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第147回国会
2000年4月21日
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沖縄サミット開催に伴う沖縄振興の決意について
沖縄サミット開催への気構えについて
北方領土問題について
G8における日ロ首脳会談に臨む決意について
ロシア主張海域における日本漁船の安全操業について
北方領土元島民に対する対策について
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委員長
沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
中川義雄
自民党の中川義雄です。どうぞよろしくお願いします。
いよいよもって、あと三カ月少々で沖縄県におきましてサミットが開催されます。東京以外で我が国初めてと、大変国民も期待しておりますが、私自身も実は感無量のものを持っているんです。ちょうど二年前の三月の当委員会におきまして、そのころサミットの開催をどこにするかという話題が全国それぞれ期待を持って要請が続けられておりましたが、私どもの北海道札幌市からもその要請が強く出されておりました。
しかし、私は本委員会で、当時の野中官房長官と議論したときに、ぜひ沖縄で開催していただきたい、沖縄県民のこれまでの苦渋、そういったものを考えたとき、沖縄県で開催していただきたいというお願いをしたことがありましたから、なお一層思いを深くしておるわけです。
考えてみますと、戦中、戦後を通じて、本当に同じ日本人としては、沖縄県民が大変な苦悩、苦渋、苦労の連続だったと思うわけでございますから、沖縄県民もそうでありますし我々もそうでありますが、このサミットを通じて沖縄県民に、そして沖縄県に対してどんな形で報いていこうとしているのか、外務大臣と沖縄開発庁の立場からそれぞれお示しいただければ幸いだと思います。
国務大臣(河野洋平外務大臣)
中川議員のお話を伺っておりまして、本当にうれしく存じます。
私もあの当時のことを思い出しますと、随分多くの都市が、東京以外でサミットを開催するという考え方が伝わりますと、手を挙げてその誘致に大変取り組んでおられた中で、北海道選出の中川議員が沖縄がいいだろうという御提案をされたということは、本当にそれこそ沖縄の方々を初めとしてまことに立派な御提案と考えられたに違いありません。その後いろいろな紆余曲折がございましたけれども、最終的にまさに小渕前総理が万感の思いを込めて沖縄開催を決断されたということでございました。
まだまだいろいろ申しますけれども、インフラにおきまして必ずしも十分でない、いや十分でないという言い方は、もっと十分な場所もあったに違いない、そういう中で思い切って沖縄に前総理が開催地をお決めになった。それは、今議員がお話しになりましたように、戦中、戦後、大変な苦難を背負ってこられた沖縄県民に対する小渕前総理の思いがあったと思います。
現在でも、米軍基地全体の七五%を沖縄に持って沖縄県民の皆さんはほかにないさまざまな問題を抱えておられるわけでございます。また、県民所得まで申し上げるのはどうかと思いますけれども、これらについても恐らく前総理は思いをめぐらせたに違いないと私は思っております。
そういう前総理の決断というものがございますだけに、私も、前総理の御指示もあって欧米各国、G8メンバー国に参りましたときにも、なかなか沖縄ということは耳なれない言葉、日本といえば東京、大阪あるいは京都という中で、沖縄と向こうから言われかねない場所でございますが、今回のサミット開催で沖縄が国際的にも大きな知名度を得ると同時に、沖縄からさまざまな新しい情報が発信される、そしてその沖縄には大変多くのマスコミの人たちも来るでありましょう。そういう人たちが送り出す沖縄についてのさまざまな情報というものがこれまでの沖縄県民の皆様方の御苦労に幾らかでもプラスになってほしいというふうに、今、私としては考えております。
政務次官(白保台一沖縄開発政務次官) 私は、地元選出議員としても大変喜ばしい限りであり、またありがたく思っております。
前総理が昨年の四月二十九日に決定をされましてから、間もなく一年を迎えようとしておりますが、あとまた三カ月でいよいよサミットを迎えるわけでございます。二〇〇〇年の区切りのときのサミットとして、二十一世紀の沖縄の発展につなげるために全力で取り組んでいきたい、このように決意いたしております。
中川義雄 どんなことをしても沖縄のサミットだけは成功させていただきたいものだと。
特にこのサミットが始まって以来この国は参加しておりますが、考えてみますと、人種問題を言ってはいけませんが、有色人種が大半を占めている国の代表では我が国だけですし、アジアからも我が国だけであります。ですから、サミットの我が国の存在というのは、単に日本を代表してという意味よりは、私は、アジアを代表して参加しているというようなもっともっと大きな視点からぜひこのサミットに参画していただきたい、こう思うわけであります。
今回の主要テーマは、一つにはIT革命、一つにはグローバル化に乗りおくれた途上国の開発問題、そしてまたエイズなど感染症の対応、文化の多様性の重要性といったような四本の柱だ、こう聞いておりますが、どれをとりましてもアジアにとっても非常に大切な話題、課題である、こう考えますから、日本としては、アジアを代表して、アジアの諸国民の声をどのような形でこのサミットに反映していくつもりなのか、その気構えみたいなものを外務大臣に示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
国務大臣(河野洋平外務大臣) 議員御指摘のとおり、アジアで行われますサミットでございますだけに、小渕前総理はぜひここでアジアの声をこのサミットに反映させたいというお気持ちが強かったと思います。
そうしたことを踏まえて、小渕前総理はUNCTADの会議でございますとかその他アジアで行われます会議に相当強行日程を押して出かけられまして、アジアの首脳の方々とかなり広範囲に意見の交換をしてこられました。私は、そうした積み重ねが、議長としての小渕前総理からアジアの声というお気持ちでいろいろと取りまとめ、その他に反映をされるのではないかというふうに思っておったわけでございますが、急な病を得て、残念ながらサミットを目前にして交代せざるを得ないという状況になられたことは、まことに痛恨事でございます。
しかし、その小渕前総理の気持ちを引き継いで、森新総理もまたサミットに向かいます姿勢は小渕前総理のお考えをできるだけ引き継ぎたいということでございます。多少時間が短くて、相当時間をかけてヨーロッパを回りアジアを回られた小渕前総理の準備期間に比べると、時間的には相当な制約がございますけれども、しかし組織的には積み重ねはございますから、そうしたことを十分に使っていただいて、森総理にもアジアの声を反映する、アジアの意見をうまく反映していただくように私どもとしても全力を挙げてサポートしたいというふうに思っている次第でございます。
中川義雄 いずれにしましても、本当に小渕さんが今こういう形にいるときに、森総理の責任は重大だと思います。しかし、これまで河野大臣がずっとサポートしてきたわけですから、私は河野大臣の活躍に大きな期待を寄せておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
また一方、アジアというともう世界の人口の過半数以上を占めている大きな大きな地域でありまして、そういう中でアジアからもう一カ国ぐらい、せめてもう一カ国ぐらいサミットに参加していただきたい。具体的に言うと中国をどうかというようなことを、私はよく知りませんが、新聞その他でそんなことが話題になっておりますが、その点について何かありましたら、外務大臣、教えていただきたいと思います。
国務大臣(河野洋平外務大臣) 中国がG8に参加をするかどうかという議論は、実は最近はございません。
少し以前にさかのぼりまして、非公式にとあえて申し上げますが、中国をサミットに参加させることについてどうかという議論を、私はG8メンバーの外務大臣と、全く個人的にしたことがございます。そのときには、まだ当時はG7と言われていたころでございますが、G7は自由主義とか民主主義とか基本的人権の尊重とか、こういったものを共有する、そういう先進国の首脳が集まるんだ、それが基本であるということが非常に強調されました。そこでロシアが入ることがいいかどうかという議論にはなったわけでございますが、当時ロシアは、つまりソ連が解体されてロシアになって、ロシアは自由主義あるいは民主主義に向かって改革を進めるという、そのことを鮮明にうたわれた時期でございまして、ロシアが民主化の努力をする、あるいは市場経済化の努力をする、そういうことであるなら価値観が共有できるんじゃないか、そして、こういう大国を仲間に入れておくことがいいのではないかという、そういう議論でございました。
当時は、やはり中国は体制が違うということもあって、それからもちろん中国の立場もG8に、当時はG7ですけれども、G7に参加をしたいという気持ちは中国にはないと。中国は、むしろ非同盟の多くの国々のリーダーとして国際社会に発言をするということを望んでおられるということもございまして、中国がG7なりG8に入るということは、まあG8メンバーとしてそういうことはないだろうねというのが当時の話でございました。昨今そういう話はございません。私の知る限りございません。
中川義雄 本当にちょっと残念な気がするのは、G8、サミットがこれだけ実質的に存在していて、世界に大変な影響を及ぼしているときに、できるだけ中国も、みずから進んでいろんな制度だとか、そしてまた体制を変えていくというような気持ちを持っていただきたいものだ、そんな願望もあったものですから、あえてそんな話をさせていただきました。
また一方では、今回いろんなテーマが、先ほどの四つのテーマ以外にいろんなテーマが考えられると思いますが、我が国からはどんなテーマを、例えば沖縄というような問題についてもテーマとして出す気持ちがあるのかないのか。国民はどんなことが話されるのか大変期待していると思いますので、率直な大臣の御意見をいただきたいと思います。
国務大臣(河野洋平外務大臣) G8サミットという、今申し上げました先進国の首脳が集まりますこの会議、しかも今回はまことに二〇〇〇年という、先ほどお話がありましたように節目の年でございます。それだけに多少気負いもございまして、議論はでき得べくんば二十一世紀をずっと視野に入れて、これからのミレニアムに一体我々はどういう方向を目指せばいいか、どういう問題を克服することが必要かという、少し気負ったテーマをそれぞれの首脳は考えておられまして、今各国首脳の間をいわゆるシェルパという人が集まっては議題の整理などをいたしております。
そういうことで、まだ正直整理された議題ということにはなっておりませんけれども、それでも、例えば心の平安とか繁栄であるとか、あるいは不安の除去でありますとか、そういったようなことについて大分議論がございます。
繁栄といえば、世界経済を一体どういう方向に持っていくのかというような議論があろうかと思いますし、それから安全とか安心とかということを考えれば、現在ある国際的な犯罪をどうやって除去するかとか、先ほどもちょっとお話がありましたが、エイズを初めとする疾病、非常に悪性の疾病をどうやって根絶するかということについて議論を進めようとか、そういった議論がございます。あるいは紛争予防をどうするかとか、そういった議論がございます。
実は、沖縄の問題をどういうふうにするかということについてはG8の首脳間の話の中には、正直申し上げてまだございません。しかし、いずれにしてもG8の首脳が沖縄に来られるわけでございますから、まさに首脳の方々は沖縄の地をみずからの足で踏んで御自身で沖縄の実情をごらんになるわけでございます。あるいは沖縄の方々の気持ちを、恐らく賢明な首脳の方々でございますから、察知されるに違いない、いろいろなことをお感じになられる、あるいはお聞きになられるということになると思います。ということになれば、そうしたことがおのずから話題になるということは十分あり得ると思っております。総理がどういう形で沖縄の問題に触れられるかということについてはまだ十分な整理ができておりませんが、とにかく沖縄でサミットが開かれるというこのことが極めていろいろな問題の中でベースをつくるということは申し上げていいのだと思っております。
中川義雄 次に、北方領土問題といいますか、日ロ関係について若干お話を聞きたいと思います。
御承知のように、平成九年十一月、クラスノヤルスクにおいて日ロ首脳会談が開かれまして、西暦二〇〇〇年まで、ことしまでに平和条約を締結できるように全力を尽くすというお話が成り立ちました。当時、エリツィン大統領の物すごい大きな体と、橋本総理は小さかったが胸を張って、本当に橋本総理が大きく見えるぐらいの、我々道民といたしましても大変な期待を持ったわけであります。しかし、その後川奈における会談もありましたが、エリツィン大統領は辞任し、プーチン首相が大統領代行として、そしてまた次期大統領に当選するというような形の中で、何となくこの問題が二〇〇〇年までというのはもう不可能ではなかろうか、一体いつになったら平和条約が締結されるのか、領土問題が解決されるのか、非常に不安になってきているわけです。
そこで、まずお伺いしたいと思いますが、四月四日、前総理特使がクレムリンにおきましてプーチン次期大統領と会談して、小渕前総理の親書を手渡し、四月二十八日から三十日の間で総理がロシアを訪問して首脳会談が開かれるということになったこと、これは明るいニュースだと思っているわけですが、その際、小渕前総理の親書の概略とそれに対するプーチン次期大統領のコメントみたいなものがありましたらお知らせいただきたいと思っております。
国務大臣(河野洋平外務大臣) 今月の初めに小渕前総理の特使として鈴木議員がモスクワを訪問されてプーチン次期大統領と会談をされる、これは小渕前総理からもプーチン氏に、自分の特使を向けるので手紙も持たす、よく話を聞いてくれということを直接電話でも言われて、そして鈴木特使が行かれたわけですが、まことに残念なことに、鈴木特使はたしか飛行機の中で小渕前総理の入院を聞かれて、総理を退陣せざるを得なくなるという状況を知ったということに時間的になると思います。
そういう中で、鈴木特使は東京の私どものところにも、あるいは官邸にも党本部にも再三電話連絡をされて、自分はどうするか、もう引き返すか、小渕総理の特使ということで来たんだけれどもどうするかということを随分確認されましたが、東京からはそのまま役割を果たしてくれという指示がございまして、私からもぜひそのまま仕事を続けてくださいということをお願いして今月末のプーチン次期大統領と我が国首脳との間の会談をセットされたわけでございます。
小渕前総理としては、欧米の首脳とも繰り返し会ってサミットの話をされる、アジアの首脳ともいろいろな話をされる、そうした中でG8メンバーの中でロシアの首脳だけ一度も面識がないということもございました。これは、十二月三十一日、突然のエリツィン大統領の辞任でございましたから、小渕前総理としてもどうしてもサミット前に会っておきたいという強い御希望があって特使を派遣されたということでございます。ところが、こういう事態になりまして、結果として森総理はプーチン氏と会談をするに当たってG8メンバーの中で恐らく最初にロシアの首脳と会うということになるのだろうと思います。
特使とプーチン氏との間の会談でございますが、小渕前総理の親書の中には、胸襟を開いて、場合によってはネクタイなしで最も早い機会に懇談したい、そういうことが有益だと考えるということを述べておられました。そして、鈴木特使との間では、承知した、できるだけ早い時期に、つまり今月末に会いましょう、その上でモスクワ以外の場所で会いましょうというような話で原則的に合意に達したということでございます。
先ほど、私ちょっと小渕前総理の入院は飛行機の中でと言いましたが、飛行機に乗る前に入院を知って、しかし飛行機に乗られたということで、事実関係をちょっと間違えておりましたので訂正させていただきます。
中川義雄 そういうような本当に劇的な中で、G8の中では初めてプーチン、今度大統領に就任する方と森総理が会談するということになったと思いますが、我々はその中身、その中で少しでも領土問題の前進と日ロ平和条約の締結について前進することを期待しているわけでございますが、政府としてこの会談に臨む決意などがありましたら、お知らせいただきたいと思います。
国務大臣(河野洋平外務大臣) 森総理としてはG8の議長としてG8メンバーにはG8の折に初めて会うということでない方がいい、これは橋本元総理からのアドバイスもあって、G8の会議の前にはとにかくメンバーとは事前に会っていろいろ話をしておくことが大事だという御忠告もあったというふうに伺っておりますが、私は森・プーチン会談で一番大事なことは、まず個人的な信頼関係をつくり上げることだというふうに思います。
と同時に、今、議員がお話しになりましたように、私どもとしては東京宣言あるいはクラスノヤルスク合意、こういったものを確認すると。これは、もう既に数次に及んでこの点は確認はいたしております。例えば、私どももいたしましたし、それから特使もそういう話はいたしておりますし、先方からもエリツィン氏の日本とのもろもろの合意、宣言はすべて継承するということを言ってきておりますけれども、やはりこれは森・プーチン会談でさしで会って、生の声が届くところで、お二人でもう一度ここは確認をされるところから始めていただくのが一番いいというふうに思いますので、今回の会談におきましては、従来の両国間の首脳の合意とか宣言というものは、すべてそれは継承されるという確認をしていただくことがその次に重要なことだというふうに思います。
そうしたことをベースに、私どもはこの宣言、合意をぜひ実行するべく全力を挙げたいと思っております。
中川義雄 そういうことで領土問題を含めて日ロの平和条約の締結が延びに延びている。そういうことで領土問題から派生する北海道でのいろんな問題があります。
その中でまず第一に、水産問題について中須水産庁長官にお聞きしたいと思います。
いわゆるロシア主張海域における日本漁船の操業問題でいろんなことがあったわけですが、そこで話し合いにおいて操業するということを迎えて三年目になるわけであります。しかし、ことしになってこの海域で操業直後から北海道の漁民が敷設した漁具にロシア船が不法な操業をすることによって多大な被害を与えておりまして、北海道沿岸漁民にとりましては本当に悲鳴みたいな声が聞こえてくるわけでありますが、その実態と対応策についてお伺いしたいと思います。
政府参考人(中須勇雄水産庁長官) ただいま先生から御指摘がありましたとおり、九八年に発効いたしました北方四島周辺における操業枠組み協定、これに基づきましてスケトウダラの底刺し網漁業につきましては二回目、昨年とことし二度行われているわけであります。
昨年は若干の問題がございましたけれども、基本的には平穏に推移したわけでありますが、ことしの操業、一月一日から三月三十一日までが漁期ということでございますが、本年一月八日の未明から二月一日にわたりまして無漁、十五回にわたり我が国の刺し網漁具が破壊をされる、こういうことがございました。被害状況は、漁網五百二十反、ぼんでん三十七組等でございまして、金額に換算すれば一千万円を超える被害が出た、こういうことでございます。
私ども、実はこの羅臼沖の漁具被害については、我が国の操業が始まる前にロシアもトロール漁船が操業しているという情報を得まして、事前にロシア政府に対し、万が一にも漁具被害が起きないようにという申し入れをしておりました。ところが、ただいま申しましたように、一月八日以降発生したということで、発生のたびにモスクワあるいはロシア極東におきましてロシア側に事実関係の調査と被害の再発防止にわたって再三申し入れを続けてまいりました。途中では、大使にも御出馬をいただいて漁業国家委員会の議長、そういう方にも申し入れをするということでお願いをしたわけであります。
ただ、率直に申しまして、漁具が敷設してある夜の間に被害が起こるということで、明確な形でだれが一体加害者であるのかということが特定されていないということをもちまして、申し入れは行っておりますが、先ほど申しましたように、被害が続いたという状況があるわけでございます。
これで、もちろん外交面、外務当局と協力しながら、私どもは再発防止ということに努めるとともに、被害が出た分については、実はこれは外国漁船の被害対策特別基金というのが国と民間での出資によりまして造成されております。そこから利子補給をして復旧資金等の融資を行う、そういうことを活用するというような道もございます。
いずれにしても、解決はまだ見ていないわけでありまして、次の操業に向けて再びこういうことが起きないようにしっかりと対応していかなければならない、そういう状況にございます。
中川義雄 今出た羅臼、この地帯はソ連時代、ロシアになる前のソ連時代ですと、羅臼というのは日本でも最も豊かな地帯と言われておりました。羅臼へ行きますとスケトウ御殿が建つというぐらいの本当に豊かな漁村だったわけですが、それがロシアの代に入りまして、無政府的な漁業が行われて乱獲に乱獲を重ねております。
私も見ましたが、羅臼のすぐ前の沖に三千トン、四千トンというようなトロール漁船であります。昔の青函連絡船みたいな大きなトロール漁船がまっすぐ前まで来て根こそぎとっていくものですから、これはもう今は羅臼は大変な苦悩の中にあるわけであります。
そして、お互いに共補償しながら、資源管理をしながら何とか持続的な漁業をやっていこう、地元の漁民は頑張っているわけですが、そんなことと無関係に無秩序な漁業が行われているのが実態であります。ですから、私は政府に対して二つのことをお願いしたいわけです。
共補償しながらお互いに羅臼の漁民、あの地域の漁民は二十一世紀に向かって何としても漁業だけは後継者を残していきたいと頑張っているわけですが、しかし全滅状態にある。これに対してどんな補償措置をとるかというのが一つであります。何とかして財政的な支援をいただきたいというのが一つであります。
もう一つは、これをやはり外交問題としてきちっと取り上げて、こんな無秩序な、だれが見ても資源を収奪するようなこの漁法をいかに、しかもそれは領土的にはお互いに主張の違ったそういう地域であることはロシアも知っている地域でありまして、政府の最大の努力をしていただかなければなりません。
そんな点で水産庁長官、それにこれは外交問題もありますので、これは外務大臣のコメントをいただけるかどうかは別にしましても決意ぐらいをいただきたいものだ、こう思います。
政府参考人(中須勇雄水産庁長官) 今お話しございましたように、羅臼のスケトウダラ漁業、かつては十万トンの水揚げというものもあった時代があるわけでありますが、現在ではそれが一けた小さなものになっている。大変厳しい状況に置かれております。このため、御指摘のように平成八年には五十隻の減船をいたしまして、現在百二十五隻規模で操業しているということでありますが、漁獲量は資源的にやっぱり大変厳しいものがあるというのが率直な状況だろうと思っております。
ことしの一月に、漁民の皆様方含めて私どものところにもおいでいただいて、大変な苦境にあるのでぜひいろいろな支援をお願いしたいというお話がありまして、私どもも承りました。率直に言って、漁具被害だけにとどまらず、今の状況でございますと百二十五隻の操業自体がちょっと困難である、さらに減船をしなければならない、そういう事態にあるという認識でございます。
この漁業は、御承知のとおり、北海道知事による共同漁業権に基づく漁業あるいは許可漁業ということでございますので、基本的に道庁としてどういうふうに考えるかということが大変重要でございます。道庁においても今検討しておりますが、私どもも北海道庁と一緒になって、ここのスケトウダラをどうしっかりと守っていくか方針を考えていきたい、こういうふうに思っております。
それから、言うまでもなく被害の問題、あるいはあのような漁業がロシア側から行われていたら将来がないのではないかという問題については、やはりせっかく安全に操業できる枠組み協定が決まったわけでありますから、それを実現するという意味でも、現在のような事態が続くということは、我々にとっては大変耐えがたいことであります。そういう意味におきまして、外務省と私どもも協力して、安心して操業できる、こういうものの実現に全力を挙げていきたい、こういうふうに思っております。
中川義雄 時間がなくなりましたから、総務庁長官に、本当はたくさん聞きたかったことがあったものですから来ていただきまして申しわけありませんが、実は元島民の問題なんです。
本当に多くの島民は、残念ながら、ふるさとへ帰りたいという願いを込めながら、多くの方々が亡くなってしまいました。今、北海道にもある程度の元島民、私の知っている人もおりますが、もう年老いているんです。
元島民に対する対策、これはほとんど何もなされていないんです。例えばあの地域、根室管内の各自治体にはいろんな補償措置をとったり政府としての補助金でいろんな施設をつくったりしていますが、肝心の元島民に対しては何もされていないんです。元島民の財産がどうなっているのか、その調査もようされていないんです。しかし、聞くところによりますと、登記簿も全部日本にあって、大体政府がしっかり調査したらできるはずだと聞いておりますが、細かいことは別にしまして、長官の元島民に対する対策というような基本的な問題についてここで決意を述べていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
国務大臣(続訓弘国務大臣(総務庁長官)) 中川委員は、先ほど来おっしゃっていますように、元島民の関係をよく知っておられる議員のお一人でもございます。
私は実は、一月でしたか、元島民の方々の御要望をじかに承るべく根室に向かう予定で出かけました。札幌に伺って、あとは雪のために根室に行けませんでした。しかし、札幌で、実は元島民ないし関係団体の方からの陳情を承りながら、今中川委員がおっしゃったようないろんな御要望を承ってまいりました。
ただ、残念ながら、御案内のようにいまだ領土が返還をされません。御指摘のように、登記簿等はありますけれども、現状ではいわばソ連の管轄下にございますので、私どもは手も足も出ない。しかし、返還された暁においては、今ちゃんとした登記簿等もございますので、万全な対応をしてさしあげたい、このように考えております。
中川義雄 終わります。
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