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第147回国会
2000年5月24日
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中川義雄
自由民主党の中川であります。どうぞよろしく。
私は北海道出身ということで特に出席させていただいて、広い北海道の中でこの地域の受けたダメージはもう大変なものでございまして、これは物的な損失ばかりじゃなくて、精神的に与えている影響というものを考えますと、本当に一日も早い復興に着手していただきたいものだ、こう思っているわけです。
ただ、北海道の場合は根深いものでありまして、世紀末というような言葉は使いたくありませんが、拓銀の破綻に始まって経済が大混乱をする中で、そして二十世紀の最後の年にこの大噴火、しかもそれに加えて農業の中心であった十勝のど真ん中で口蹄疫が発生する。悪い話ばかり次から次と出てきまして、北海道としては何か立ち上がるきっかけ、明るい材料をいろんな形で求めているわけであります。
しかし、幸い有珠の噴火につきましては、政府挙げていろいろ配慮していただいていることには本当に多くの道民が感謝を申し上げておりますので、この際、総理大臣初め各閣僚、そして政府高官に次から次と見に来ていただいて、それに対応するいろんな施策をやっていることに対しては心から厚く感謝申し上げたい、こう思っております。
まず、これは大臣に決断していただきたい話なんですが、もうこの噴火という精神的にいらいらいらいらするものの中で一番大きな問題は、激甚災害の指定がなかなかできない、もうみんないらついているわけであります。これは、大臣御承知のように、なかなか入って調査できないものですから、被害額を確定できないとなかなか今の仕組みでは指定できないということになっている。それはわかるのですけれども、この激甚災害の指定を受けると、確かに公共事業その他の復旧事業に有利さがある、特に地方自治体などの負担が軽減するというよさがあるんです。しかし、本格的な復旧事業に入っていませんから、それはある程度じっくり見てもらう必要があるんですが。
問題は、この地域は北海道でも最も観光の中心的な地域で、旅館だとか観光にかかわるいろんな産業があるわけですが、これが全面的に停止しているわけであります。激甚指定が急がれるのは、これらの人たちに対する融資だとかその他特別に見るためにも激甚指定をしていただくと早くから手がつけられるんですが、なかなかそれができない。そんなこともありますので、中山大臣、道民はみんな期待しておりますので、大臣の思い切った英断みたいなもので、災害復旧事業に取りかかってからの激甚指定もわかりますが、その前に、産業その他で困っている人たちに対する融資条件その他を考えたときに、激甚指定にかわるような何らかの措置みたいなものを思い切ってしていただけないものだろうか。
まずこの点について、大臣の決意みたいなものをお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣(中山正暉国務大臣(国土庁長官))
北海道をお地元となさる中川先生は、道会議員もなさっておられて、地元のことに大変精通していらっしゃいます。
この激甚の問題というのは、三月三十一日の一時十分、ちょうど都市計画法と建築基準法の改正案が本会議に上程された十分後に噴火いたしまして、私は衆議院の本会議で私からただいま噴火いたしましたということで現地へ参りまして以来、ずっと噴煙がたなびく大変不安定な状況が続いております。今のところ噴火口もあっちこっちありましたものも縮小しておりますものもありますし、映像で見ましても、私の大臣室にも三カ所からテレビで現状を映しておりますが、まだしかし大変多くの人たちが避難を続けているというような状態です。学者の先生方の御意見、先ほど気象庁からの御報告もありましたが、まだ虻田町が一番たくさんの人たちが避難をしていらっしゃるということで、激甚災害というのは先般有志の先生方で見直しを国会でしていただく措置をとっていただきまして、私どもも大変ありがたく思っておるのでございます。
神戸の阪神・淡路大震災、平成七年一月十七日に震災が起こりました。これはその直後に入って、復興のための激甚指定というものがなされる調査ができましたのでございますが、阪神・淡路大震災も五兆二百億というお金、国費が入っております。
今御指摘のありました激甚災害指定につきましては、被害額と被害を受けた自治体の財政状況、それから被災地の農業所得の状況等を比較しつつ客観的な基準に基づいて行うこととなるために、関係省庁におきましても指定の前提となる被害額、すなわち復旧事業費等の査定作業を行うことが今のところ不可欠ということでございますので、査定作業につきましては現地への立入調査が可能な区域において開始されておりますけれども、立ち入りが不可能な区域、特に一番ひどい虻田町のあたりでございますが、指定の可否はまだ判断できる状況にはございません。
しかしながら、虻田町については、現在、立ち入りが禁止されている地域の被害の状況を空撮、空から見る限りでは町管理の施設に極めて甚大な被害が生じている模様でございますので、いささか正確さを欠くことを承知で申し上げれば、指定基準を超える被害であることがほぼ確実ではないか、こういうふうに見ております。
いずれにいたしましても、激甚災害の指定手続は復旧事業費の査定を経た上で行うこととなりますので、できる限り早く立ち入りができるような状況になることを考えながら、私どもも積極的にひとつ御指摘のありました問題に対して行動を開始すべきではないかというふうに思っております。
中川義雄 大臣がテレビ等で見て激甚災害相当の被害があるのではないかと、これはかなり思い切った発言だと思っております。それはそれなりの大臣の決意も秘めたものだというふうに評価させていただきます。しかし、具体的に何かをしないとこれはなかなか大変な問題が残ると思います。特に、御承知のようにこの指定基準が大幅に改正され、緩和されたわけですから、我々素人目で見ても、これは緩和しておいてよかったな、間違いなく指定は受けられるなと思っておりますが、一日も早くそれを具体的にしていただきたいものだ、これは強く要望しておきたい、こう思っております。
やはりこの地域で大きなダメージを受けている、そしてひょっとしたらもう立ち直ることさえできないダメージを受けているのは企業であります。あの地域にある数々の中小企業、ほとんど観光関連の企業でありますから、この企業をこのまま放置しておくとどうにもならない状態になってしまう。そのためにはやはりつなぎ資金みたいなある程度の融資で本当に復興するまで、立ち上がるまでつないでおかないとならないんですが、今の中小企業金融公庫等が実施している災害復旧貸付制度によりますと利息が二・一五%、これは相当前ですと大変安い利息と言ってもいいんですけれども、最近の金融情勢を考えますとそれほど有利な制度だと思えないんです。これだけの被害を受けた人たちが何とか立ち直ろうとしているときに、ゼロ金利という言葉がこの国では大変大きく使われている時代ですから、一つには、思い切ってゼロ金利、限りなく金利がゼロに近い制度を考えるべきではないか。
それからもう一つは、何も収入がないわけですから、思い切って償還期限の延長も十分考えてみる必要があるのではないか。
それから、償還猶予という制度をどうやってとっていくのかということも含めて、中小企業庁長官がおいでになっておりましたら、思い切った施策についてぜひ前向きな答弁をいただきたい、こう思っております。
政府参考人(岩田満泰中小企業庁長官) お答え申し上げます。
最初の災害復旧貸し付けの金利の問題でございますが、実質的に無利子になるようにというような御指摘でございます。
先生御案内のとおりかと存じますが、過去の災害、雲仙・普賢岳の噴火災害あるいは阪神・淡路の大震災のときには、国の金利の引き下げとあわせまして、地方自治体に地方財政措置を講じた上で、特に被害の著しい中小企業者の政府系金融機関からの借入金に対しまして利子補給をいたしまして、借り手にとりまして結果的に無利子になるというような例がございます。
今回、今御指摘のような点の検討につきましては、まず地元自治体の御意向というものが極めて重要でございます。私ども、ただいま地元自治体においても真剣な検討が進められているというふうに伺っておりますけれども、こうした御意向も踏まえまして、過去の災害におきます対策との整合性というようなものも考えながら、関係省庁も幾つかございますのでよく御相談をして、積極的な対応をさせていただきたい、このように考えております。
それから、既往債務についての対応でございますが、既に私ども、災害発生直後から政府系の中小企業金融機関及び信用保証協会に対しましてもろもろの親身な対応あるいは審査の迅速化というようなことを要請すると同時に、既往債務の返済猶予というものを行うと同時に、返済猶予が行われたものについてはいわば据置期間、中途据え置きと認識をいたしまして、その据置期間中の元金と同時に利子の支払いを猶予するというような措置を被災者の実態に応じて弾力的に対応するよう指示をいたしておるところでございまして、これまでのところお申し出のありました件について基本的に前向きにそのような対応をさせていただいていると承知いたしておるところでございます。
中川義雄 この温泉街のホテル経営者には二つの種類がありまして、全国的に営業を展開している企業とこの地域のみでしかやっていない企業に分けられるわけです。この地域だけでやっている比較的小さなホテルを経営している方々などには、この際、本当に思い切った融資制度を十分に考えながら、配慮しながらやっていただきたい、これはお願いにさせていただきたいと思っています。
次に、今回の噴火で、テレビなどを見て皆さん方も御承知だと思いますが、物も人も情報の流れも寸断されているという、大変なことであります。しかも、太平洋側にありまして、どちらかというと北海道の開発も太平洋側を重点的に考えて道路だとかその他の交通網が整備されてきております。ですから、そこには高速道路も既にでき上がっている。そんなような状態で、北海道開発庁としてはそういうことにも配慮しながら道路網の全体計画を、単に太平洋側を重視するという形じゃなくて、その迂回路も十分考えたような思い切った道路網の新しい計画といったものをこの際考えていただきたい、これは災害というような観点も含めて。
それから、これまでトンネルの崩落事故だとか何かも北海道では随分起きておりますから、そういったことも考えながら、安全でみんなが安心して暮らせるような道路網、交通ネットワークの整備といったもので北海道開発庁として基本的に今何か考えていることがありましたら、これは米田政務次官は何回も現場に行って一番詳しく知っている政務次官ですから、思い切った発想でもあればここで提案していただきたい。非常に道民は期待していると思っております。
政務次官(米田建三北海道開発政務次官) 全く中川先生のお説のとおりであろうと考えております。
現在、今回の有珠山の事態を契機といたしまして、大臣の諮問機関で北海道活性化懇談会という懇談会が設けられました。
この懇談会におきましては、北海道の中長期的な社会基盤の整備について根底から見直すというようなテーマもあるわけでありまして、その中でも議論を重ね、でき得れば六月末までに新たな展望というものを確立してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
また、中長期的な話とは別に、現状への具体的な対応につきまして何点かあわせてこの機会に御報告をしておきたいと思います。
本日より一般国道三十七号の通行規制が解除されたところでありますが、既に当庁といたしましては、有珠山噴火非常災害現地対策本部と連携を図りながら、道路パトロールの強化を図ると同時に、降灰対応のための重機の配備、八拠点で合計二百七台、これを配備済みであります。
また、通行どめになっております一般国道の二百三十号につきましては、四月二十六日から道道豊浦洞爺線及び道道豊浦京極線の一部を国道に編入し、直轄管理を実施しているところであります。編入した区間については、交通量の増加に対応した道路構造にするため、曲線部の改良、交差点の改良、また舗装の強化、ロードヒーティング等の工事に六月より着手すべく準備を現在進めております。
さらに、被災した一般国道二百三十号の入江跨線橋の仮復旧につきましては現在JRと協議中でありまして、これが成立いたしますれば、五月末を目途に応急組み立て橋梁の架設も行いたいというふうに考えております。
以上、申し上げましたとおり、現在の状況に対する対応と同時に、先生がおっしゃられた中長期の展望の早期確立も極めて重要であるというふうに考えておるところであります。
中川義雄 そこで、もう時間がほとんどなくなってきましたものですから、最後に大臣にちょっと決意だけお聞かせいただきたいんですけれども、高規格幹線道路、北海道もどちらかというと太平洋側を中心にして縦断道というのが今かなり進んでいるわけです。もう長万部まで行っているわけですが、今回はその間がしばらくの間通行不能ということになっているんです。一方では日本海沿いに横断道というのがつくられて、今、小樽まで行っているんですけれども、これが黒松内まで行く道路になるんですが、幸い一部が整備路線に昇格されたんですけれども、こういう災害を契機にして、裏側と言ったら悪いんですが、日本海側を通ずる道路についても思い切った考え方で、幸い新幹線の今のルートというのは日本海沿いに通ずるルートになっておりますから、これは多分でき上がってもこういう災害には強いものになると思うんですけれども、この地域は御承知のようにいつどんな形で噴火するかわからない地域ですから、できるだけ安定的な安全なルートを選んでいただきたい。
これは高規格道路ですから、一回つくるとなかなか簡単につくり直したりなんかできないものでありますから、思い切ってそういうことも配慮していただきたい、そのことをお願いしますが、大臣に一言あれば。
国務大臣(中山正暉国務大臣(国土庁長官)) 一日の日に現地視察に入りまして、私、四時半ごろに小渕総理大臣にお目にかかって御報告を申し上げた、これが閣僚として私が最後にお目にかかった最後の話し合いになってしまったわけです。その御報告の中でも、二百三十号が大変被害を受けているのでかわりの道路を確保したいと思っているという話とか、それから避難を指定するのは国の責任なのか首長の責任なのかというような話が最後の話だったことを私は思い起こすわけでございます。
道央自動車道の早期復旧と高規格幹線道路の早期整備についてのお尋ねでございますが、現在、不通となっております道央自動車道それから豊浦―伊達間の本格的な復旧については、火山活動の終息後に子細な被災状況を調査し、復旧方法を検討した上で実施することを予定いたしております。
北海道横断自動車道の今お話のありました黒松内―小樽間、これは百九キロでございますが、余市町から小樽市間の二十四キロ、こういうものにつきましては平成十一年十二月に整備計画を策定したところでございますけれども、現在の状況でございますので、事業着手へ向けて所要の調査を実施中であることではありますが、黒松内町においては、一般国道五号の自動車専用道路である黒松内道路は五キロを平成九年度に事業化したところでございますけれども、今回の災害発生の状況によりまして社会経済活動、特に物流が二割ぐらいに減っておりますので、大変私どもも気にいたしております。
リダンダンシーと申しますか、代替の道路が日本は完備しておりませんので、そういう意味での北海道横断自動車道の代替機能を考慮して高規格幹線道路の整備をということでございますから、緊急に繰り上げまして完成方努力をいたしたい、特に配慮をいたす所存でございますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
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