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第149回国会
2000年9月18日
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中川義雄
自由民主党の中川義雄であります。
私は、北海道出身ということで、有珠山関係では本委員会の皆さん方にも、そしてまた政府関係者にも大変温かい御理解と心強い事業の展開をさせていただいたことに対して、まず心から厚く感謝を申し上げる次第であります。
最初に大臣にお伺いしたいわけですけれども、ことしは全くこの国にとって珍しいと思われる火山と地震と水害、風害、全部大変な勢いで押し寄せてまいりました。今いろんな財政等困難な事情がたくさんある中でそれに対処していかなければなりません。私は、保守党の党首として有珠山を視察していただいて以来、大臣のいろんな発言を聞いておって大変心強く思っておりますが、なお決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣(扇千景国務大臣(国土庁長官))
こうして閉会中にもかかわりませず参議院の災害特を委員長の御下命でお開きいただいて、皆さんでこういう御審議をしていただくこと自体が本当に異常だと思えるくらいの災害が連発しております。そして、こうして皆さん方が真摯なお姿で審議していただくことに対しても、まず担当として心から御礼を申し上げたいと思いますし、その重要性、また今、中川委員からお話しございましたように、本年は有珠山を初め三宅島、神津島、新島等々、あらゆる災害が発生いたしております。また、ついこの間の名古屋のあの集中豪雨、五万戸以上が浸水するという異常事態等々を考えますときに、私どもは一体平時に何をすべきであるか、またこの教訓を生かしてどうあるべきかということを私はつくづくと考えさせられている今現状でございます。
先ほどからも参考人から御報告がございましたけれども、中川委員のお地元の有珠山には、私は既に四月九日には保守党の党首としてもお邪魔いたしました。また、四月十五日には総理とともに与党三党党首として有珠山に二度目の視察に伺いまして、皆さん方の現状、あるいは陳情、御希望等々を聞いてまいりました。また、七月十九日には御存じのとおり三宅島、神津島、新島、そして九月十三日には御存じのとおり愛知県の集中豪雨に即翌日に行って見てまいりました。また、九月十四日には改めて三宅島、神津島、新島、これも総理と一緒に与党三党で二度目に私は伺いました。また、きのう九月十七日午前中は、阪神・淡路大震災の今日の復旧・復興状況をきのうの朝、神戸を見てまいりました。
そのようにあらゆる災害が集中しておりまして、それぞれ地元の声を聞きますとともに、今後の被災者の多くの皆さん方の御苦労にどう政府としても対応できるか、最大限の処置を、また支援できる限りをしていきたい、そのように思っておりますけれども、少なくともライフライン等々、被災に遭われたすべての皆さん方が一日も早くもとの生活に戻れるように、政府としての対応、そして今の教訓を生かして今後平時にどのようにあるべきか、治にあって乱を忘れずというのを私どもの心の中に秘めて皆さんと御一緒に今後の対応策を考えていきたい、そのように考えております。
中川義雄 大いに期待しておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思います。
次に、三宅島の問題でございますが、有珠山の経験によりましても、被害を受けた被災者が自分の家を離れて避難して生活する、それは大変であるということも私自身も何回も目の当たりにしまして、いろんな話を聞いて、早く家に帰りたい、そういう気持ちが一番先に伝わってくるわけであります。
特に三宅島の場合は、島を離れて、ずっとふるさとから離れたところに住んでいる。そんなことを考えますと、有珠山の場合でさえあれだけの、特に子供たちやお年寄りのその御苦労といったら大変なものでありましたから、三宅島の問題はなお一層大変なことだと思いますが、これについてどのような状態になっているのか。そして、そのためにも復旧作業を早めてふるさとに帰してやりたい、そう思いますが、その点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣(扇千景国務大臣(国土庁長官)) 先日、現地を視察しました以外に、三宅島に全島避難命令が出まして、代々木の青少年オリンピックセンターに全員一時避難をなさいまして、その現場に行きまして、皆さん方の状況を、また御意見等々を私つぶさに伺ってまいりました。
一番びっくりしましたことは、子供さんたちが皆さん秋川高校で寮生活をしながら離れていますけれども、東京都の御協力によって都営住宅に入っておりますけれども、なるべくその都営住宅の近くの職業を何とか探したいという御希望があったんです。
皆さん方の御要望の中で、私も想像しなかったんですけれども、満員電車に乗る通勤はしたことがないので、こればかりは、都営住宅から、職が欲しいけれども、満員電車に乗ったことがないから、何とかその近くで、満員電車の通勤になれないので、満員電車に乗らないところの職業を探すことができないだろうかというお話を聞いて、私も、恥ずかしかったんですけれども、初めて、ああそうだ、島の人たちはそういう満員電車を知らないんだという、改めて東京に避難した皆さんの御苦労というものを、想像できない御苦労があるんだということを実感いたしました。
そういう意味では、多くの皆さんが長期にわたって、これからが精神的に一番苦しい時期に入られると思いますので、本来であれば安全宣言ができて一日も早く三宅島にお帰りになれることが最良であろうとは思いますけれども、お帰りになったらなったで今までの灰じんを受けた家をどう手当てをしていくか。そういう意味では、職業をなくした方もいらっしゃいますので、本当にことしは災害の続いた年でございますので、大変心を痛め、また一人でも多くの皆さん方の気持ちを私たちが理解し、そしてハード、ソフト両面において私たちは最大限の努力をしていきたいと切実に皆さん方の御意見を聞いて思ったところでございますので、努力していきたいと思っています。
中川義雄 大臣の重なる決意を聞きまして、本当に心強く思っておりますが、私もそう思うんです。私も田舎育ちですから、急に都会に出てきて、子供のころからなれているのなら別ですが、いい年をとって急にあのラッシュなどというものには耐えることができなくなるのではなかろうかと。ですから、一番大事なのは、早く何とかして災害を復旧して島に帰っていただくことが何よりも大切なことだと思うんです。
そこで、防災局長にお伺いしますが、その点についての見通し等がありましたらここで説明していただきたいと思います。
政府参考人(吉井一弥国土庁防災局長) お答え申し上げます。
三宅島につきましては、噴火活動の今後についてなかなか想定ができないところでございますが、ただいま先生からもお話がありましたように、避難住民の方々にとりましては一日も早い帰島が強い希望でございます。現在、全島避難指示によりまして防災関係者以外は島外に避難してございますが、住民が帰島した際すぐに生活が再建できますよう、防災関係者が三宅島におきまして道路の復旧や電気等のライフラインの維持管理を行っているところでございまして、今後とも都と連携して島の最低限必要な機能をいつでも島民の方々がお戻りになれるように整備していきたいと思っております。
また、島外避難者がいつ帰宅していただくことができるか、またその時期はいつかというふうなことを適切に判断するため、予備費のうちから十四億円を今月十二日に閣議決定いたしまして、火山活動等の動向をより一層迅速かつ的確に把握するため観測・監視体制を緊急に強化することといたしておりまして、必要な観測調査について速やかに実施するとともに、今後施設整備をしなければならないものにつきましても、九月下旬までにはおおむね整備を完了することといたしておるところでございます。
中川義雄 次に、有珠山の関係で若干厚生省の考え方をお聞きしたいと思うんですが、大臣も行って見たと思いますが、あそこには唯一と思われる病院があるんです。それは通称協会病院、協会病院と称しておりますが、これは北海道社会事業協会という社会福祉法人が設立している病院であります。
この病院の始まりというのは非常に古くて、大正十年になるんです。大正十年に北海道の開拓があのとおり緒につきましたが、どうしても地域での福祉、特に医療といったものが大変まだまだひどい状況にあった。そういうことで、当時内務省それから北海道庁といったところが協力し合って、これを社会事業としてやろうということで財団法人をつくったわけであります。そして、翌大正十一年の年に昭和天皇、当時皇太子でありましたが、御来道されたときにこの事業に大変共鳴をいただいて、当時としては大変破格の金員をいただいております。ですから、この事業団の理事長というのは歴代北海道長官がずっとやられ、今日までもなるべくなら知事が理事長に当たるというような非常に公益性、公的な病院であります。
その病院が今大変な状況にあって現状復旧できない、復旧したとしてもまた火山が起きたらどうなるか。今、基本的には唯一の、ただ一つの医療機関ですから、どんな火山が来ても安全な地域に移転して再構築しなければならないというのが地域の切実な声なんです。そうすると大変なお金がかかるわけであります。
幸い、私の聞くところによりますと、阪神・淡路のとき厚生省は、公的な病院、特に地方公共団体が経営している病院については、ふだんは三分の一の補助、災害で二分の一の補助というのを三分の二の補助という特別の形で、非常に地域の住民は喜んだと聞いております。できれば、私は政府・与党そして厚生省挙げてこの問題も考えていただいて、三分の二の助成の対象にしていただけないものだろうか。その点の厚生省のまず基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
政府参考人(伊藤雅治厚生省健康政策局長) 中川委員の御質問に御説明をさせていただきたいと思います。
まず、補助率が三分の二にならないかという点でございます。
御案内のように、阪神・淡路大震災につきましては、これは特別の財政援助及び助成に関する法律というのが当時つくられまして、その法律に基づく特定被災地方公共団体の開設する病院の場合、特例的に三分の二というふうになった経緯があるわけでございます。
そこで、きょうお尋ねの北海道社会事業協会洞爺病院のケースでございますが、現行の私どもの医療施設等災害復旧費補助金制度によりますと、公的病院、協会も含めて公的病院と呼んでおりますが、二分の一という制度になっております。この問題につきましては、先般、地元の方から厚生省に陳情がございまして、私も十分現地の事情を聞いておりますが、現在の制度によりますと二分の一ということでございます。
そして、もう一つ地元の方が大変心配されておりましたのは、現在地での復旧が不可能になった場合にこの制度の適用がどうなるかということでございまして、この場合、私どもといたしましては、特例的に現在地から他の安全な場所に移転して復旧する場合におきましても当然災害復旧事業としてみなすということで対応していきたいと考えているわけでございます。
いずれにいたしましても、現在、協会自身のお考え方もまだいろいろ流動的な面もあるようでございますので、十分地元の関係者の御意見を伺いながら厚生省として最善の努力をしていきたいと考えているところでございます。
中川義雄 事務的な話はその程度だと思うんですが、この協会病院というのは道内の、調べていただいたらわかると思いますが、地方の拠点都市だとか札幌市というような大都市でなくて、本当に地方で、そういう意味で医療過疎といったような地域につくっている病院ですから、当然のこととして経営はそんな楽なものではないんです。私もよく知っていますが、大変な赤字で苦しんでいる病院であります。
その病院がこの地域での唯一の医療機関としてあるわけですから、それが今回どうしても移転して安全なところにつくらなかったらこれは大変なことになるということでそういう計画を進めているわけですから、そういう事務的な話じゃなくて、これは大臣に要望しておきますが、要するに災害関係大臣として、また政府・与党の最高責任者としてこれはもっと政治的に判断していただいて、何とか委員長も含めてこの問題について積極的に対応していただきたい。これは要望にしておきますが、これはぜひ実行されるものだと、そういうふうに期待して、次の質問に移らせていただきたいと思います。
今回の有珠山、また三宅島でも同じだと思いますが、まずライフラインがもうめためたになったと言ってもいいんです。下水道も水道も、それからいろんな通信機関、それから電線といったものが大変なことになりました。
その中で、特に水道というようなものは、水はまさに命の根源に当たりますから、やはりこういった有珠山周辺のような十年か二十年に一回このような大災害が起きるところは、このライフラインを単線じゃなくて複線化しておく必要があるのではなかろうか。一方がだめになっても一方が有効にきくというようなそういう安全処置を私はとっておくべきではなかろうか。これは何も有珠山周辺ばかりじゃなくて、このような災害の多発地域においてはライフラインについては複線化構想があってもいいのではないかと思いますが、これは厚生省の、まず事務当局のそれに対する考え方をお聞かせいただきたいと思います。
政府参考人(岡澤和好厚生省生活衛生局水道環境部長) 有珠山の噴火によりましては、虻田町の水道が大きな被害を受けたことは御指摘のとおりでございまして、特に浄水場が壊滅的に被害を受けました関係で、現在仮設プラントによる応急給水を行っているというふうな状況でございます。
しかし、御指摘のように、水道はライフラインとして非常に重要なものでございまして、災害時にあっても断水等の影響ができるだけ少なくなるように考慮されるべきだということで、先生が御指摘のような施設の分散化という考え方はまさにそういう方向の一つの考え方だというふうに考えております。
現在、虻田町におきましては、水道の恒久復旧に向けまして地域の実情に応じて災害に強い水道として整備するように計画の検討がなされておるところでございますので、先生が御指摘の点も踏まえまして必要な支援を講じてまいりたいというふうに考えております。
中川義雄 この点につきましても、高い見地からの御配慮を私は特にお願いしておきたいと思っております。
さらに、道路の問題でありますが、国道二百三十号線、これが現在もまだ不通になっております。もっとも、私も見てきまして、なかなか簡単に復旧できるようなそんな状態でないことは事実であります。ですから、私は、この災害復旧も大事だが、この国道にかわる新しいルートというものを、今建設省では北海道開発庁も含めて非常に熱心に対応しようとしているようでありますが、この見通しはいかがになっているものでしょうか。
政府参考人(大石久和建設省道路局長) 二百三十号についてお尋ねでございます。
一般国道二百三十号、今、委員から御指摘ございましたように、道路上に噴火口が出現するという事態となりましたために、現在は迂回路となっておりました道路を国道区間に編入し直轄管理としております。したがって、現在は二百三十号不通区間と旧道道の二本があるわけでございます。編入した直轄区間におきましては、冬期の交通安全の確保や大型自動車の通行の増加に対応するため、舗装の強化工事等を実施いたしております。
今後、引き続き改良を行っていきたいと考えてございますが、本来の一般国道二百三十号の虻田町の中心部と洞爺湖温泉街とを結ぶ区間につきましては損傷が著しく、現在の位置での復旧は困難と考えております。虻田町中心部と洞爺湖温泉街の間の交通を大きな迂回を強いることなく直結できる新しいルートの整備は重要性が高いものと考えております。
したがいまして、現在既にルートの検討に着手しておりまして、現在までに噴火による地形変状のある部分につきまして航空写真撮影を行い、地形図を作成いたしております。今後の火山活動の終息状況や影響範囲を踏まえながら、火山や地質の専門家の御意見もいただき、地域の復興計画を勘案しながらルートの検討を進めてまいりたいと考えております。
中川義雄 さらに、今二百三十号線というのはこの被災地に奥から真っすぐ入ってくる道路であります。もう一方、基幹の道路として国道三十七号線、これは太平洋沿岸に並行して走っている道路、それから高速道路と二つがあるわけですが、三十七号線につきましても非常に長い間これが通れなくて大変大きな問題になったわけですから、三十七号線は三十七号線としておきながら、それを災害があったときに迂回できる、災害地をなるべく通らなくても済むような迂回道路を一本計画しておいてはどうか。
そしてこのことは、今まだ実はあの高速道路は、北海道縦断高速道はまだ不通になっておりますから、これももしそれを迂回する道路などがありますと、一時は高速道路は通れなくても高速道路を有効に利用するということもできますから、この迂回道路についての建設省の基本的な考え方がありましたらお知らせいただきたいと思います。
政府参考人(山本正堯建設省都市局長) お答えをさせていただきます。
先生今御指摘の、虻田町と伊達市、室蘭市を結ぶ道路として国道三十七号は大変重要な役割を果たしておるところでございますけれども、この道路の一部の代替道路としての機能を果たすことを期待されている道路といたしまして、虻田町市街地から伊達市に通じる道路としての都市計画道路、山下長和通と、それに続く長和農社通というのが都市計画決定されておるところでございます。このうち、山下長和通の伊達市内の長和駅周辺の一部区間については既にもう今年度完了する予定でございますが、当面整備の急がれております山下長和通及び長和農社通につきましては、橋の新設も含めまして北海道庁で現在整備着手を鋭意検討中であるというふうに聞いておるところでございます。
先生御指摘のように、国道三十七号の代替道路として、代替機能として大変重要な道路でございますので、私ども建設省といたしましても整備に当たって積極的に支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
中川義雄 有珠山火山では経済的な打撃というものもまた大変なものでありました。特にこれは観光、もう北海道最大の観光地ですから、その観光の受けた打撃というのはひどいものでありますが、一方また、あの地域は非常に漁業の盛んな地域でありまして、漁業も一時立入禁止というようなことがあって大変な被害を受けたわけであります。
そこで、今回いろんな気象庁や建設省が検討した中でハザードマップなどがつくられて、水産庁長官、大磯地区というのが比較的安全な地域というふうにみなされております。ですから、漁港をこの際大磯地区に移転して新しくつくってはどうかという声が起きております。そういう漁民の声も非常に強くなってきておりますが、水産庁長官、その点についての考え方がありましたらお示しいただきたいと思います。
政府参考人(中須勇雄水産庁長官) 先生御指摘のとおり、今回の有珠山の火山噴火で、ちょうどその時期がホタテの耳づり作業の最盛期だったということがございまして、周辺の漁業は大変大きな影響を受けました。特に、虻田漁港につきましては立入禁止とか期間の規制、そういうことがございまして大変大きな影響を受けた、こういう実態がございます。
実はこの虻田漁港自体も、現在ホタテ漁業等に従事する漁業者の利用が大変多くて漁港として手狭であるということから、虻田漁港自体の拡張というか、そういうことが検討されてきた、こういう経緯もございます。ただ、こういった事態が生じましたので、確かにこの虻田漁港はハザードマップでも危険な地域にあるということでございますので、その辺地元からの御要請を含めまして北海道庁その他と十分検討いたしまして、適切な方向での結論が得られるように努力をしていきたいというふうに思っております。
中川義雄 それから、火山灰が降ってきて海面を一部確かにかなり汚染させたこともありますが、それはそれほどでもありませんでした。大きいのは、海面に泥流として入ってきたものが海面を大変汚してそれが漁業に大きな影響を与えた、そういうことでありますから、この虻田漁港も含めてこういう危険地域の漁協には、それを漁港内に流入しないような、堤、堰と申しますか、そういったものをこの災害対策事業の中で水産庁としては考える余地があるのかないのか。これも強い要望がありますので、長官の意向をお聞きしたいと思っております。
政府参考人(中須勇雄水産庁長官) 噴火に伴う泥流対策ということにつきましては、基本的には、今御指摘にあったことを含めまして、土どめ工を実施するとか、あるいは治山ダムあるいは遊砂地等を設ける、こういう手段があるわけでございますが、現在、噴火による降灰がまだ危険地域に大幅に堆積をしているという状況でございまして、治山事業等を含めていまだ十分対策を講じられている状況ではございません。今後の対策について、建設省等を含めまして関係機関で連携しながら検討が今後進められなければならないものと、こういうふうに承知しております。
それと同時に、私どもの方としては、万が一火山灰等が漁場に流入した場合にどういうふうに対処するか、こういう問題もあろうかと思います。今回、幸い有珠山周辺海域においてはまだそういうような大きな問題は生じておりませんが、万が一そういうものが生じた場合、漁場復旧対策としていわゆる沿整事業の沿岸漁場保全事業等を活用する、こういうことを含めまして、その辺、北海道庁等も含めまして十分、万が一起きた場合にはそういった事業の活用というようなことも考えていかなければならない、そう思っております。
中川義雄 次に観光問題についてお聞かせいただきますが、実はこの地域は北海道でも最もすぐれた観光地域になって、これが観光産業として地域はもとより北海道全体の経済に貢献しているわけです。しかし、その観光資源はすべて火山に起因するものであります。洞爺湖もカルデラ湖ですから火山が原因であります。昭和新山も有珠山もすべて火山がもたらした景観が観光資源になっているわけです。
今度新たに新しい噴火口がたくさんできました。その噴火口の中でも西山火口群というのはまだ国立公園に指定されていない地域で発生したものであります。ですから、これも、もう噴火、この嫌な気持ちでみんなが何となく暗い気持ちになって、将来こういったところを逆に使って観光地域として使うという意味から、この西山の火口群をなるべく早く国立公園の中に指定していただいて、これを自然環境として保全しながら将来観光資源にしていただきたいという気持ちがあるんですが、それについて自然保護局長の見解を伺います。
政府参考人(松本省藏環境庁自然保護局長) ただいま御指摘ございましたように、西山の火口付近、これは現在のところは国立公園の区域外でございます。ただ、新たな自然景観と申しますか、火口景観がつくり出されたということでございますので、国立公園として保護し、あるいは利用を図っていくということも大変意味のある考え方ではないかというふうに考えております。
環境庁といたしましては、有珠山噴火活動の鎮静化を受けまして、今後、国立公園内の被害状況の把握あるいは復興対策の検討のために調査を実施したいと考えております。この中で、今お話しのありましたような地域の地形とか地質、あるいは植生などの自然環境調査もあわせて行っていきたいと考えております。
そういうことで、御指摘の西山火口群を国立公園に編入するかどうかにつきましては、今申しましたような調査結果を踏まえ、そして地元からの要望があれば、北海道あるいは自然環境保全審議会などの意見を聞きながら検討していきたいと考えております。
中川義雄 これは人工的に復旧してしまってからやりますと観光資源としての魅力が全くなくなりますので、今から前向きに検討していただきたい、これも強く要望しておきます。
もう一つ、何といってもこの洞爺湖国立公園というのは北海道の観光の最も中心的な、基幹的な地域でありまして、これがことしは大変な低迷で、北海道全体の観光産業に大きな影響を与え、北海道経済全体にも何となく暗さを漂わせております。道民すべて、何とかして一人でも多くの観光客が北海道のすばらしい自然環境を求めて来てもらいたいものだという願いがありますが、運輸省の観光部長にその点について国としての何かの対策があったらお聞かせいただきたいと思います。
政府参考人(鷲頭誠運輸省運輸政策局観光部長) お答えいたします。
先生御指摘のとおり、観光は北海道の大変重要な基幹産業でございまして、有珠山の噴火によりまして、周辺支庁はもとより、噴火の影響がない広い地域に風評被害が生じたということでございまして、私ども、関係機関との連携をいたしまして、五月から北海道観光の振興を図るための「ガンバル、フンバル、北海道。」というキャンペーンを推進してきております。
それから、九月以降、北海道庁が実施いたします集中キャンペーン、これは総額五億円で実施するわけでございますが、私どもも空港整備特別会計から二億円の支援をさせていただきまして、集中的に洞爺湖温泉を含む北海道の観光需要の喚起に努めてまいりたい、こう思っております。
具体的には、九月三十日から有珠及び札幌を主会場としまして感動市場二〇〇〇というものを開催いたしまして、観光キャンペーンとかいろいろなイベントとか、そういうものをプロモーションいたしまして集客を図るということを考えております。
中川義雄 時間がなくなりましたので最後に大臣の考え方をお聞きしたいと思いますが、今回、東海地方の豪雨災害、予想以上の災害、その要因はみんなが指摘するように、観測史上かつてなかったような集中豪雨がそこにあったからあんな被害が出た、結果としてそうなった、こう言われております。しかし、この日本列島というのは、春雨、秋雨、台風、まれに見る大雨や、そしてまた大変な風、そして荒波、そういうものの被害が繰り返されてきているわけであります。
東海地方のこの災害、百年に一遍ぐらいの災害だとこう言うわけですが、私どもの十勝で五十六年の年に百年に一遍の大水害が出たときに、建設省も検討していただいて、五百年に一度ぐらいの大雨でも、それに耐えるようなそういう根本的な復旧工事をしていただきたいという要望を我々も出して、そして強く要請して、そのような形の中で事業を完了しました。それ以来というものはほとんど災害というものが起きておりません、確かに。
私自身も、実はアメリカの農業地帯、農家に泊まりながら、なぜあんなに安い農産物ができて、北海道の、日本では最も大規模な経営をしている、それより八分の一ぐらいの価格でどうやって農産物ができるのかということで、一週間ぐらい農家に泊まり込んで見学したことがあります。そのときびっくりしたのは、行ってみたら、人口密度では北海道の十分の一ぐらいのところであります。今からもう十五年ぐらい前ですが、どの細い農道もすべて舗装されておりました。真っ平らであります。かんがい事業が全部終わっておりました。どんなに日照りが続いても水はミシシッピ川から引けるような施設ができ上がっておりました。真っ平らな地域で、見たら山があった。北海道ですと、何ぼ幾ら広いといってもすぐ山が見える。あの地域に行きますと、山は全く見えません。地平線だけであります。山があったからびっくりして、おお、山があったな、あれはと聞いたら、あれは堤防だと言うんです、ミシシッピ川の堤防だと。約三十五メートルぐらいの高さの堤防であります。しかも、上がってみたら、あの広いミシシッピ川が一キロ先ぐらいを流れているんです。そういう大工事がもう今から七、八十年前に完成していると言うんです。
今この国では公共事業の三割カットだとか公共事業の不要論などという話が出ている中で、この災害列島日本の恒久的な災害対策というものはもっともっと基本的に考える必要があるんじゃないか。これぐらいの雨と言ったら悪いが、先日の五百ミリぐらいの雨というのは、あの地域では新記録かもしれぬが、日本列島ではあらゆる地域でいろんな形で起きております。ですから、五百年、千年に一度の大災害にも耐えるようなそういう備えというのが私は必要だと思うんです。
そういった意味では、扇大臣は非常に積極的な発言をされております。期待しておりますので、その点についての、もう災害は起こさないんだ、起きたらこれは人的災害だ、自然災害じゃなくて人的災害だと思うようなそういう決意でやっていただきたいと思いますが、扇大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣(扇千景国務大臣(国土庁長官)) 公共事業というのは真に国民が安全と安心の生活が送れるための公共事業でなければならないというのは、今、中川先生おっしゃるとおりでございまして、想定し得るものを最大限に想定して対処するというのが平時の行政としての怠ってはならないことであろうと思っています。
ただ、今おっしゃいましたように、百年に一度、二百年に一度ということではございますけれども、先日も私、名古屋へすぐ参りまして拝見しましても、大体五十ミリを想定していわゆる堤防、小中河川等々の処置をしておりますことがまた大きな問題でもございますし、また、平時におきまして、この間の集中豪雨で、西枇杷島町ですか、あそこではとにかく町に避難命令を出したときにも雨の音でみんなに警報が伝わらなかったというような、そういうことも言われました。また、天白におきましても、ポンプ車自体が水浸しになって使えなかったということもございます。
ですから、そういう意味におきましても、何を想定するかということの範囲が、限度はございますけれども、今、先生おっしゃいましたように災害列島と言ってもいいような日本でございますので、いかに研究をし、また国民の皆さんに安心していただける公共事業というものを適切に対処していくということの基本だけは考えておきたいと思っております。努力してまいります。
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