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第150回国会
2000年11月7日
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「家畜伝染病予防法の一部改正について」
「牛の口蹄疫対策について」
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委員長
家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
中川義雄
ことしの三月に突如として九十二年ぶりに口蹄疫が発生したと。その際も、私もびっくりしながらこの委員会で玉沢大臣にいろいろと質問しまして、それがまた北海道の十勝へ飛んでいったと。そのときも、またこの問題でこの委員会で質疑をしたわけでありまして、その中で質問したことの確認を最初にさせていただきたいと思います。
口蹄疫については人に絶対感染しないんだと、こう言われておりましたが、しかし国内で発売されている主要な辞典ではほとんどが人に感染する場合もあるというようなことで、そういう記述が非常に多いと思う。これを直していただかないと、これはやっぱり口蹄疫に対する国民の理解というものが大きく間違って、風評被害その他で大きな被害になる可能性があるからそれは直していただきたいということを言っておりましたが、それについてはどのようなことを農林省として対策としてやったのか、まず御報告いただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) お話がございまして、私どもも、全部というわけじゃありませんが、主要なそういういわゆる辞典といいますか、そういうものを見ましたところ、お話のような記載がございましたので、これは適当じゃないだろうということで主要なところに申し入れを行いましたところ、やはり検討していただけまして、次に版を改める際に適切な表現にしたいというようなことを、表現はそれぞれ会社によって違いますけれども、おおむねそういう御返事をいただいているところでございます。
中川義雄 それから、十勝の本別町にそれが突如としてあらわれたということで、その際私が大きく指摘したのは、家畜伝染病予防法が制定されたときの当時の環境と今の農業の環境では物すごく大きく違っている。特に規模が物すごく拡大した。十勝の場合は七百頭以上を持っている農家が対象になって、それを処理するのに大変な状況である。しかも、現状ではその費用のうち二分の一は国が負担するが、二分の一はその農家自身が負担しなければならない、そういうことになっている。これは大変な問題であると。農家が実際としてそれができなかった場合はどうするのかという質問をしました。
幸い、本件に関しては、本別町が、あとの二分の一について町が負担してやるということで、町の犠牲と言ったら悪いんですが、理解のもとでこれが解決されました。しかし、これからはもう二度と起こしちゃいけないが、起きたら、非常に環境が違っているので、やっぱり現在の環境に合わせて法を改正すべきだと思うんですが、規模が大変拡大したことについて今回の改正ではそれをどう見ているのか。
それから、もう一つ大きく環境が変わったのは、交通体系が当時とは雲泥の差がある。高速化して大量化している。ですから、防疫体制も、馬や牛で物を運んだり、歩いて運んだりしている当時に制定されたものと、現在のこういう交通の状況で防疫体制をどうするかということは、その機動性、規模からいっても大きく変えなければなりません。
私は、この二点について今回の法改正でどのように取り扱っているのかお示しいただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) まさにこの口蹄疫という病気が出ましたのは九十二年ぶり、お話しのとおりでございますし、現在の家畜伝染病予防法自体がやや、もう半世紀になろうかという法律でございます。御指摘のとおり、大規模化した、あるいはその間にしてきた実態について、想定していなかったというとちょっと乱暴な表現かもしれませんけれども、実質的に今そういう形になっているということは事実だと思います。
そこで、今回、そういう防疫措置を行う中で幾つかの課題といいますか、私ども学習をしたということでございまして、先生おっしゃるように、大規模化したことをやはりどういうふうに扱うか、それから、お話しのとおり、交通事情が相当変わっているんじゃないかと思われるわけでございます。
それから、ちょっと御質問から外れるかもしれませんが、もう一つ、やはり穀物のわらで入ってくるということは全く想定をされていない等々を踏まえまして今回の改正案を提出させていただいているわけでございまして、最初に申し上げました大規模化の話については、いろんな今回の経験から必要な手当てをさせていただくと、詳細はちょっとまた後ほどお話ししますけれども、それから、わらについても必要な手当てを、わら等のいわゆる水際対策、それについてもやらせていただくということにいたしておるわけでございますが。
交通手段につきましては、実はどういう形で移動制限をするか、遮断をするかという権限は既に持っておりますので、実際問題としまして、どのくらいの範囲でやった方がいいのか、あるいは形式的に円を引くだけでいいのかということは、実は法律でなくても、私どもとしてはそれに基づきます具体的な、現在ありますのは防疫要領というもので持っておりますが、それをこの改正の暁に具体的に専門家等の、何といいますか、お知恵も拝借しながら変えていく、その中で十分生かせるんじゃないかと思っておりますので、むしろその中で実態に合うようにその制限の仕方、具体的な運用の仕方はやっていこうかと思っております。
それから、大規模化についてどのようにしたのかという御指摘でございまして、大きく分けて今回の改正の中に三つほどの事項として盛り込んでございます。
一つは、やはり交通遮断をするときに、最初にどういう体制をしくかというのは大変大事なことではなかろうかと思っておりまして、通行遮断をする時間帯が四十八時間ということで法律で上限が定められております。しかし、さっきお話しございましたように、大量に発生した場合、それに関係する人々を大変たくさんやっぱりお手伝いを願わないといけないといいますか、そもそもその近隣の方も大変な驚きであろうかと思いますので、その辺を含めましてその時間を延長させていただくというのが一点でございます。
それからもう一点は、病気でございますが、機械的にシロかクロかというのはなかなかすぐには出てまいりませんので、いろんな形で検査をしていく、そのための隔離期間をやはり大量にいる場合はある程度余裕をいただきたいということが二点目。
それから、最後の点が御質問をいただいた中にかなり深くかかわるのではないかと思いますが、現在では大規模に殺処分をするとか埋めるということまでは想定をしておらないということのあらわれではなかろうかと。これはむしろ私どもの推測ではございますけれども、原則として自分で実行する、当然自分でといっても自分の責任においてといいますか、自分がかかわってするということでございますが、ざっくばらんに言いますと、当然本人はびっくりされますし、大量に一体どうやって処分するかと。しかし、早くやらないとこの病気はすごいスピードで蔓延していく等々を考えますと、基本的にこの法律の目的でございます蔓延防止、広げちゃいかぬということからすると、ある程度公的なかかわりでそれをシャットアウトするということが適当であろうということで、家畜防疫員がもう必要があると認めたときはみずから実施していい、殺していい、埋めていいということにすると。ここが今回の一つのポイントであるわけでございまして、そうした場合には公的負担ですべて賄うという形でこの点を整理させていただいておりまして、そこがかなり今回のポイントではなかろうかと思っておるところでございます。
中川義雄 今、私が聞こうと思ったら先に、何か敷きわらがキャリアとしての一番要因だというような、そういうことを局長も今答えていらっしゃいますが、しかし聞いてみても、私も本委員会で何といったって要因分析を一番先にしなければなりませんということをしつこく言ったんですけれども、今聞いてもまだその点は明らかでないんだという話なんですよ。残念ながら発生原因が確定されていないと。
しかし、敷きわらだという話を盛んにされるわけですけれども、今回どんな調査をして、その敷きわらというようなことに大きな疑念を抱いた客観的な理由、敷きわら以外には全然考えられないのか。しかし、原因が特定されていないという事実は事実ですから、どうも釈然としないんですが、その点きちっとここで説明していただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) 率直に申し上げまして、残念ながらと言うとちょっとしかられるかもしれませんが、私どもが現在国内で持っておりますといいますか、精いっぱいの人的あるいは物的な能力を挙げてこの原因究明には当たったわけでございます。
ちょっと横にそれるかもしれませんが、分析等にも大変たくさんの人間が一生懸命かかわりまして、その中の一つで、やはり原因究明しないと終わらないんじゃないかということは全く私どもの意識も同じなんです。ただ残念ながら、チームを組んで調査をし、かつさまざまの機器を利用して分析をしましたけれども、麦のわらが最も可能性が高いというところ以上には、実は手持ちの、何といいますか、証拠では確認できていないという実態にございます。
そこで、どういうことでじゃそうなったのかと幾つかを挙げてみますと、初発の農場で輸入粗飼料として中国産の麦わらが現に使われていたということがございます。そして、口蹄疫のウイルスが最も、何といいますか、生きて付着してくるであろうと思われる冬期のその時期にまさにそれが輸入されたものであるというところが一つ確認をされているということがございます。
それから、ウイルスが分離をされておりますけれども、そのウイルスのタイプをDNA分析で確認を、もちろん外国の機関も協力を得て確認をいたしましたところ、近年東アジア地域で流行しているタイプのものであるということで、方角としてはそっちの方角だろうということでございます。
これらをあわせ考えますと、中国産の麦わらがほかの要因に比べ侵入源としては最も可能性が高いということになったわけでございまして、他のものがゼロかということになりますと、それは逆にそれをまたゼロと確認する方法もないわけでございますので、現状持っている能力なりそういう情報をすべて活用して、一生懸命みんなにやってもらってそこまでだということで御理解をいただきたいと思います。
中川義雄 それにしましても、口蹄疫の国内における研究といいますか情報というものが大変不足していて、何かサンプルをイギリスまで送って、イギリスの専門機関に依頼していろいろと分析していただいたという話です。今のこの情報化時代にわざわざイギリスまで持っていかなければならないというところに、何となく我が国のこの問題に対する、九十何年間も何もなかったものですから、何となく取り組み体制がルーズになっていた、これもわからないわけではありませんが、しかし、今回これだけの大きな問題になったものですから、我が国におけるこういう分析手法だとか情報の集積だとかというものを抜本的に見直さなきゃならないと思いますが、その点いかがでしょうか。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) 二つ御理解をいただきたいと思います。
イギリスに送りましたというのは、実はここが世界のそういう、何といいますか、協定上確認をする機関だということになって、通常いろんな情報とか試料はすべてそこに送るということがルールになっておりますものですからやったということでございまして、私どもはそれに従ってやったわけでございまして、決して逃れているわけじゃございませんが、そういう前提があったということはひとつ御承知をいただきたいと思います。
それからもう一つ、このウイルス、大変怖いといいますか、そういうものでございますので、もし検査をする場合にはかなりきちっとした施設なり器具を用意しまして、それらが外に出ていかない、散逸をしないという、そういう条件をつくらないといけないということがございます。そういうことから、実は一カ所だけしか我が国ではつくっていなかったと。正直言いますと、それをつくるときも大変、周りからそんなの要らないんじゃないか、何で危ないものが来るんだと大変もめたという経緯もございますけれども、今にして思えばつくっておいてよかったなと
中川義雄 これまでのことはいいから、今後のことを話してください。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) はい。
それで、そういう施設を実はやはり一つではどうも十分じゃなかろうということはおっしゃるとおりでございますので、もう一カ所整備をしましたし、それから一番手間暇食いましたのは、やはりたくさんの試料を人間の手で分析する、そうしますと、継続的にやるものですから疲労が出てきたり、狭いところで作業をやるものですから能率も落ちてくるというようなことがございますので、幾つかの必要な機器を整備する。それから、やはり日ごろから少しそういう面の情報なり知見についてきちっとしたものを整備していかないといけないんじゃないかということで、検査診断体制を整備するということで対応していきたいと思っておるところでございます。
中川義雄 先ほど局長が説明されたように、はっきりと確定はしていないが、いわゆる粗飼料でないのかという予想が出てきた。しかし農家としては、やっぱり外国から粗飼料を輸入している実態は今日も変わっておりませんから、大変不安を持っているわけでございまして、この輸入のときの検査体制、これをどのようにしていくのか、ここで示していただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) 現在、検疫の体制としましては、横浜が本所でございまして、主要な空港、海港に出先の機関を置きまして、全体として七十カ所余りでの輸入が行われるということになりますけれども、これは一つは、今回改正された後は指定検疫物等に指定ができるわけでございますので、ここの港しか持ってきちゃいけないというようなことができるわけでございますし、また人員についても、必要な人員を確保すべく現在要求をして検査に抜かりのないようにしていきたいと思っているところでございます。
中川義雄 麦わらだとか稲わらだとか、粗飼料としてきちっと指定されていて、それが当然の検疫体制の中で入ってくる、これはもう大体心配はなくなったと思うんです。
問題は、いろんな輸入の方策がとられています。特に副産物として入ってくる場合が非常に多いんです。例えば、果物を輸入したときにバナナの葉だとか何かが大量に入ってきて、これが集荷されて粗飼料として流通されているなんということも、私は見たわけじゃありませんから、それは聞いた話なんですけれども、そういうように粗飼料としてきちっと輸入されないで、何かの副産物といいますか、こん包材だとか、そういう形で入ってきたものが、捨てるのがもったいないから粗飼料として横へ流れているというような話も聞くんですよ。これは見たわけじゃないですから確認はしていませんが、そういうことが全然ないのかどうなのか、そういう可能性があるとしたらこういう問題に対してはどう対処していくのか、それを示していただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) 二つあると思います。
輸入される時点で、例えばそれがどうも、何といいますか、飼料に使われて危ないんではないかというときは、それは必要な検査ができるということになっておりますし、国内に入りましてもしそういうことがあったとすれば、それは各県あるいはいろんな防疫対策の職員等と緊密な連絡をとりながら対応していくということになろうかと思っております。
特に、海外から入ってきますものの指定検疫物とならないものでも私どもはやらないというわけではなくて、それについての目配りができるように、これはちゃんと今回の経験を生かして、先ほどもお話をしましたが、職員の日ごろの対応について指導を、むしろ私どもの身内の人間でございますし、これはちゃんとやっていかないといけないんじゃないかと思っております。
中川義雄 これに関連してなんですけれども、北海道の本別町で発生した当該農家がどんな粗飼料を使っていたかということを私自身も当該農協だとか本人からも聞いてみて、一つはケーントップというのが入ってきている、インドネシア産。ケーントップというのはどういうものだかよくわかりませんが、これは十勝のある商社から買ったというところまではわかるんですけれども、それがどういうルートでそこまで入ってきたかというのは私が調査しても何か複雑でわからないんです。
このケーントップについても、当然、今回の粗飼料で使われていたものですからお調べになったと思うんですが、このケーントップとは一体何なのか、どんなものなのか。そして、それが今回の検査の体制の中でキャリアとして絶対シロだったのか、どういう形でシロと判明したのか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) ケーントップというのは、非常に端的に申し上げますとサトウキビの葉っぱだと考えていただければいいかと思います。これを乾燥したものでございますけれども、今回、私どもも、そういうものが輸入されているし、利用されている可能性があるということは当然頭の中に置きながら先ほどお話をしました調査を行ったわけでございますが、これが東南アジアから来ている、今インドネシアとおっしゃいましたが、来ているということと、先ほどお話をしましたように、北海道でも宮崎でも、分離をしましたウイルスが違う方角から来ているものだということでございますので、ケーントップに乗っかって南から来たということはないということがございまして、これが感染源に今回なったとは考えにくいだろうという先ほどの調査の結果になったということでございます。
中川義雄 当該農家は、そういうことになりますと、台湾産の稲わらも使っていたわけです。台湾産の稲わらが主な疑いを持ったルートだと思ったからそういう形を、私の調べたのでは中国産の稲わらは直接使っていないという話でして、台湾産であったということ。そうすると台湾も口蹄疫の汚染地域になっているのかなと、その辺はわかりません。しかし、きょうはそれを究明する場じゃありませんから、台湾産の稲わらが当該農家の場合は疑いの主要なものと見た、こうみなしてよろしいわけですね。ちょっとその点だけ。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) 今回の調査では、何か予断を持って何かをやったということじゃなくて、かなりいろんな可能性を当然探りながら調査をしていったわけでございます。
そこで、繰り返しませんが、先ほどお話をしたような調査結果に、そこまで至っている。ただ、そういうことがございますので、今回、いろんな流通関係とか飼料にかかわる皆さんに私どもが報告徴収を求めたりということの権限をむしろ与えていただいて、先生の言葉を拝借いたしますと、何かもやもやっとしてわからなかったというようなことをむしろきちっと確認できるような権限を与えていただこうというのが改正事項の一つとして盛り込まれているところでございます。
中川義雄 東アジアと非常に遺伝子的に見るとよく似たものだということで、そこでちょっと心配になるのは、東アジアの地域から粗飼料じゃなくて飼料も輸入されているんですね、例えばコウリャンなどというものが。この飼料には全然疑いがないのか。今回の対策ではコウリャンなどの飼料に対するものは何も出てきていませんが、飼料を疑いないと、そういうふうにみなした根拠などを示していただかないと、やっぱり農家は、原因がきちっとはっきりしていないものですから、飼料などというのはもっと稲わらより、まさに胃袋に入れてしまうものですから、それが全然何でもないのかどうか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) 幾つかございますが、二つ主なものを御紹介しておきたいと思います。
一つは、これは国際的にどういうものを検疫対象にするかといういわばコードみたいなものがございまして、それで、わらの場合はどういうふうな基準で輸入をしなさい、あるいはそれを満たしていれば安全ですよという基準がございますが、これはちょっと私の推測になって申しわけないんですけれども、穀物でそういう口蹄疫が移動したということが恐らくないということもあろうかと思いますが、穀物についてはそういう基準といいますか、どういうことで輸入のときに制約をするかというのがつくられていない、国際的に。現にそれに乗って移動したという記録も私どもの知見では今のところないというのが一点でございます。そういうルールがない。
それからもう一つは、これは穀物、特にトウモロコシなんかの栽培については先生の方がむしろ現場を御承知でございますけれども、栽培されているときは殻の中に入っているわけですね、粒が。したがって、栽培の時点で粒に触れるといいますか、そういう接触は考えられないだろうと。そうしますと、機械なんかでさっと収穫をしていって、すぐ例えば倉庫なりに集荷されて、そのまま管理をされて出荷されてくるということで、例えば牧草なんかが刈り取られて一定の期間放置をされましてさらされるというのとは相当違うということもあるんじゃないかと。そういうこともありまして国際的にもそれは対象にしないということになっておりますし、それから、そういう知見もないのでそれがアウトと言うには、かなり、私どもの方で実は国際的には危ないということを科学的に論証しないとなかなか相手に対してこれはアウトと証明できないわけでございますので、その辺のことは御理解いただきたいと思いますが。
まだどういうものであるかということが原因究明に至っていないということは事実でございますので、いろんな可能性、これはもう絶対大丈夫だというふうに予断を持つわけじゃなくて、こういうことも含めて今後きちっとした研究を続けていかないといけないとは思っております。
中川義雄 今回の事件で大変私たちが、酪農・畜産の本場みたいなところで発生したものですから、そこで大きな要請が来たのがちょうど授精の最中だったんですね。そうすると、授精ができないと言うんですよ。僕は、あの衛生の専門家でマスクしてきちっとしてやっている、えさは何でもないけれども授精をする作業はだめだというのは、どうも科学的に理解できないんですよ。
これはもう時を逸すると、御承知のように酪農なんかは子をはらまぬと牛乳が出てこないわけですから、その一定の期間中に特定の地域内では授精作業をやっちゃいけないという強力な指示が出たと言うんですけれども、これは産地にとってはもう、今回比較的短くて済んだから被害は最低限に抑えることができましたが、これが何区かに拡大しているようなとき長期間にわたって授精行為をしちゃいけないという、そういうことになってしまうと、本当に翌年の酪農・畜産そのものに、その地域全体に影響を与えることですから、この点は本当の専門家の獣医さんだとか何かがやっている作業まで何で、えさは大丈夫だけれども授精作業までだめだなんというのは全く非科学的だと思うんです、えさは大丈夫で。
その点について今後の方針等を知らせていただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) お答え申し上げます。
今回、関係者の大変な御努力によりまして大規模に至らなくて済んだわけでございますが、そのことの大きな理由の一つとして、事前にきちっとしたマニュアルがございまして、それに従って関係者が余り動揺することなく対応したということが実は挙げられております。
そのマニュアルの中に今先生お話しされたことも実は明確に記載をされておりまして、その時点でどうするかこうするかと検討していると全部がもうがちゃがちゃになってしまいますので、マニュアルに従って行われたということは事実でございます。
ただ、今回の、何といいますか、移動制限地域内でとにかく万全を期すために人が農場間を移動することはできるだけ避けるという見地から人工授精師の方も移動を禁止したということの実態を眺めてみまして、例えばどういう制限にしたらいいかというのは、冒頭お話をしましたように、もう一回マニュアルを見直す必要があるんじゃなかろうかということは私どもも幾つかございます、課題が。
その中の一つにこれも対象になっているわけでございますが、ただ、一律に人工授精師と獣医師であれば勝手に歩いていいというのもまたややこれは極端な話でございますので、一体どういう条件のもとにどういう人が移動制限地域内であっても動けるだろうかということは、今回の経験を踏まえてもう一度見直そうじゃないかと。まさに冒頭お話があったような距離の話とか等を含めて幾つか再検討しないといけないものがございますので、そういう可能性について、むしろまさに技術的な問題でございますので、そういうことから検討をするということにしておりますので、よろしくお願いします。
中川義雄 これは局長、私、行って見てきて知っていますから。当該農家に一歩足を入れたら、それはもう出ることさえできないぐらい厳しい、これはいいんですよ。
しかし、それから、ある程度、移動制限地域というのはかなり自由に本当は動いているんですよ。夜なんかほとんど自動車なんかぼんぼんぼんぼん動いているんですよ。これまた、夜中も全部制限してなんということをある広範な地域でできる可能性はないですから、今の局長のマニュアルにそういうふうに載っているというのを聞くと何となく違和感、もう現実と全然違うなと。獣医さんが、専門家の知識を持っている人が自分で防除態勢をしながらやるなんというのは当然のことですから、危険地域になればなるほど逆にそういう注意をするわけですから、そういうマニュアルは現実性がないからやっぱり外していただきたい、これは要望だけ言っておく。
最後になりますが、大臣、今回また粗飼料が主要な問題だということで、粗飼料を何とか国内産で賄った方がいいという、そういう雰囲気が非常に高まってきているわけですね。ですから、今度の基本法では自給率の向上、特に畜産物については飼料は海外から輸入しているのがほとんどです。ですから、自給率という意味では畜産・酪農というのは非常に弱い立場にあります。しかし、せめて粗飼料ぐらいは国内産で自賄いしたらいいという、そういう機運が出てきております。
例えば水田の転作に当たっては、えさ米をどうつくるかといったような話も出ておりますから、これは基本的に大臣として、この粗飼料を自賄いする、その姿勢について大臣の、最後ですが、何というか、基本的な姿勢みたいなものを明らかにしていただきたいと思います。
国務大臣(谷洋一農林水産大臣) このたびの九十二年ぶりに発生いたしました口蹄疫につきましては、農林水産省を初め、県、市町村そして団体の皆さん方、畜産農家の方々、懸命の努力によりまして、パリの本部におきましてもこんなに早く終結宣言ができたのはないと言われるほど早く終結したことは喜びにたえないところであります。
今御指摘のように、原因を究明したわけでございますけれども、なかなかこれでなったということは断言はできないわけでございまして、麦わらが非常に濃厚であるというふうなことは先ほど来お話があったとおりであります。
そこで、飼料、敷きわら等について、日本にこれだけの水田があるにかかわらずもっと利用できないだろうかという声が方々で上がっておることは聞いております。そういうことは大変結構なことでございまして、今、新しい農業基本法に自給率を上げるということを強くうたっておりますけれども、この問題と並行して考えなきゃならない問題だと思っておるわけですが。
今、耕うん、脱穀、そういう機械も、そういう飼料にするという意味においてはちょっと不都合な点もございますし、これから日本的に非常に稲わら、麦わらをとるようなことができるように工夫を凝らしてみたいなと、こう思っておりまして、これはやはり畜産農家の方々が意欲的に取り組むと同時に、また畜産農家の方々が意欲的に取り組んだら、提供する側の方もひとつ十分使ってくださいという形でなければできませんので、そういうあたり、機械化の問題等もありますし、農民の強い心理もありましょうし、またやはり政府の強い立場で指導することも大事だと思いますし、そういうことをすべて勘案しながら、今後そういう方向で強く働きかけてみたい、こう思っております。
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