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第147回国会
2000年5月18日
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中川義雄
自由民主党の中川義雄であります。
きょうは加工乳の問題を質問するつもりで用意しておりましたが、突如として北海道で、しかも私の生まれたすぐそばで口蹄疫ウイルスが発見されたという大きな事件がございまして、とりあえず先にその問題から質問をさせていただきたいと思っております。
三月二十五日だったと思いますが、宮崎県でこのウイルスが発見されたというニュースで我々も大変びっくりしたわけであります。九十数年来、日本にはもうないと思われたものが日本で発見されたということで、畜産業界そのものが恐れおののいたというような感じでありました。しかし、正直な話を申しますと、宮崎県だったものですから、北海道のような畜産王国とも言われている地域では何となく遠くの話だと、こう思っていたのも事実なんです。しかし、それが北海道、しかも出たところは十勝のど真ん中でございまして、一番酪農畜産の盛んなところであります。御承知のように、出たところの半径十キロ以内に約二万頭の牛が飼われているというような地域でございますから、これはまさに大変な驚きであったわけです。
十一日に発見されて、十三日にこれが疑似感染ではなくて真性感染だという判断をされたその日にちょうど私自身もその地域に行っておりましたが、それは大変な騒ぎでありました。しかも、発見された農家が牛を七百五頭飼育しているというような大変大きな農家であったものですから、例えば処分一つ考えてももう途方もない大きな問題であります。私自身も、これは大変だ、取り扱いを間違うと、御承知のように北海道の場合、四割以上を酪農畜産が生産額を占めていますから、これで大変なことになると北海道全体が大きな問題になるということで、今日まで事態を見てまいりましたわけです。
しかし、たしか今月の初めごろに宮崎の問題は大体解決して、もうこれ以上累は及ばないという安全宣言みたいなものが出されて間もない事態でありましたものが、結果を見ましたら、どうも、あれだけ農林省ばかりじゃなくて国を挙げて感染ルートを探っていたにもかかわらず、感染ルートがはっきりしないままで終結して、そして北海道へ飛んだわけですから、まずこの感染ルートに私は大きな注目をしなければならないということで、私自身もいろいろと勉強をさせていただきました。
まずはっきりしたことは、これは発表されておりますが、今回宮崎で発見されたウイルスと北海道で発見されたウイルスは全く同一のものである。染色体の並び方その他から見て全く同列のものであるということが発表されておりますが、これまでいわゆる口蹄疫ウイルスというのは世界じゅうで何種類ぐらい発見されたのか。そして、今回日本の二つの地区で発見されたウイルスは同一のものであるが、これと同一または類似したウイルスが日本以外でどこでいつ発見された、そういう事実があるのかないのか、まずその点を明らかにしていただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長)
口蹄疫のウイルスについてお答えを申し上げます。
口蹄疫のウイルスは、血清学的に大きく七種類に分けられると言われておりまして、その中で、やや細かくて恐縮ですが、A、O、Cとかいろんな型の名前がついておりますけれども、今回分離をされましたウイルスはO型という分類に仕分けをされるということになっております。
また、世界各地で分離されましたウイルスは、お話ございましたように遺伝子の塩基配列によってさらに細かく分類整理がされておりまして、現在六十種といいますか六十以上のサブタイプといいますか、そういうものがあると言われているところでございます。
今回我が国で分離をされました口蹄疫のウイルスは、これまでアジアの地域で分離をされたウイルスと類似の塩基の配列を持っていると言われておりますけれども、完全には一致をいたしておりませんで、一つのサブタイプといいますかそういうものに分離をされまして、命名もO―JPN二〇〇〇と命名されているということで、お話ございましたが、ほかのものとは違うタイプに扱われているということでございます。
中川義雄 アジアのどこかの地域で全く同一種類のものが発見されたということになると、これはある程度感染ルートを解明するためには、点と点がわかりますから、その点と点との間にどういうキャリアが動いたのか、例えばえさだとか稲わらだとかそういうものが動いたのかということからある程度逆推できるわけですけれども、今のお話では類似のものがある、七種類ぐらいに多く分けたうちのOタイプであって、それはアジアに多いということになるから、これははっきりした地点は出すことはできないが、何となくアジアから入ってきた可能性があるというふうに類推できると思うんです。
そういうことで、今回のは、私自身全く素人ですからいろんな書物を読んでみますと、このウイルスはあるとき若干変化していく、常に変化していくんだということを考えますと、アジアのOタイプのものが日本へ入ってくるまでの間にある程度構造的に変化して日本型の新たな種類になったというふうに類推してよろしいと思うんです。そうすると、アジアと宮崎県、宮崎県と十勝、またはアジアと宮崎県、アジアと十勝との間でキャリアが動いた、そのウイルスを持ったものが移動したというふうに類推しなければなりません。
しかし、これも農林省の発表を聞きますと、これまでいろいろと精査してきたが、宮崎県のものと今回の北海道のものとではウイルスは同じだがキャリアには共通性がないんだと。稲わらだとかえさだとか人の接触だとか、もちろん二千キロも離れていますから、人の接触でそれが感染したなんということになったらその間に日本じゅうにばらまくことになりますからそんなことは考えられません。空気感染も考えられません。そうすると、まず宮崎と十勝を直接結ぶルートというものは考えなくてもいいんですね。ちょっとその点だけ確認させていただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) お話ございましたように、宮崎の口蹄疫とそれから今回北海道で発生しました口蹄疫の間で、私どもが得ております情報といいますか材料といいますかからいたしますと、ウイルスが共通ということが現在つかんでおります情報でございまして、これ以外に両者の関係を示す情報は得られておりません。
当然、原因究明に向けていろいろ情報の収集、分析に取り組んでいかないといけないと思いますが、お話ございましたので、あえてそういう関係に言及するといたしますと、輸入された粗飼料というものが共通をいたしておりますので、これがかかわっている可能性を念頭に置いて対応しないといけないんじゃないかなというふうに考えているところでございます。
中川義雄 今、局長さんがお答えになったことで、私はもう一回ちゃんと確認しなければならないのは、宮崎の当該農家、当該地域でもアジアからの輸入粗飼料などを使っていた。そして、この当該農家もアジアからの輸入粗飼料を使っている。しかし、よく調べてみたら全く違うもので、ルートも違うものだということがわかったわけです。
そうするとますます混乱してきて、そこで予想される恐ろしいことは、まだ国内のどこかの地域にこれが入ってくる可能性があると類推もされるわけです。そうすると、これは畜産業界ばかりじゃなくて、何となく薄気味の悪い、どこかで解消したと思ってもまたどこかに発生する可能性があるということになれば、せっかくの今回の二つの貴重な例が、感染ルートを解明するための手段としてはかえって難しくなってきたと考えられます。
しかし、何としても感染ルートだけは断たなければ将来大変なことになってしまうから、断つためにも感染ルートの解明というのが必要であります。そしてまた、輸入飼料その他を何ぼ押さえても、これは港の数の多さ、流通の複雑さその他を考えますと簡単には解決できないものではないかと思うんです。
そういうことで、まずは感染ルートを解明するために、今回十勝で発見されたものも宮崎とある程度の類似性を考えて検体を集めた、四百何個かから集めた検体の一つがあらわれたんですが、この検体はこれまで調べた検体だけでいいのかどうか、もっと検体を広げて十分な調査をした方がいいのか。これはまだ農林省としては検討中かもしれませんけれども、その点についての見通しがあれば、そしてまた感染ルートを解明するために今後はどんなやり方をするのかも含めて局長の見解をお伺いしたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) 原因究明のためにいろんな調査をやるわけでございますが、宮崎でやりました事例で若干御紹介いたしますと、やり方でございますが、まず発生農場と導入されました導入元といいますか、そういうところとの関係が一つございます。それから近隣のものがどうなっているか、それから給与されているえさがどうなっているか、そういういわば疫学的な調査から着手をするわけでございます。たまたま今回の北海道で確認をされましたものも、宮崎に関連して輸入粗飼料を輸入しているところを調査して、その調査対象の中からこれが確認されたということでございます。
北海道につきましても、本別町で確認されました農家で、先ほどお話ししましたようにまずは疫学的な調査から着手をしていって、その中で得られた情報に基づいて、例えば宮崎でありましたように全国を対象に、またその対象範囲をきちっと整理をしながら検査、確認をしていくという作業が考えられるというところでございます。
今着手していますのは、まずは疫学的な部分、とりあえず本別町の畜産農家と何らかのかかわりがあるところを中心に、そこから広げていくという調査を行っているところでございまして、その調査の過程でわかりました材料に基づきまして必要な検査は当然やらないといけないと思っております。
中川義雄 そういう点で、北海道庁なども重大な関心を持って当該農家が輸入粗飼料をどこからどうやって購入したかということを非常に解明しているんです。
それで、聞いた話なんですけれども、何せ農家が動揺しているものですからなかなか話したがらないというような中で、それでも相当粘り強く現地の組合長さんだとか周りの人たちの協力も得てある程度聞いたんだそうです。しかし、それでも本当のことを言うとわからない部分がまだあると。これもまた困った話なんです。
共通して言えることは、苫小牧から入っているということであります。苫小牧港から陸揚げされて入っている。ところが、御承知のように、宮崎で起きたときに、日本じゅうにいろんな粗飼料が入ってくるものですから、我が党の部会などでも問題になって、たしかあれは横浜港だったと思いますけれども、横浜港できちっとした施設のあるところだけで窓口を一本化して、そこで入れる場合は完全に薫蒸その他をして安全であることを確かめてから入れる、そういう処置をとったと言われているんですが、それはいつごろから横浜港だけにしたのか、それがもしわかっていたらちょっと教えていただきたい。
というのは、これもなかなか難しいんですけれども、一つの稲わらだけは日にちがはっきりしたんです。平成十一年十二月三日に苫小牧へ入った品物であるということがわかったそうであります。しかし、もう一つのある種のもの、これは聞くところによりますとサトウキビの葉っぱなどをインドネシアあたりのサトウキビ産地で集めてきて、それを輸入しているんだそうですが、それについてはちょっとわからない。ルートをたどっていっても、苫小牧港に入ったことは間違いないんですけれども、道庁が調べてもいつごろ入ったかということさえ解明されていないということなものですから、これはこれとしまして、全国にあるいろんな港ではなくて横浜港だけを陸揚げ港に指定したのはいつからかだけは明らかにしていただきたいと思います。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) お話ございましたように、輸入粗飼料、特に稲わら、麦わらを中心にその可能性を否定できないという心証を持っていたわけでございまして、三月三十日以降、口蹄疫の清浄国以外から参ります稲わら等に対しまして、家畜防疫官が検査をする、それで必要な消毒等を実施するということをしたわけでございます。
お話ありましたように、すべての港にそういう施設はございませんので、横浜港というのは代表的な事例としてお話があったわけでございまして、現在、我が国では三つの港にそういう施設がございますので、そこで所要の措置をとるということにしておりまして、三月三十日以降入ってきたものについてはそういう措置がとられております。
なお、それ以前にも当然参っておりますので、それについては飼料とか敷料には使わないようにということで全国の関係の皆さんに通知をしたところでございます。
中川義雄 関係の皆さんに通知したのはわかるんですけれども、それが実効性があるものかどうかということが、今回私も調査してみて、複雑な流通系統の中に、特に畜産というのは畜産そのものの流通形態も系統ばかりじゃなくていわゆる民間の流通も非常にあって、その民間の流通と、またいろんな資金やえさでもいろいろ絡み合っているというのが実態のようでした。私も調べて初めてわかったんですが。
ですから、そういうことを通知してそれが完全に実施されるようにこれは何とかしっかりしたやり方をしていただきたい、これはここで言っても仕方がありませんけれども、要望であります。
次に、私も行ってびっくりしたんですけれども、法律に基づいて七百五頭を完全に処分してしまわなければならない。これは七百キロからある牛でありますから、それを七百五頭処分するといったら大変なことでなかったか。
最初、私はすぐ家畜保健所の所長さんに電話をかけて、どうやってやるんですかと言ったら、まず獣医師の協力を得て何とか法に基づいてやりたいという決意だけはあるが、大変ですという話なんです。
ところが、十三日に現地に行ったら、農協の組合長も参事も町長も参ったのは、これは獣医さんの問題でない、特に牧夫、牛を扱う人、牛の扱いになれた人を集めることが大変だと。というのは、牛舎にいて牛も異常に気がついて非常に興奮している。それを一頭一頭なだめながら所定の場所まで持っていくだけで大変だと。牛を扱いなれた人でなければならない。しかし、これは集めてもみんな嫌がって、というのは当然なんです。牧夫というのは、牛を扱っている人たちというのは殺すために扱っているのではないんです。大事に大事に育てて、そして乳を生んでもらったり商品として出すだけ、そういう仕事しかしたことのない人です。
ちょうど行ったときには雨が降っておりました。そぼ降る雨の中で、四メートル幅の四メートルの深さの堀を掘って何十メートルと続けるんです。それを四本、五本並べぬと七百数頭というのは処分できないんだそうです。しかも、睡眠薬か何かを注射して眠らせてやるんだそうですけれども、移動している最中にそれが突然生き返ってくる。それはもう恐ろしい地獄を見るような作業であると。当然だと思うんです。それで、なかなかこれは大変で一日や二日ですぐやれというふうに命令されてもできないということです。
私自身も、これは大変だということで、ちょうど十勝の音更町には昔の国の管理した家畜改良センターというかなり大きな施設があって、今は特殊法人になりましたが、それは農林省の指導でそこにいる牧夫、家畜を扱いなれた国家公務員の方々がいますから、その人を派遣していただきたいと。それから、新得という町には道立の畜産試験場がありますから、道庁にもすぐ頼んで、そこから牛になれた人を派遣していただけないだろうか、これは命令していただきたいと。そうでないと、なかなか処分するのは大変なんです。
しかし、大変なのは当該農家でありまして、降ってわいたような被害であります。しかもすぐ七百五頭を処分しなさいと。そして、国がある程度補償することになっていますが、原価の八割です、法律に基づいて補償されるのは。二割は農家のそのまま被害になるんです。
しかも、現行の法律では処分する費用の二分の一は農家が負担せぬとならない。これだけ被害を受けてショックを受けているときに、すぐ処分する、費用は農家に二分の一持てという現行制度なんです。これは町長さんが、そんなことを農家は知らない、だからおまえのところ二分の一負担しろなどと言えない、当然。だから、今は町が責任を持って費用を出してやっているんだという話なんです。
そこで、何とかこういう制度に温かい行政、国、道、町村も、ただ町村だけの責任にしないで何かの形で援助すべきではないかと思いますが、現行法律ではどうなりますか、局長。
政府参考人(樋口久俊農林水産省畜産局長) 現在の仕組みについて御説明を申し上げます。
口蹄疫の患畜とか疑似患畜が発生しましたときにその処分をしないといけないということになるわけでございますが、その処分等にかかります費用につきましては、家畜伝染病予防法という法律に、いろんな経費ごとに国と地方公共団体、それからお話ございました家畜の所有者との間で負担割合が事細かに明文で規定をされております。
お話ございました埋却の経費につきましては、二分の一を国が交付するということで、残りの二分の一については家畜所有者の負担になるということに規定の上ではされております。ただ、その軽減を図るという観点から、この措置が地域における蔓延防止のための措置の一環であるということもございますので、地方自治体からも支援をしていただくということがあれば大変それは望ましいことではないかと考えております。
中川義雄 要するに、今回の問題は酪農家だとか畜産農家の責任でないと思うんです、これは。全く被害者だと思うんです、その人は。しかも、これはいつつくった法律か知りませんが、相当昔の法律だと思うんです。口蹄疫なんというのはもう九十年も何十年も出たことがないわけですから。
ですから、昔は牛を個人で飼ってもせいぜい五頭だとか十頭だと思うんです。今、十勝では個人でも一番多いのは五、六千頭飼っている農家もあるんです。五、六千頭、個人農家で。もしそんなところへ波及して五、六千頭を農家に全部処分しろ、その費用を二分の一負担しろ、八割の原価しか補償しないとなったら、これはもう首をつらぬとならないような状態だと思うんです。
だから、現行の制度に合わない法制度だと思うんです、個人に二分の一負担を強いるなんというのは。しかも、それは公益のためなんです。個人のためにやるんじゃないんです。当該農家には何にもならない話です、全部ゼロになってしまうわけですから。ゼロにして犠牲を払って、周りに伝染しないようにする処置のために個人が負担する制度というのは、私はいい制度ではない、もっと言うと悪法だと、それはもう何十年も前ですからね。
ですから、これは大臣の責任においてこの法の内容だけは改正していただくことを当面やっていただきたいし、当該農家に対する費用負担の軽減、ある地域の町だけに負担させないでやるという意味で、これは法律でそうなっていますから簡単にはできないことかもしれませんけれども、大臣の決意次第によっては費用の分散だとか何かできると思いますので、その点、大臣の御決意を伺いたいと思います。
国務大臣(玉沢徳一郎農林水産大臣) 今、委員からいろいろと御指摘をいただいたわけでございますが、現行制度のもとにおきまして今対応をいたしておるわけでございます。
それで、今回得られた経験をもとにしまして、今後における侵入防止のための措置、発生時の防疫体制、原因究明のための調査等について現行制度を見直す必要があるのではないかと考えておるところでございます。
現時点ではまだ口蹄疫の終息を見ておりませんので具体的には申し上げられる段階ではありませんが、今般の口蹄疫の発生とその後の経緯を踏まえて、国、県、団体、生産者など、それぞれの課題等を整理することといたしております。その結果、必要があれば次の通常国会までに家畜伝染病予防法改正案を提出できるよう検討していきたいと考えておるところでございます。
中川義雄 次回の国会までという決意はわかるんですけれども、大臣、確認だけさせてください。個人負担という制度だけは、これだけは大臣の責任で、そんなものは次に提案するときはなくするということだけ一言入れていただきたいと思います。
国務大臣(玉沢徳一郎農林水産大臣) これは法律の趣旨もそうでございますけれども、殺処分をされましたものに対しましては国が補償することになっております。しかし、埋却をするということについては国が二分の一ということになっておるわけですが、生産者が二分の一という趣旨は、これはやはり原因者負担という考えがあるわけでございます。
それを、二分の一すべてを農家に、生産者に負担させるかどうかということについては、これはやはり制度上の考え方をもとにしまして今後ちょっと検討させていただきたい、このように思います。
中川義雄 大臣、ちょっとくどいようですけれども、原因者負担というのは、何か隣にいらっしゃる公務員の皆さん方が何か原因者と、まるで当該農家が原因者で悪いような、そんなものではないと思うんです。
この口蹄疫という問題、しかも外国から入ってきたことだけは、もう九十年、百年と出ていなかったわけですから外国から入ってきたことだけは間違いない事実なんです。外国から入ってきた原因を解明できない中で、まるで原因者みたいなことを、大臣、これはとても私は地元へ行ってそんなことは言えないですよ、口が裂けても、国会議員として。ここにいらっしゃる皆さん方、全部同じだと思うんです。
ですから、立法機関にいる国会議員はだれもこれに反対はしませんから、あとは大臣の決意で法案をつくるかつくらないかだけですから、これはもう隣近所と相談しないで、大臣、やるんだという一言を。
国務大臣(玉沢徳一郎農林水産大臣) 確かに委員のおっしゃるところもよくわかります。
しかし、全額すべて国が負担する、こういうことになると、これは病気を起こしても全額負担だと、こういう趣旨になるわけでございますから、やはりこれはきちっと今後もこういうことを起こさないという趣旨を込めてお互いがそれに対応する、こういう趣旨もございまして、法律の中におきましては埋却処分の問題については半額という形になっておるわけでありますけれども、その法律の趣旨というものも私は決して無にしてはならぬと思うわけでございまして、すべて全額ということについては私は賛成しかねる、こう思います。
しかし、負担のあり方については検討をする必要はあるかと思います。
中川義雄 ちょっと時間がなくなるので、これは我々国会議員も重大な関心を持って、委員長、この問題については処理していただきたい。
これは中身によりますよ、本当にその農家が何か手を抜いたことによって発症したものと口蹄疫とを何もかも同じにして、これは発生者責任を追及するんだと。私はこの場合、何も国だけで全部持ちなさいということじゃなくて、これは地方公共団体だとか生産者団体だとかみんなが、しかも一番大きな問題はこれを広げちゃいけないという精神が一番大きいんですよ、処分するというのは。ですから物すごく公益的な事業なんですよ。そのことも考えて善処していきたい、こう思っております。これは国会議員の責務でもあると考えておりますから、その点だけはよろしくお願いしたいと思う。
それからもう一つ、先ほども冒頭言いましたが、北海道では農業粗生産額で一兆一千億ぐらいになります。これは北海道の経済にとっては大変な大きなウエートを占めているわけです。そのうち酪農、畜産業が北海道は四千六百億円を占めております。ですから、四二%ぐらい占めているわけですから、大変な大きなウエートであります。
今、北海道の酪農家も農家も二つの面から心配しているんです。一つは、風評被害によって需要が減少して、有名な十勝牛の返品があったとか牛乳まで返品があったとかという、これはもう全部風評被害。人には全然影響を与えないものであるにもかかわらず、そう言われていてもそうなってきているわけです。しかし、この風評被害がなかなかおさまらないんです。風評被害がおさまらない要因はたくさんあると思うんです。
ところが、私は今回、もう時間がないから明らかにしますが、びっくりしたのは、農水省も厚生省もこれは人には絶対感染しない、大丈夫ですといって通達その他を出してくれているんです。ありがたいんですが、これがさっぱりきかないんです。
なぜかというと、辞典を調べてみた、主な大きな辞典、日本を代表するような辞典。「人間に感染する」、これは小学館の辞典であります。それから日本国語大辞典も「人間に感染する」。それから大辞泉も「人間に感染する」。三省堂の大辞林、これも有名なものですが、「人間に感染する」と書いてある。それから岩波の広辞苑も「人にも感染する」とある。それから世界大百科事典も「ヒトにも感染する」となっている。感染しないと書いているのは二例だけであります、二例だけ。この二例というのは全くの専門書でして、獣医さんしか読まないようなものにはさすがに感染しないとある。
一般庶民は、口蹄疫が出たとなったら、大臣、通達なんか見ませんよ。農林省、厚生省の通達なんか全然見ない。あれ、口蹄疫って一体何だろうかといって百科事典か辞典を開くわけです。辞典を開いたらみんな人間に感染するというんですから、これでは何ぼ風評被害を阻止しようとしたってできっこないんです。これは数が違う。
一般の人は、やっぱりこれだけの立派な辞典に書いてあれば、それを信じるのは当然だと思うんです。これをこのまま放置しておいたというのは、宮崎で起きてから今日までこの問題を放置しておいたというのは、私個人が気がついている問題を放置しておいた、これは重大だといって大臣が記者会見でもして、こんな辞典の状態になっていることが大変だというようなことを記者会見してニュースで発表する以外に当面これを阻止することはできないと思うんですが、もう時間がありませんからこれが最後の質問になりますが、大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣(玉沢徳一郎農林水産大臣) 私は、記者会見に際しましては、口蹄疫は人間に感染することはないということを明示しておるわけであります。風評被害の対策につきましては、関係者に対しまして正確な情報を提供することが最も重要であると考えております。
人間に感染するかしないか、今の辞典の書き方は簡単に感染するような書き方であるわけでありますから、やはりこういうことについては正確な情報をそれぞれのところにしっかりと送って、記述を直してもらうというようなことも当然なすべきことではないか、こう思います。
また、今まで宮崎県等に生じたわけでございますけれども、そういう場合におきましても、口蹄疫の発生に際しましては、生産者及び生産者団体に通知を発出し、現在流通している食肉、牛乳等については安全性に問題がないことから、風評被害が生じないよう、生産、流通関係者及び消費者等に周知を図るとともに、みずから風評被害を引き起こすことのないよう注意を喚起してやってきたところでございまして、北海道においても全く同じような措置をとっておるところでございます。
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