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国会活動/発言一覧 参議院「農林水産常任委員会」

第150回国会
2000年11月2日
「農産物価格の下落と経営安定対策に関する件」
「WTO農業交渉の進ちょく状況に関する件」




委員長  農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。

中川義雄  自民党の中川であります。どうぞよろしくお願いします。
 まず、大臣に基本的な姿勢をお聞きしたいと思いますけれども、新しい食料・農業・農村基本法においては、価格は市場の原理を大切にしながら、しかし農家経営が大変困難な状態に陥る、そんな事態になったら政策でそれをカバーするということが基本になって、そして食料と農村を守っていく、このことが基本になっていると思いますが、大臣の、これから農政を担っていくためにこの基本をどのように遵守していくか、まず基本姿勢をお知らせいただきたいと思います。

国務大臣(谷洋一農林水産大臣)  ただいま御質疑がございましたように、新しい農業基本法をつくりましたときに、ただいまおっしゃったとおりの問題について我々検討いたしまして、そういう方向でいくということに我々は決心しております。
 要するに、自給率を高めるということがまた新しい農業基本法の根本でございますから、その自給率を高める方途として今申し上げたようなことが一番中心になると考え、その自給率を高めるための施策としてのいろいろな具体的な問題を価格の面で討議しておるわけでございます。

中川義雄 そういうことで、経営は政策で何とか、担い手対策その他をやって食料の自給率の向上その他に寄与していくという大きな目的で今農政が行われているわけですが、しかし現実は、多くの農家は、農産物価格が下落して農家経営が大変困難になっているが、なかなかそれに対する経営政策というものが見えない、そういう不満が私たちの周辺の農家からも起きていることは事実なのであります。
 そういう、価格対策とは言いませんが、農家経営対策に対する問題、主要なものとしては、やはり農林省が関与しているとしたら、米作農家対策、それから砂糖の生産農家対策、それからバレイショやカンショなどでん粉生産農家対策、それに大豆農家、それから酪農・畜産、野菜農家といったような、なるべく具体的な、価格と経営との関連でどのような施策が行われてきたか、それぞれ担当長官、局長からここで御説明いただきたいと思います。

政府参考人(高木賢食糧庁長官) お尋ねのありました、まず米について申し上げたいと思います。
 米につきましては、構造的に需給の均衡がアンバランス、均衡していない、生産が需要量を上回る、こういうことでございますので、基本的に生産調整という手段で需給の均衡を図ってまいりました。それから、昨年、ことしと豊作による作況オーバー分につきまして、一部をえさに処理するということで需給の均衡を図ってまいりました。
 しかしながら、現実にはさらに需要を上回る相当なる政府その他団体に在庫がございまして、需給の緩和基調が続いておるために価格の下落をもたらしております。
 これに対しましては、平成十年から稲作経営安定対策を実施いたしまして、価格が下落した分につきましては基準価格との差の八割を補てんするという原則でおりますが、昨年は下落幅が大きいということもありまして特別補てんをさらに加えたということでございますし、十二年産につきましても、先般特別支払いを実施するということを決定いたしました。
 そういうことで、平均的に見ますと、平成十一年産の米につきましては、補てん金と販売価格を足しますとほぼ前年並みの価格水準、収入を各農家が得られた、こういうふうになっております。
 したがいまして、今後とも、先般九月に緊急総合米対策を決定いたしましたけれども、需給バランスの確保、これに向けて在庫処理、十一年産の米の需給調整、十二年産、十三年産の米の対策ということで、需給の改善を図りながら、一方では価格の下落への備えといたしまして稲作経営安定対策の充実、この両輪で対処しているところでございます。

政府参考人(西藤久三農林水産省食品流通局長) 先生お尋ねのうちの甘味資源作物と野菜の関係について、私の方から状況を御説明させていただきたいと思います。
 甘味資源作物の価格制度につきまして、さきの国会で制度改正をさせていただきまして、それで価格につきましては、最低生産者価格制度は維持しつつ、その算定方式につきましては、作物の生産コストの変動率と価格の変動率を反映して定めるという新しい制度のもとで先月価格決定をさせていただいたところでございます。
 今後とも、新しい制度の適正な運用に努めまして、法律の目的としている農業所得の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
 また、同じ甘味作物の中のでん粉でございますけれども、国産のバレイショ、カンショから製造されます国産芋でん粉と輸入トウモロコシから製造されますコーンスターチとの抱き合わせにより需要を確保していく中で、農産物価格安定法に基づきまして生産者価格を決定してきております。今後とも、その制度の運用の中で農家所得の安定を図っていくということが重要だろうと思っております。
 野菜でございますが、野菜は野菜生産出荷安定対策ということで主要な野菜、私ども指定野菜、現在十四品目でございますけれども、指定産地から指定消費地域に対する出荷の安定を図るというそういう目的で、価格低落時、現状ですと過去平均価格の九割を基準価格にしておりますが、その基準価格を下回った場合に生産農家に対して交付金を交付するという仕組みで運用いたしてきております。
 ただし、野菜につきましては、出荷形態の多様化あるいは流通の多様化等の状況の変化が見られること、あるいはそういう交付金の迅速な交付が非常に求められているというような状況、あるいは生産出荷安定のために価格動向を踏まえた需給調整の仕組みをどうしていくかというようなことが課題になっているかというふうに思っております。
 こういう状況のもとで、今後とも価格低落が野菜生産農家に及ぼす影響を緩和して、要は次期作の確保が図られるという観点で適切な対応に努めてまいりたいというふうに思っております。

政府参考人(木下寛之農林水産省農産園芸局長) 大豆につきまして御説明を申し上げます。
 大豆につきましては、さきの通常国会で成立しました大豆交付金暫定措置法に基づきまして、十二年産からいわゆる定額の交付金制度に移行するということになっておるわけでございますけれども、このほかに、価格の変動に対しまして大豆作経営安定対策を導入したところでございます。今後とも、定額の交付金、それから経営安定対策の適切な運用を図っていくこととしているところでございます。
 このほかに、価格の安定を図るためには基本的には実需に合った生産を行うことが重要でございます。そのような実需者ニーズに即した生産を促進するとともに、効率的な生産体制の整備を図るため、一つは実需者ニーズに即しました新品種の開発普及、また団地化、担い手への生産集積による単収の向上・安定化、さらには必要な機械・施設の整備等、総合的な対策を推進していくこととしているところでございます。

政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) 畜産の部分についてお答えを申し上げます。
 酪農、それからそれらを含みます畜産経営につきましては、一つは典型的には加工原料乳でございますが、不足払い制度というものがございます。それから、肉用子牛の生産者補給金制度、こういう制度の円滑な運営、生産基盤の整備等々をやることによりまして、こういう支援措置を講ずることによりまして再生産の確保と経営の安定というものに努めてきているところでございます。
 特に、価格につきましては、加工原料乳でございますが、この不足払い制度、これまで市場評価にかかわらず加工原料乳の生産者に一定水準の手取りは確保されるということもございまして、なかなか生産者に販売価格の動向が伝わりにくくて、生産者あるいは生産者団体の生産・販売努力が促進されにくい等々の問題点が指摘をされまして、そういう背景のもとに、市場評価が生産者手取りに的確に反映され、先ほどお話をしましたような問題点が解決できるようにということがございまして、御承知のとおり、本年、法律改正が成立をいたしまして、平成十三年度から新たな生産者補給金制度に移行するということになっておりまして、ちょうど現在、まさに現在でございますが、価格決定へ向けて鋭意作業中ということでございます。
 なお、その場合に、加工原料乳の取引価格が低落をした場合には、酪農経営に与える影響を緩和するという観点から、新制度への移行にあわせて、新たに加工原料乳の生産者経営安定対策を創設するということになっているわけでございます。
 また、経営の面につきましては、先ほどもお話がございましたけれども、食料・農業・農村基本法の考え方に即しまして、畜産物の生産の拡大へ向けまして、一つは生産コストの低減、それから品質向上対策の推進等を図っていくということが課題に挙げられているわけでございまして、幾つかございますが、三つほど施策をお話しいたしますと、一つは、自給飼料生産を拡大していくためのいろんな施策を講じる、それから家畜の改良によりまして生産能力を向上していくということ、それから、やはり畜産は規模が大きいということもございますが、地域と調和した経営を図るということもありますので、現在課題になっております畜産環境対策等を推進する等々の施策を講じていく、こういうことで国内生産の振興、それから酪農・畜産経営の安定に努めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

中川義雄 特にひどいのは、私は米価の下落の問題だと思うんです。北海道においても、米作地帯というのは大変な困難な事態に立ち至っているわけであります。
 その大きな要因は何といっても、米だけは国内で唯一自給率一〇〇%を達成して、にもかかわらずなかなか米の消費は伸びないというような中で、かなり生産調整をしてきたが、まだ需給ギャップがあって、これが大きな要因になっている。そこに加えて例のMA米、ずんずんずんずんふえてきて、ことしは七十二万トン、来年は七十七万トンとも言われるMA米が、またこれは国家貿易で国が管理しているとはいえ、やはりそれはどこかで使われているということで需給ギャップが厳しい中でそれが大きな要因にもなっていると、こう言われております。
 そこで、今回、緊急総合米対策を実施することになったと、こう聞いておりますが、その概要はどのようなものであるか、伺いたいと思います。

政府参考人(高木賢食糧庁長官) 先般決定いたしました緊急総合米対策でございますが、幾つかの柱からなっております。
 まず、政府米の在庫対策といたしましては、緊急食糧支援事業による援助用といたしまして、七十五万トンについて市場隔離を実施するというのが一つでございます。
 それから、十一年産の米が売れ残っておるというものにつきましては、これは今後販売が見込めないものについては政府持ち越し米と交換の上、加工用などに処理をするということでございます。
 それから、ことしの米、十二年産の米の豊作分につきましては、そのうちの十五万トンにつきまして主食用以外の用途、つまり配合飼料用の原料として処理をするということでございます。同時に、十二年産につきましては、それのみでは足りませんので、自主流通法人による隔離効果の高い一元的な調整保管を実施するということと、特例的に二十五万トン、これは生産調整のメリット措置という位置づけでありますが、政府買い入れを行うということで十二年産米の対策ということでございます。
 それから、十三年産の米の対策につきましては、生産調整の規模を、二十五万トンの需給改善のための緊急拡大ということを行うということにいたしております。
 それから、需給バランスが十分回復されていない間の稲作経営安定対策といたしまして、現行制度の枠組みのもとではありますが、臨時応急的な対応といたしまして、十二年産米に係る特別支払いの要件を緩和するということと生産調整の緊急拡大の取り組み、これの確実な達成を前提といたしまして、平成十三年産の補てん基準価格を十二年産の補てん基準価格と同水準とするということ、さらには稲作経営安定資金の基盤の安定のために追加の資金造成措置をとる、こういうことをいたしております。

中川義雄 今、長官の説明の中にあった中でも、私は大変な問題だと思うのは、十三年産米の需給調整のために二十五万トン分、約五万ヘクタールの生産調整を行う、そういう中身になっているわけでございますので、これを本当に円滑に実施するとしたら非常に難しい問題が山積していると思っておりますので、これを実施する、本当に五万ヘクタールをどのような形で実施していくのか、その基本姿勢を伺いたいと思います。

政府参考人(木下寛之農林水産省農産園芸局長) 今回、緊急対策の中で二十五万トン、五万ヘクタール程度の緊急拡大を行うこととしたところでございます。
 この緊急拡大の円滑かつ確実な実施を図るため、生産調整の達成を前提に、緊急拡大に取り組みます都道府県を対象といたしまして、一つは緊急拡大の実施分に見合う政府買い入れを行う。二つ目は、既存の生産調整の助成措置に加えまして、緊急拡大の実施分に対する追加的な助成を行う。さらに第三点につきましては、稲作経営安定対策につきまして、十三年産の補てん基準価格を十二年産と同水準とする等、特例措置を講じることとしているところでございます。
 このような特例措置と相まちまして、今後、私ども行政それから生産者団体ともども一体となりまして、生産調整の円滑な実施に努めていきたいというふうに考えておるところでございます。

中川義雄 特に、この緊急拡大分の配分については、私は、どうしてもやむを得ない措置として実施する場合は、何としても公明で公正で農家に不満のないような配分でなければならない、こう思うわけであります。
 特に、これまでも数次にわたって生産調整がなされてきて、ある地域にはかなり思い切った傾斜配分もしており、またある地域においては国の方針と違って生産調整に応じていない地域もある。そんな不満も、特に生産調整に応じた地域の農家は大変不満を持っているわけでありますから、これまで協力した地域と協力していない地域に対ししっかりとしためり張りをつけるなど、配分については公明、公正に行っていただきたいと思いますが、この配分の具体的な方法等について考え方があったらお示しいただきたいと思います。

政府参考人(木下寛之農林水産省農産園芸局長) 今回の緊急拡大分の配分につきましては、九月二十八日に決定いたしました平成十二年緊急総合米対策に基づきまして、生産者団体の意向を踏まえまして実施をしたものでございます。
 この配分の考え方でございますけれども、まず第一点は、水稲作付面積の一%に相当する数量につきまして全県で取り組む。それから第二点、その他の数量につきましては、各都道府県のこれまでの政府買い入れ実績、それから自主流通米持ち越し在庫数量に基づき算出するとの基本的な考え方で決定し、その上で各都道府県団体との調整を経て取りまとめられたものでございます。
 また、今回の検討の際には、緊急政府買い入れ等の緊急拡大分のメリット措置等を考慮しながら、現在厳しい需給環境に置かれております産地の早期の需給改善を図る観点からも調整が行われたものと理解をしているところでございます。

中川義雄 昨日、団体間の調整が成立して配分が決定したと、ゆうべ遅くなって私のところにその情報が入ってきて、それを分析してみてもう愕然としたわけであります。約四万六千五百七十八ヘクタール減反を実施する、生産調整をすると。そのうちの一万一千八百二十六ヘクタール、四分の一以上を北海道に配分するという、これは北海道の、もう大変これまでの生産調整で足腰立たなくなっている北海道の米作農家にとっては、これはまさに死活の問題に発展しかねない、まるで傾斜配分になっているわけです。極端な傾斜配分になっております。
 これまで私は、北海道は、北海道農民は歯を食いしばって政府の生産調整には協力してきた。そのお返しです。まあ、あそこへ配分したらまた協力してくれるだろうというような安易な考え方があったかどうか知りませんが、私は、四分の一強を北海道に傾斜配分したこの理由、どうしても納得しかねるわけですが、これは局長、間違ってもらったらいかぬ。局長は生産者団体でみずから調整し合って決めたという言い方をすると思いますが、しかしあくまでも農家に行くときは農林省の方針でこういう形が決定されたと行くわけであります。我々はこの緊急対策に対しても部会等で相当議論をしてきました。ぎりぎりの議論をしながらやってきた中で、今回の決定は決定されてから我々に報告があっただけで、その過程で何の話もなかったわけです。しかし、地域へおりていくと農民は、やっぱり北海道出身の政治家には力がないんだなと。他府県に、そういう北海道の厳しい水田の状況を北海道出身の政治家はそれを守るだけの力がなかったという評価を受けるわけですから、我々政治家にとっても死活の問題になるわけであります。
 そこで、何としてもわからない、北海道に四分の一以上の傾斜配分を、最終的には農林省の決定として伝わっていくわけですから、これは農林省、団体が決めたからという形で逃げれない、四分の一を北海道に決めたというその責任はやっぱり農林省にあると思いますから、そのしっかりとした理由を示していただきたい。そしてしかも、このような経過で決定されたという、四分の一を決定されたその経過についても、北海道の農民に隅々までわかるように農林省が説明する責任があると思いますから、その点についてもきちっと答えていただきたいと思います。

政府参考人(木下寛之農林水産省農産園芸局長) 先ほど御説明申し上げましたように、今回の緊急総合米対策の中で、緊急拡大分につきまして生産者団体の意向を踏まえて決定をするというふうにしたところでございます。
 私ども、昨年決定をいたしました水田を中心とした土地利用型農業活性化大綱の中で、産地ごとに価格なり販売動向を踏まえた生産販売戦略と連動した米の計画的生産が必要だというふうにしてきたところでございます。
 今回の緊急拡大分の配分につきましても、十二年産米の政府買い入れ数量と生産調整の緊急拡大数量を一対一で対応させるとか、あるいはこれまでの各県の政府米買い入れ実績、あるいは自主流通米在庫数量などを勘案して決定されたものでございます。昨年決定された大綱に即して、産地ごとに価格なり販売動向を踏まえた生産販売を推進するという大綱の趣旨に沿ったものであるというふうに考えているところでございます。
 もとより、私ども、今回の緊急拡大、百万ヘクタールを超えるわけでございますから相当な困難が予想されるわけでございますけれども、私ども国、県、市町村、それから関係生産者団体と相連携をとりまして円滑な実施に努めていきたいというふうに考えているところでございます。

中川義雄 この緊急米対策を決定する中で、ぎりぎりの調整をして生産調整も五万ヘクタールやるという決定の中、これを少しでも実施しやすいからといって三つの上乗せ措置があったわけです。それは、ホールクロップサイレージについては十アール当たり二万円上乗せしましょう、それから麦、大豆以外の一般作物については十アール当たり一万円、そしてたばこと野菜を除く特例作物等については十アール当たり五千円という上乗せなんです。
 私はここで指摘したいのは、この三つ、どれも北海道では対象にならないんです。現実的にできないんです、北海道では。ほとんどが大豆、小麦に転作という形で行われているのが事実、それ以外はできない。しかも、大豆、小麦もほとんどが水田の汎用田の中でやっていますから、農家は水田のことを考えると本格的な畑作経営はできないんです。北海道の大型の畑作機械を水田の中へ入れてしまったら水田はもうめちゃくちゃになってしまうというようなおそれもあるものですから、つくっても、ただそれを見ていて天候に成り行き任せというような、そんな形で営農されているのが実態なんです。
 その北海道に、こういう奨励措置が全く該当できない北海道にこのような極端な傾斜配分をした理由をもっと、これを、何のためにこんなものをつくったのか、そういったところで、水田の調整がしやすくするためにつくったものが生かされないような形の配分というのは納得できませんが、その点について説明していただきたいと思います。


政府参考人(木下寛之農林水産省農産園芸局長) 今回の緊急拡大分二十五万トン相当に対します追加的助成でございますけれども、基本的には需給上問題がございます野菜を除きましてすべての作物を対象としているところでございます。その数字につきましては、従来の助成水準も念頭に置きながら、全国におきます取り組みやすさを勘案して設定したところでございます。
 ところで、北海道でございますけれども、十二年の水田農業経営確立対策におきます最高額でございます七万三千円の助成対象になります麦、大豆、飼料作物でございますけれども、御案内のとおり、内地に比べまして取り組む割合は非常に高いわけでございます。今回の追加的措置の内容につきましては、一つは麦、大豆、飼料作物につきまして、従来の七万三千円の最高額に加えまして、追加分につきまして十アール当たり一万円の追加的上乗せを実施をしているところでございます。また、ソバにつきましても相当程度北海道で取り組みが見込まれるわけでございますけれども、今回緊急拡大分につきまして、十アール当たり二万円の助成にしたところでございます。
 いずれにいたしましても、このような追加的助成等々を活用いたしまして、北海道の場合には、麦、大豆、飼料作物を中心として相当程度円滑な実施が見込まれるというふうに考えているところでございます。

中川義雄 局長ね、それが問題なんですよ。なぜかというと、小麦の場合はちょっとさておいて、大豆の場合が一番大きな問題ですが、大豆の場合は国産大豆という一つの銘柄が一定の評価を受けて、輸入大豆に対して高い評価を受ける、特に北海道の大豆は。しかし、水田から安易に大豆に転換することによって、本来これまで苦労してきた畑作専用大豆、この価格が最近下落の傾向が非常に強いわけです。それで畑作大豆農家には大変な打撃になっている。そこへまた、今の説明によると、大豆に一万円上乗せするからという奨励策で二四%強の配分をされると、これはまたまた畑作に対して極端な影響を与えるわけです。
 水田の問題だけでなくて、畑作農家にも大変な大きな影響を与えるこんな決定が安易になされて、これ畑作大豆対策をどうするつもりか、その点についてしっかりした考え方を示していただかないと、このツケをまじめにやっている専業畑作農家に回すような政策を、それでいいんだなんということになると大変なことになりますから、その点、いかがでしょうか。

政府参考人(木下寛之農林水産省農産園芸局長) 今回の配分に当たりましては、九月二十八日に対策を決定して以降、約一カ月にわたりまして全国段階あるいは地方段階の生産者団体の間で緊密な調整が行われた上での最終的な結論だというふうに承知をいたしております。
 畑作大豆の点でございますけれども、十二年産から制度改正いたしまして、一つは定額交付金下に移るということでございまして、このほかに、価格の変動がある場合には大豆作経営安定対策の対象としているところでございます。交付金それから大豆作経営安定対策をもちまして経営の安定を図りたいというふうに考えているところでございます。
 また、畑作大豆の問題につきましては、十三年産畑作大豆の価格決定に当たりましていろいろな議論がございました。畑作大豆の優位性を保つために契約生産を推進していこうという観点から、畑作大豆につきましては、そのような契約生産を行います畑作大豆につきまして、一俵当たり五百円の助成を行うこととしているところでございます。

中川義雄 五百円の対策というのは、こんなに北海道に四分の一以上の傾斜配分を前提にした議論の中で生まれてきたものではない。水田農家も交付金は同じ金額、畑作農家も全く同じ金額をもらう。水田農家はその上に七万数千円の特別の補償がいただける。これじゃたまらぬということで、あの現実の中で五百円という制度を我々苦労して苦労してようやくつくり上げたものです。
 それでほっとしていたさきに、また北海道にこういう傾斜配分がされるから、これはまた私はこの議論また別な機会に、もっとこれは北海道に対して、畑作専業農家に対して特段の措置を設けていただかなきゃならない、これは別な機会に要求しますが、これは思い切って対策をしていただかなければならないと思っています。
 そこで、もう一つ北海道にとって大変なのは、政府買い入れ米についてなんです。
 今、先ほどの説明では、政府買い入れ米については生産調整の協力度などを勘案して考えるようなことを言っておりますから、私は、もし北海道に対して四分の一強の傾斜配分を農家に本当に行き渡らすためには、政府として北海道分の政府買い入れ米に対する基本的な考え方をきちっと示していただかないと、我々は現地の米作農家に対して何の釈明もできない。
 ここで、十三年産米の政府買い入れ米についての北海道の取り扱いをどうするか、こんなことで帳消しにするというのもおかしな話ですけれども、今考えられるのはそのぐらいの問題しかないので、思い切った長官の考え方を示していただきたいと思います。

政府参考人(高木賢食糧庁長官) まず、生産調整に見合う分につきまして、そのメリット措置として政府の買い入れ措置を講ずるということで、十二年産につきまして合計二十五万トン、これは生産調整が未達成の場合は売り戻しをすることを条件ということでございます。
 ただいま議論になりました、生産調整の面積配分に見合う分といたしまして六万二千二百トンの買い入れをするということでございます。これは十二年産でございます、ことしの。

中川義雄 十三年産は。

政府参考人(高木賢食糧庁長官) 十三年産はこれからのことでございますので、そのときの情勢でどうなるか、こういう問題がまず基本的にございます。
 全体計画といたしましては、四十五万トン十三米穀年度は売る、それから二十万トンの買い入れを行うと、こういうことでございます。
 これまでの都道府県配分につきましては、政府買い入れ実績、これを八割という割合で勘案しております。それから、その都道府県産の政府米の販売実績、これを一五%程度勘案いたしております。それから、生産調整面積を、これを五%程度勘案するということでこれまでやってまいりました。
 十三年産における情勢がどうなるかということにつきましては今確たることは申し上げられません。が、生産者団体の意向も踏まえて、今のような原則も踏まえて、来年の今ごろをめどに政府買い入れについての方針を決定したいと思っております。

中川義雄 それでは、米の問題はこのぐらいにしまして、時間がなくなりますから他に移りますが、今、農民は全国的に不安を持っているのはやっぱり国際問題であります。国際環境がますます厳しくなる。そういう中で、WTO交渉などで我が国がどんなような対応をするのか、大きな期待と不安を持って農民は眺めていると思うわけです。
 ところが、我々が調べた結果、米国やケアンズ諸国は全くけしからぬと思うんです。これらの国は農産物の貿易の自由化を主張し、保護政策をだめだと言って我が国などに大変な攻撃を加えてきております。しかし、例えばアメリカの例をとってみますと、一九九六年から二〇〇二年までの七年間に、アメリカの九九%の農家に実に三百五十六億ドルの直接支払い。これは日本円に直すと四兆円であります。その結果、そういうことが決定されると農家は安心して作物をつくるものですから、だぶついて価格が下落した。そこで緊急対策として九九年、二〇〇〇年、九七年と三回にわたって緊急農家救済策として約二兆三千億。合わせると五百七十四億ドル、六兆三千億という途方もない農家支援対策をやっている、事実として。
 私は、これは、WTOの趣旨に全く反するものだと考えますが、いかがなものでしょうか。農林省の見解を示していただきたいと思います。

政府参考人(石原葵農林水産省経済局長) ただいまアメリカが行っております農家支援策につきましてお尋ねがございました。
 この内訳は、ただいま先生の方から御指摘がございましたように二つに分かれるわけでございますけれども、そのうちの農家直接固定支払いの分、この分につきましては、この現行のWTO協定についてのいろいろ批判はあろうかと思いますけれども、これをそれまでの不足払いにかえまして、生産に直接リンクしない支払いとして実施されたということで、WTO協定上、緑の要件に合致しているものと考えておるところでございます。
 しかしながら、ただいまさらにお話しありました後半の部分、すなわち緊急農家救済策として支出しております二百十八億ドル分、この分につきましては農家の救済ということでやったということは承知しておりますが、農家生産を増大させるという方向に働くことは否定できないところでございまして、それからまた現在までのところ、その二百十八億ドルのうち一部だけが緑として通報しているだけで、大部分についてはいわゆる未通報でございます。
 我々は、この未通報の部分、すなわち大部分の直接支払いについては、WTO上の規定に照らしましてこれに整合しているのかどうか、この点につきましては関係国とともに注視して見守っているところでございます。

中川義雄 結果として、こういう対策をしてからアメリカの小麦、トウモロコシ、大豆といった主要な穀物は価格が半減しているんです。それだけ輸出競争力が上昇したと言ってもいいわけです。
 それに対して、我が国の農家の支援対策というのは全く目に見えないほど少額であるというふうに考えますが、これについて三浦政務次官の率直な見解をお伺いして、時間が来ましたから、まだたくさん聞きたいことがあったんですけれども、ここでやめさせていただきます。

政務次官(三浦一水農林水産政務次官) 基本的には、今回、ことしつくらせていただきました食料・農業・農村基本計画、この計画にのっとりまして、いわゆる農業従事者が他産業従事者と遜色のない所得水準を生涯ベースで獲得できるように各般の施策を効率よく実施をしていくという一点に尽きるかと考えております。