっと飽食の時代が続いて、食料危機といったようなことがほとんどなかったために、ドイツのある学者は、先進国においては食料の自給率が七〇%を切ったらその国民の生存権が危うくなる、そういったことを言っている学者も出てきているようであります。
しかし、一方、この国の食料自給率を見ると、四〇%そこそこという数字であります。欧米諸国はほとんどの国が輸出国になっているのに対して、先進国の中で我が国独りだけが四〇%そこそこ。御承知のように、食料・農業・農村基本法においては平成二十二年度の食料自給率の目標を四五%に設定しましたが、最近その動きがどうなっているのか、農水大臣の見解を伺いたいと思います。
国務大臣(亀井善之農林水産大臣) 現行の食料・農業・農村基本計画に掲げられております平成二十二年度までに食料の自給率を四五%にするという目標で、その達成のための条件と、こういう面では、何といっても総供給熱量の四分の一を占めます自給率ほぼ一〇〇%の米の消費、これが平成九年から六六・七%、平成二十二年に、六十六・七キロ、平成二十二年に六十六キログラムと、このように想定しておるわけであります。
それ以外の品目につきましては基本的には生産を拡大すると、こういうことでありますけれども、現実に麦、大豆につきましては、また砂糖につきましては生産が拡大を、増加がしておるわけでありますが、やはり米の自給率が減少していると。平成十四年度で六十二・七キロと、こういうことでございまして、また現状はそういうことで自給率、カロリーベースで平成十年度以降五年間、四〇%を推移しているということでございます。
中川義雄
ただいまのように、四六%、いや四五%を目標にしたが、ずっと横ばいで経緯している。私は、このことは大変大きな問題ではないかと思うんです。国民に対する食料の供給に私は大変な不安を感じているんです。これにどう対処するか、このことは国家的な大きな問題であると思います。これに対する総理の基本的な考え方を示していただきたいと思います。
国務大臣(小泉純一郎内閣総理大臣) 今後、人口がますます世界で増えていく、そういう中で食料を自国で一定量供給体制を作るということは極めて重要だと認識しております。
しかし、現状を考えてみますと、今、農水大臣の答弁にありますように、国民の食の嗜好も変化しております。日本国内で生産される食物を日本国民が大いに食するということであればこの自給率というのは向上していくと思うんでありますが、現在、グローバリズムといいますか、世界各国の様々な食料が日本に提供されます。そういう状況にあっては、日本の食料自給率、確保するために日本の生産品だけを食べなさいということを政府が国民に強要することもできない。そして、様々な国民の要求にもこたえていかなきゃならない。同時に、外国の農業、貿易のみならず農業、経済、あらゆる交流を考えていくということになりますと、農業問題のみならず経済全体という面も考えなきゃいかぬということで、日本としては、農産品だから自給率を確保するために外国の農産品を拒否するという状況にもないと思っておりますが、それだけにこの自給率確保というのは極めて重要な問題でありますが、現実を考えると、これはどうやって向上、自給率を向上させていくかというのは非常に難しい問題で、一番自給率を向上するという面に考えれば、もっと国民の皆さんがお米を食べてくれればこれは自給率の向上にもつながっていくと思うんであります。
ところが、国民の嗜好もいろいろあります。パンを好む方あるいはめん類を好む方、いろいろ、肉の消費という面につきましても過去と違っていろいろ多い点がありますので、私どもは、この自給率の向上を図る努力をしていかなきゃなりませんが、同時に外国との貿易交渉というものを考えていかなきゃなりませんので、厳しい状況でございますが、できるだけ自国の消費者に合わせたような国内の食料生産体制をどう構築していくかということを真剣に考えていかなきゃならないとも思っております。
中川義雄 私は、ただいまの総理の答弁というのは私の見解とはかなり懸け離れたものだと認識しております。
私は、日本人が自らの持っている食文化、そのことを非常に大切にしなければならないと思っているんです。日本の食文化というのは国際的に見て非常に立派なものである。その日本の食に対する考え方というものは非常に世界から注目されているわけであります。しかし、私は、消費サイドからばかり言えない問題でありまして、やっぱり食料自給率の向上というのは供給サイドからもしっかり支えていかなければならないわけであります。
欧米においては輸出補助金を出している国が大勢を示しているというようなことを考えても、欧米がなぜそれをやっているか。食料危機に対して若干の余裕を持たすために貿易余力も持たせておくことが大切だという国民的な合意がそうさせているんだと思うんです。それに対して今日の日本の供給サイドを見ましたら、農村の人口は減少し、老齢化が進み、担い手が少なくなる。正に、供給サイドは存亡の危機に達していると思うんです。
この農村も農業も危機的状態にある現状を総理はどう認識され、それを克服していくのか、その考え方についても総理の基本的な考え方を示していただきたいと思うのであります。
国務大臣(小泉純一郎内閣総理大臣) これは、今、私、答弁した中にも含まれておりますが、生産者のみのことだけでなくて消費者の嗜好を考えるということも現在では大事ではないかと思っております。
日本は、自給率向上といいましても、畜産等を考えましても、えさはほとんど輸入品ですから。日本の食文化大事にすると。おすしを例に取ってみても、ほとんど輸入品が多いんですよ。こういうことを考えると、自分の国だけで国民の食生活を賄うような体制を取れと言うことは簡単でありますが、現実につきましては、どれだけお金を投入するのか、これを考えるとなかなか難しい面もあるんです。供給者の側の立場と消費者の側の立場、これは非常に難しいですよ。供給者の立場と消費者の立場をどう調整していくかというのが大事であって、日本の農業も、輸入拒否ばっかりでなくて、輸出できるということもやっぱり考える必要があるんじゃないかと。
現に、中川議員の地元の北海道ではナガイモを輸出していると聞いています。これは限られた市場でありますけれども、日本人が想像していなかった現象が現に起きているわけであります。ナガイモを日本の人たちが食べる以上に輸出に回さなきゃならないから、今、需給が逼迫しているという状況だと考えております。あるいは、果物でも今輸出を考えている地域があると、鳥取とか、めんにおきましては輸出も考えていると。
ですから、私は、輸入を防ぐということだけでなくて、日本の農業というのは輸出も考える時期に来ているんではないかと。安ければ安いほど売れるという食品もありますが、高くても質がいいもの、健康にいいものは売れるという状況でもあります。そういう点もやっぱりよく考えていく必要があるんではないかと。農業の輸入は阻止すると、生産者に奨励金を出そうというだけでは私は自給力向上につながらないのではないかと思っております。
中川義雄 私は今、消費者の立場も後から言います。大切なことだと思います。今、供給サイドからの話をしているわけでありまして、今、農水大臣に、総理がああいうことを言うものですから聞かせていただきますから。
この小泉内閣が成立して、農業予算は毎年一千億ずつぐらい減額されているはずであります。それに対して、アメリカにおいてもEUにおいても、この間農業予算はずっと厳しい財政の中でも増嵩しているんです。この違いというものは非常に大きなものだと私は思うんですが、担当農水大臣としての考え方を示していただきたいと思います。
国務大臣(亀井善之農林水産大臣) 食料の自給率の問題、これは限られた国土の中でいろいろ安定供給を図るための努力をしなければならないわけであります。
今、委員御指摘の生産の面につきましては、いわゆる高齢化の問題あるいは遊休農地の問題等々ございます。そして、そういう中でやはり私は、担い手の育成と、そしてやる気と能力のある農業者と、これを後押しをする施策を進めなければならないと。そういう面で、経営所得対策等につきましても、外国の例も参考に、今、食料・農業・農村政策審議会の企画部会におきまして精力的にいろいろ議論をしていただいておるところでもございます。
そういう面で、農地制度の問題、あるいはまた環境、水との問題等々を含めて全体的なその議論をできるだけ早くしていただきたいと。七月に論点整理をしていただくと、そういう中で来年度の概算要求に間に合うものは間に合うような形で進めて、そして来年三月の基本計画の見直しをして、総理からもお話がありましたが、やはり構造改革を進めて、そして足腰のしっかりした農業、これを養成して、そして生産の面での自給率の向上、これを考えてまいりたいと、このように思っております。
中川義雄 私は、今なぜ最初に言ったかというと、輸入に余りにも依存していると、それがいろんな要因によって阻止される場合が考えられる、この厳しい状況、そして、いつどんな大変な不作が起きるかもしれない、そんなときやはり自らの国で少しでも自給率を向上することに、この食料の安全供給ということを考えたら、それを基本に置かぬとならないと思っているんです。
一方では、WTOやFTA交渉の中でよく聞くのは、自由貿易にとって農業が非常にネックになっているという声が聞かされるわけであります。
自由貿易の振興も私は大事だと思いますが、その結果、農業にしわ寄せが来るということになりますと、それこそ食の国民に対する安定供給という面から見たら、特に都会に住んでいる方々、こういった方々はいざ何か起きたらパニック状態になるかもしれない。そういうことを考えたら、やはり食を守るということは私は大変重要だと思うんですが、小泉総理、再度見解をお伺いしたいと思います。
国務大臣(小泉純一郎内閣総理大臣) 食料を安定的に供給するということ、そして食の安全を確保することと、それと同時にFTAを推進するということ、両立していかなきゃならないんです。一方だけ偏るわけにいかないんです。そこが政治の難しさでありますので、私は両立するように、理解を得るよう努力していきたいと思います。
中川義雄 調和の取れた政策が大事なことですから、私はその中でも、まだ四〇%そこそこにある食料の自給率というものが大変危機的な状況であるということは常に念頭に置いて調和のある施策を取っていっていただきたいということを強く要望しておくわけであります。
また、我が国のように、農用地面積が非常に限定されている国ですから、そういった意味からも自給率の向上には非常に大きな限定条件になっているわけであります。
しかし、そういう中でも、国民に対する食の安全を保障するというのは政治の、また国家の最も大切な仕事だと、こう考えるわけでありますから、自給率向上とはまた別に食の安全供給のためにどのような施策を考えているのか、農水大臣の考え方を示していただきたいと思います。
国務大臣(亀井善之農林水産大臣) 委員からも今御指摘がございましたが、国土の資源に制約がある我が国におきましては、やはり食料の安定供給、こういう面では何といっても国内農業生産の拡大、この努力をいたすわけでありますが、やはりこれと同時に、やはり輸入と、また備蓄のことも適切に組み合わせていかなければならないわけであります。
輸入につきましても、国内で生産できないものもあるわけでありまして、そういう面で国民の需要にこたえる、これは必要なことであります。しかし、農産物の貿易、これを見ますと、やはり生産量のうちに貿易に回る部分、これはやはり大変割合は低くなる傾向もあるわけであります。そういう面で、また少数かつ特定の国と、こういうところに輸出量が大きな割合を占めている、こういう問題もあるわけでありまして、常に安定的に行われる、こういうことが重要なわけであります。
そういう面で、平素から、何といっても国内外の需要動向、これらの情報収集、また分析という、これは必要なことと、こう思います。また、あわせて、主要輸出国との安定的な関係を維持する、これはまた必要なことでありますし、情報交換ということも必要なことであります。
また、備蓄につきましても、主として米でございます。供給の多くを輸入に頼ります食料用の小麦であるとか大豆につきましては、やはりそのことも考えなければならないわけでありまして、いわゆる国内生産と需要の動向、これを適切にそして考え、また国内の不作時にどう対応するか、こういうことを考えていかなければならないわけでありまして、そういう面からもやはり国民の理解が得られるように食料の自給率の向上、これを図っていくことのその基本はやはり食料の安定供給、国内生産と併せて安定的な輸入の確保、こういう面から食料の需給と、供給というものをしっかり考えてまいりたいと、こう思っております。
中川義雄
主食である米の安定供給ということは非常に大事であります。瑞穂の国、やっぱり日本文化をずっと支えてきた米、これがまた大変な危機状態に来ていることも大変、事実であります。
水田地帯は大変苦しみが重なっております。そういう中で、今、大臣も備蓄について、特に主食である米の備蓄についてお話がありましたが、私はそういう中で、総理大臣特別補佐官であり危機担当副大臣である方がもみ米一億トン備蓄計画というのを、大構想を発表されております。私はそれを読んで、ここまで考えなければならないのかなというような考え方を持ちましたが、しかしその内容を見ますと、私は共感することが非常に多かったわけであります。しかし、このことについてはまだ正式に副大臣からの政府の見解としての発表があるわけではないですから、今のところまだ一個人としての見解でありますからこれ以上深く聞くことはやめたいと思いますが、しかしそれにしても、主食である米の安定供給、そしてまた米作農家の安定性を考えたら、一定の備蓄をしておかないと、いざ、平成五年のあの例もありますから、大変なパニック状態になる可能性がありますから、米の備蓄が現状でいいのかどうなのか、一億トンまで備蓄しなくても今の程度でいいのかどうかということ。しかも、それが米の場合、玄米で備蓄するとすぐ古々米という形に品質が下がってきます。ほとんど商品価値がなくなってくる。それに対して、もみ米ということになると、この副大臣も言っていますが、三十年前のもみ米を私は食べたがまだ立派な味がしたという、そういう見解でもありますから、備蓄方法も考えるべきではないのかと思いますが、大臣、改めて見解を示していただきたいと思います。
国務大臣(亀井善之農林水産大臣) もう委員御承知のとおり、昨年は米の不作と、こういうことで、まだしかし百五十万トンの備蓄がありました関係から、消費者の皆さん方に心配のないような形での供給が図られておるわけでもございます。備蓄の重要性というものを十分承知をしておるところでもございます。
具体的には、平成十三年に備蓄運営研究会の報告をいただきまして、過去の作況変動によります翌年の増産可能数量を考慮いたしまして、十年に一度の不作、作況指数九二や、通常の不作、作況九四と、こういうことが二年続いた状況でも対処できる百万トン程度の備蓄水準と、これを基本といたしまして、また、御指摘ございましたが、財政的な負担の問題があるわけでありまして、もみによります備蓄につきましてはいろいろ問題点があるわけでありまして、やはり財政負担に留意をしながら国民の理解が得られる効率的な観点から考えていく必要があると思いまして、回転備蓄方式と、こういう備蓄の運営を行っているところでもございます。適切な備蓄を確保して安定供給が図られるように努めてまいりたいと、こう思っております。
(次ページへ続く)
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